「『やってます』…なんかいいな。今の俺のアンサーは、とんかつだ」
ドラマ『孤独のグルメ』聖地巡礼、Season2 が無事完結したので、ここからは Season3 の巡礼に本腰を入れていきます。今回白羽の矢を立てたのは、第 10 話に登場した西尾久のとんかつ店。この店、実は第 6 話「板橋区板橋の焼肉ホルモン」に出演した女優・安藤玉恵さんのご実家らしいですね。ご本人の紹介でロケ地に選ばれたというのは、お店をスタッフの足とクチコミで探しているという、このドラマらしいエピソードだと思います。
通されたのは期待通りの「ゴロー席」、まずはビールで乾杯。こどグルの店には、やっぱり瓶ビールが似合う。
ちなみに、このお店は酒鍋が予約必須なので予約したのですが、当日行ってみたら「本日は予約満席です」の貼り紙が。金曜の夜ってこともあるでしょうが、人気店なんですねー。
お通しは豆腐。「ふらっと QUSUMI」で久住さんがやたら気に入っていた、タマネギ・生姜・長ネギを和えたもので、妙にビールが進む味。
さあて、ではさっそく、「炎の酒鍋」いってみようじゃないか。
日本酒だけ(と思われる)で満たされた鍋に、着火。初めて見たら驚くほどの勢いで 2~3 分燃えているわけですが、確かにこれはインパクトあるわー。
炎って、本能に訴えかけるな。まさに食欲が燃え上がる。燃えようじゃないか…。
まずは、しゃぶしゃぶから。鮮やかなピンク色の豚の薄切り肉に、ぽん酢とごまだれ。薬味はあさつきとゆず胡椒。
しゃぶしゃぶ。しゃぶしゃぶ。鍋の大きさに対して、満たされている酒の量が少なめなので、微妙にしゃぶしゃぶしづらい(笑。
この、しゃぶしゃぶしてる時間って、楽しいような、間が抜けているような。ああ…今、俺、アライグマだ。
おお…豚しゃぶ。確かにトンだ。ギュウではない。が、うまい。これはうまい。
炎でアルコールを飛ばしたお酒のうまみだけが凝縮されて、豚肉のうまみと絶妙に絡み合っている。
よーし、寄せ鍋いってみよう。
うんうん、豚から魚へ。陸から海へ。肺呼吸からえら呼吸へ。
これで三人前ですが、かなりのボリューム。野菜は煮ると小さくなるとはいえ、これだけの野菜を食べるのか…と身構えてしまう分量です。海鮮もいろいろ入っていて、このお店が本来とんかつ屋さんであることを考えると、そりゃあ仕入れの都合で酒鍋は予約制なわけだ。
さらに、つみれ。この竹の器からへらで鍋につみれを落としていく作業って、なんか楽しくて好き(笑。
豚肉のうまみがたっぷり溶け出た酒鍋に、出汁を加えてもらって、ぐつぐつ煮込んでいきます。
鍋が煮立ったところで、野菜から順次投入。
ぐつぐつ。ぐつぐつ。
しゃぶしゃぶだけ延々とやっているとそのうち飽きてくるけど、こうやって途中から寄せ鍋に移行できるのはいいね。
そういえば、これが今年の初鍋かも。もう鍋の季節になったんだなあ。
完成。おおお、しゃぶしゃぶをやった後の酒鍋で寄せ鍋を煮ると、こんな感じになるのか。
深みが出ていて、浸み入るなぁ~っ。
熱い…俺の身体の中に、炎が燃え立っている。
豚、海鮮、野菜に茸が、紅蓮の炎になって渦巻いている。
じゃあ、〆にとんかつ定食、いよいよいってみようじゃないの。
さすがにこれだけ鍋を食べてフルサイズとんかつは無理なような、でも意外といけちゃうような気がして迷いつつも、ここは「とんかつむぎとろミニセット定食」で。ちなみに劇中でゴローちゃんが食べていたのは、さらに小さい「ミニミニセット定食」。
おいでなすったぞ。
こういう絵面って、見ているだけで幸せな気分になれるなあ。デミグラスソース、いい。
じゃあ、まずは麦とろ飯から。
とろろに醤油をたらして、ぐるぐるかき混ぜたら、麦飯にどばっとかけて、カカッといただきます。
おお…雑炊とは違う爽やかさ。
たくさん食べた後なのに、するするっと喉を通っていく米と麦の感触が、さらに食欲を刺激するようだ。
この〆め方、エンディングのバリエーションが、またひとつ増えた。
さてさてとんかつは。
このとんかつ、あらかじめじっくり煮込んだ豚肉を揚げたもので、かなり珍しいタイプ。とんかつというよりは、豚の角煮カツ、と言いたくなります。
「デミグラスソースの上からとんかつソースをかけてお召し上がりください」とのことで、言われるがままにとんかつソースを垂らします。
うわ!…何このとんかつ。とろけちゃうよ。これ、むしろとんかつとは別の食べ物だと言いたくなるレベルで柔らかく、うまい。
そして、デミグラスソース&とんかつソースの破壊力。すごい。
これは、改めてお腹を空かせてフルサイズとんかつむぎとろセット定食を食べに来てもいいくらい。気に入った。
いや~、よく食べた。
フルサイズとんかついけるかと思ったけど、麦ごはんをおかわりしてしまったので、ミニセットでも結果的に超おなかいっぱいに。これは大満足だなあ…。
お付き合いいただいたお二方、マニアックな場所までわざわざありがとうございました(笑。
さて、次は、どの店を攻めようか。
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