「さあて、ごはんのアテは何だ?カレー…違う。今はごはんとおかずというのを、真っ向からぶつけたいんだ」
ドラマ『孤独のグルメ Season3』聖地巡礼。今回は最終話の舞台になった大井町の「だるまや」を攻めてみました。立ち食い中華には先行して行ったものの、こちらはもう少し客足が落ち着いてから…と思い、少し寝かしていたという。いわし、好きなんですよね。まあ光りもの、青魚全般が私の好物ではありますが、脂の乗ったいわしのとろける甘さと潮の香りがたまらない。
ただ、このお店電話をしてみたところ予約は取っていないとのこと(Blu-ray BOX によると放送直後くらいまでは予約も取っていたようですが、現在は取れなくなった、というのが現状でしょうか)。もう当日飛び込みしかないな、と店の前まで行ってみたら、ちょっと覗いてみると明らかに満席。これは空くまで待つか…と店先で待ちぼうけていたところ、ふと店外に出てきたおかみさん曰く
「座敷、空いてますよ」
座敷!そういうのもあるのか。そうかそうかそうなれば話は違う、ということで、突入です。ドラマでは見るからにカウンターしかなさそうに見えましたが、座敷の方が料理の写真も気兼ねなく撮れるので、ありがたい(笑
本当は、井之頭五郎よろしく「すいません、ごはんありますか」とか訊きながら入店したかったんですが、おかみさんに声をかけられた流れ的に訊けなくなってしまいました(ぉ。
ともあれ、待つかと思ったらほどなく座れて良かった。
よーしよし。もう大丈夫だ。何も心配することはない。どっしりと構えて、受けて立とうじゃないか。
こういう店の定番、瓶ビールに合わせるお通しは豆腐。
醤油なしだと、豆腐の豆の味がよくわかる。それに、きざみ生姜の爽やかさ。
いわし料理…ぐっとくるな。いわしに「料理」とつけただけで、急に魅力的なおかずの群れが回遊し始めた。
メニュー表の一面は完全にいわしだらけ。さあて、何から攻めようか。
裏面には一品料理も。でも、ここに来たからにはいわしで一点突破だろう。
というわけで、お酒のつまみ的なものから中心に、いわし料理の波状攻撃を仕掛けていきます。
まずは、いわしのチーズロール。チーズ、とろけて候。
ゴローはこれをして「アンチョビのピザに似てる」と表現してましたが、確かにそれも一理ある。アンチョビ大好物なんですよね。酒のつまみにして良し、ごはんのおかずにして良し。これ、アンチョビの缶詰を買ってくれば自宅でも似たようなのが作れるなあ。
劇中で他のお客さんが食べていたのを見て絶対食べよう、と思っていた「激辛一味焼」。辛いもの好きとしては、これは外せない。
想像を超えて真っ赤っ赤。
でも、実際には見た目ほどでもなく、刺激的ではあるものの、ごはんやビールが進む味。この一味焼、正解。
蒲焼…山椒もかかってる。よだれ、決壊。
いわしのうまみと蒲焼のたれ、ってこんなに合うもんだったのか。いわしだから鰻の蒲焼とかに比べるとぜんぜん小ぶりで、もう一皿おかわりしてもいけそうなくらい。
あー、俺は海に囲まれた小さな島国の男だ。古来から我々日本人が親しんできた海の幸、いわし。いわすなぁ~っ、いわし。
続いて、いわしの沖なます。飯岡でサンマを食べて以来、今世紀最大のなめろうブームが来ている我々にとって、なめろう(沖なますはなめろうの別名)はこの上ないごちそう。サンマのなめろうもおいしかったけど、この沖なますも絶品。ああ、これ、白いごはんに載せて食べたい。これはおいしくてマズいです(ぉ
これはたまらん。DHA の飛沫が、バチバチ飛んでくるようだ。
調子に乗ってきたのでどんどんいきましょう。次は、辛いつみれ鍋。
冬場はやっぱり鍋でしょう。が、飲み会で鍋を頼むと物量的に鍋がメインになり、あとは副菜という位置づけになりがちなもの。でもこの店のつみれ鍋は一人前から頼めるので(写真も一人前)、複数人で分ければつまみの一環としても問題ありません。
そしてこれも楽しみにしていた、いわしの刺身。
脂の乗った生のいわしって、この脂分が舌の上で溶ける感じがたまらない。私は寿司屋に行くと高確率でいわしの握りを頼むんですが、なかなか置いてある店・日も少ないんですよね。こうやって刺身でいただけるのはうれしい。生いわし好きとしては、このまま刺身をてっさのように箸でずざざっとさらって食べたいくらいです(笑
これはいわしのグラタン。えぇ~っ、いわしでグラタン?と眉をひそめたくなりそうだけど、前述のようにアンチョビと同じようなもの、と思えば全然アリ。いわしとじゃがいもにチーズとパン粉をまぶしてオーブン焼きにしたって十分すぎるつまみになるくらいなんだから、このグラタンもその方向性にあるものですよ。ああ、これはビールが進む味。
グラタンのおかげで微妙にワイン気分になっていたところでもありますが、やっぱりなますや刺身にやられてしまったので、焼酎に移行するわけです。二階堂をボトルで入れてしまいました(笑
じゃあ、そろそろユッケ、いってみましょうか。
野菜がいっぱいなのがうれしい。そこに卵がポトリと落ちて、柚子胡椒が隠し味。
混ぜるものは、混ぜるときに、うまくなれと念を送る。
うまくなあれ、うまくなあれ…。
ほうら、キタキタキターーーーー。
うん、まろやか。まろやかユッケ。
ああ、これは酒のつまみにしてもいいけど、ごはんが欲しくなる味。
まだまだ続きます(ぉ。
こちらは、久住さんが食べていた、いわしの梅じそ揚げ。
見た目上はチーズロールとの違いがまったく判りませんが(笑)、中身は全くの別物。濃厚だったチーズロールに対して、こちらは梅じその爽やかさ。これこそ、王道のいわし料理ですよ。
さらに、いわしの背ごし。「背ごし」って何かと聞いてみたところ、背骨ごと切った刺身とのこと。いわしって、骨まで食べられるんだから、確かにこういう食べ方もうまいよなあ。
ああ、これだけ生のいわしが食べられるなんて、幸せ。
じゃあ、最後にドスンと入れていこうじゃないか。このちょっとしたわらじみたいなのは、つみれステーキ。
いわしの風味がストレートに味わえる。うん、これはいわし料理の中のいわし料理かも。
ある程度お腹も満たされたので(←これだけ食えば十分だ)、ちょっと骨せんべいでもつまみつつ、焼酎と談笑に移行。骨せんで飲めるとか、自分もすっかりおっさんだな(笑
ここで〆にいわしのにぎり寿司を…と思ったんですが、今はもうやっていないとのこと。もともと「お茶漬け二杯でごはんが売り切れる」ような状態だったところに、ドラマでの登場以降、本来裏メニューだったはずのにぎりを頼むお客さんが増えて、一人が頼むと「こっちもこっちも」となってしまって対応ができないので、休んでいるそうです。
これで寿司をやっていないなんて…。でも、店内がそれほど広いわけでもないし、無理なものは無理。仕方ないかあ…。これは、しばらく期間をおいてからリベンジしに来たいところです。
さておき、代わりにつみれ汁で〆。あー。しみる。にじむ。生き返る。
汁と漬け物がうまい店に外れなし。
ユッケ、蒲焼、つみれ。魚偏に弱いと書いて鰯。だが、今日の俺は、さんずいに弱いと書いて溺れる。鰯の海に、溺れている。このままずっと溺れていたい。
満願いわし全席、ごちそうさまでした。いわし好きとしては、至福の時間を過ごさせていただきました。
さあ、次回は浅草か。何を食おうかなあ…。
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品川区大井町のいわしのユッケ
品川に連泊する用事があったので、時間を作ってBさんと「孤独のグルメ シーズン3」の最終回に登場した「大井町のいわし」のお店「だるまや」を訪問しました。いや…