「今日はこの辺ブラブラして、なにか大阪らしいもんをちょこっと食べてホテルに戻ろう」
こんど大阪に行く機会があったら絶対行こう、と思ったとたんに大阪出張の機会がめっきりなくなりまして。1 年以上ぶりの大阪出張のチャンスを狙って、『孤独のグルメ』聖地巡礼【原作版】の聖地を訪れてみました。その店は、第 7 話「大阪府大阪市北区中津のたこ焼き」の舞台となった中津。梅田とは全く雰囲気の違う、コッテコテの街並みに軽いカルチャーショックを受けつつ、たどり着いたのがこのお店。
原作で登場した「東洋ホテル」(原作では「HOTEL NANIWAYA」)も経営母体が変わり、今の名前は「ラマダホテル大阪」。その真向かいに、かなり年季の入った屋台がありました。ここが、たこ焼き屋台「3 ちゃん屋」(原作では「ロクちゃん屋)。
本当は、ここでたこ焼きを食べて向かいのラマダホテルに泊まるまでが聖地巡礼でしょう、と思ったんですが、直前に予約しようとしたところ既に満員(;´Д`)。調べてみたら、さらにはこの年末で閉館してしまうとのこと。
ラマダホテル大阪、12月末で閉館 東洋ホテルが前身 :日本経済新聞
この屋台、けっこうこのホテルの宿泊客の利用も多いと思うんですが、どうなるんでしょうか…。
さておき。
「たこ焼き…よし!食って帰るか」
私がお店に着いた時点でほぼ満席でしたが、それでも席を詰めて迎え入れてくれる暖かさが、お店全体にありました。
まずはビールで乾杯。生ビールでも瓶ビールでもなく、缶ビールという気安さが逆にいい。
驚いたのが、ビールを頼んだら、おじさん(3 ちゃん)がカウンターに座っていたお兄ちゃんに「ちょっとビール取ってきて」と言うと、隣に駐まっているワゴンから缶ビールを持ってきてくれたのですが、このお兄ちゃんが店員でもバイトでもなくお客さんだったということ(笑。しかも、完全に常連さんだと思っていたら、「ラマダホテルに泊まっている、今日初めて来た人(岐阜県在住)」とのことで、さらに驚き(笑。でも、このノリが面白い。
カウンターの中では、3 ちゃんが手際よくたこ焼きを焼いていきます。この手さばきを見ると、「大阪に来たんだなあ」という気分になりますね。先入観かもしれませんが、東京のたこ焼き屋さんとは動きが違う気がします。
まず最初にいただいたのが、ねぎポン酢。これがうまい!ソース味とは違って、これはたこ焼きがお酒のつまみとして立ち上がってくる。ネギとポン酢の爽やかな風味が味の目先を変えてくれるような印象で、これはいきなりじゃなくてソース味の後に食べたほうが効果的(←何に)だったかも。
ここのたこ焼き、たこがすごく…大きいです…。
そしてこのお店のお客さん。さっきのお初なのに店員扱いされているお兄ちゃんをはじめ(笑、先週大阪に引っ越してきたという国際結婚のカップルや、芸術家然とした優しそうな常連のおじさん(話を聞いたら本当に芸術家だった)、芸能界に関わってる風の常連さん、など皆さん実に個性的。ほとんどの会話が基本的にボケとツッコミで成り立っていて、下ネタ率も高く(笑)、『孤独のグルメ』に登場したお店の雰囲気そのもの以上の勢いがあります。私は飲食店に来て見知らぬ人と会話するのはあまり得意な方ではありませんが、この場の空気に圧倒されて、笑いどおしでした。
続いてソース。表面が軽くカリッとしていて、中はふわとろ。オーソドックスな、これこそ大阪のたこ焼き。かつおぶしの代わりに、表面に軽く魚粉。そういうのもあるのか…。
井之頭五郎のように、軽くたこ焼きだけ食べて帰るつもりが、すっかり長居してしまいました。カウンターを囲むお客さんが、3 ちゃんを中心に全員で会話に参加している感じで(そのうち、カウンターに座り切れなくなって、暖簾の外にもパイプ椅子が並んでいた)、話し込んでしまいました。いや、話し込んだというより、外から見ると周りのマシンガントークに私がひたすら笑っている、という構図だったに違いありませんが。この blog に書いていいかどうか分からないような話も含め、とてもおいしく、楽しい時間を過ごさせていただきました。
そして醤油たこ焼きで〆。このお店のたこ焼き、全制覇。
ほんと…これほんとにおいしい。
けど…どうやってそれを表現したらいいのか。何を言っても気取っているようで…。
(「孤独のカメラ」使用)
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