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渋谷区恵比寿の海老しんじょうと(幻の)焼おにぎり

「なんでもあるだけに下手は打てんぞ。どう攻める?恵比寿」

ドラマ『孤独のグルメ Season4』聖地巡礼の今回のターゲットは、恵比寿。最終回に登場した「さいき」を訪れるのが目的ですが、このお店はなんか年末年始に来たい気がして、この時期まで取っておいていました。なぜ年末年始に来たかったかというと、お店の雰囲気的に寒い時期に日本人らしい温かみが感じられそうだったのと、たぶん寸劇シーンで神社が出てきたせいだと思います(笑。

放送を観ながら「こんな神社、恵比寿にあったっけ?」と思っていた神社、かなり駅近くにありました。このあたり、よく歩いているようで意外と知らない場所が多いです。恵比寿、奥が深い。

この神社の少し先、恵比寿駅西口のロータリー前の路地を入ってわりとすぐのところにあるのが老舗の居酒屋「さいき」。

さいき

この界隈にはたまに飲みに来ているはずなのに、このお店の存在は放送されるまで知りませんでした。っていうか、放送されるちょっと前にこの隣の店で飲んだところだよ!(;´Д`)ヾ

でも、いい店構えだ。味があるな…。


引き戸を開くなり「おかえりなさい」の挨拶に迎えられるのがこの店の流儀。
店ん中も、いい味出してるな~。

しかし、狭い店内は既にほぼ満席。実際のお店は、テレビで見た以上に狭いんだなあ。
でも、運良く他のお客さんに詰めてもらえ、なんとかカウンターの角の席を確保して、生ビールで一息。

とりあえず、お通し三品から。

カウンターが狭すぎてグラスと三皿並べただけでもういっぱいいっぱいだけど、まずはこの三品を味わって、攻め手を考えよう。

その日によって違うお通し三品、この日はこれ。
まずは久住さんも食べていた、合鴨のロース(ペッパー添え)。オニオンスライスに隠れて合鴨がよく見えないけど(笑。

それに鯛のお刺身。えびす様は漁業の神様だから、恵比寿で鯛の刺身、というのはあまりにも正しい(←何様

狭いカウンターだから、刺盛りでどかっと出てくるよりも、こういうちょっとずつの方がしっくりくる。

それから超オーソドックスな煮物。これも、これくらいの量が酒飲みにはちょうど良い。
お通しの煮物、冷えててもおいしいって、よく考えればすごいことだ。

この三品で、心にゆとりができたぞ。
さてさて、改めて何を食べようかな。

いろいろうまそうなもん、あるじゃないか。

この黒板、旬のものを書いては消し、書いては消し…この年季の入り方も納得だ。
消し方が中途半端だから、どのメニューが本当にあるのかないのかイマイチ判らないけれど(笑。
※ちなみに「のどぐろ干焼」は売り切れでした。

さて、早速出していただいたものは…これは、雪解け水ですか?(ぉ

そう、久住さんが飲んでいた「凍結酒」。今回はメインの品よりもむしろこれを楽しみにしていたと言っても過言ではありません。
もしかしたら夏場だけの飲み物かな?と思っていたけど、冬でも飲めて、良かった。

口をつけてみると、目の覚めるような冷たさに、余韻を残さずにスッと消える日本酒の風味がまさに「雪解け水」。これはおいしい!

凍結酒は、注文したら冷凍庫から瓶ごと出してきて、流し台で水に浸けて緩めてから注いでもらえます。
ジュース類だと、凍らせてから溶かすと溶質から先に融解するので、例えば「夏にポカリスエットを凍らせて持ち出したら、最初は味が濃いけど最後の方は薄くてまずい」みたいなことがありますが、お酒は大丈夫なのかな?あるいは、その「濃い部分」を飲んでいるから、うまいのか。

ちなみにこのお酒は冷凍用とかではなく、普通の一ノ蔵。その気になれば自宅でも再現できるということです。今度やってみよっと。

牛もつ煮込。日本酒と一緒にいただくなら、このあたりでしょう。

想像していたよりあっさりめのもつ煮で、これならいくらでも食べられそう。個人的には、もう少しこってり系の味付けのほうが好みかな。

そして本命、海老しんじょう。
しんじょうなんて、飲み屋じゃないとお目にかかれないよな。

これ、見た目はこんなに地味なのに、

うわっ!何だこれ。
中はフワフワのトロトロ、まるでクリームコロッケみたいだぞ。

海老しんじょうと言えば海老のぷりっぷりが全面に出てくるものなのに、これは別の食べ物みたいな、新しい食感。

この海老しんじょうは想像以上だった。これだけ食べにまた来たいくらいだ。

あと、事前に食べログで見て気になっていた、串かつ。

これも一見、何の変哲もない串かつっぽいのに、

中身は肉と玉ねぎのこのぎっしり感。攻めてくるなぁ~っ。

肉もいいけど、玉ねぎの切り方が独特で、ほわっとした食感。そこにソースが合うんだな。これは日本酒からまたビールに戻りたくなる味だ。

でも、そこはまた和食に戻る心づもりを決めて、飲み物は芋焼酎のロック(左)と、水割り(右)。

この店、飲み物メニューがなくて、常連さんでもなければ都度店員のお姉さんに聞くしかないという。日本酒は 2 種類、焼酎は芋 4 種類・麦 2 種類くらいあるようでした。

ここからは、ちょっと天ぷら方面に攻め入ってみようか。

まずはたらの芽天。
普通じゃなかなかお目にかかれない野菜類の天ぷらがあるのが、老舗の居酒屋の引き出しの多さといったところか。

それと明日葉(アシタバ)天。よもぎ天にちょっと似た感じだけどちょっと違う、独特の香り。好き嫌いが分かれそうだけど、こういうのを嗜めるのが大人の酒飲みってもんですよ。

そして締めには、その名の通り〆小肌。久住さんが食べていた新子の刺身も美味しそうだったけど、旬が過ぎているから仕方ありません。このコハダもよく締まっていて、日本酒や焼酎によく合う旨味。

本当はサブタイトルにもなっていた焼おにぎりが食べたかったけど、この日は残念ながらメニューにありませんでした。放送時にも「出会えりゃ嬉しいラッキーアイテム」と表現されていたので仕方ないけど、この日はそもそもご飯もの自体がなかったという。
まあ、個人的には雪解け水が飲めたので、満足です(ぉ

このお店、こういう雰囲気の小さな居酒屋に期待する価格帯からすると、感覚的に 2 割くらい高い価格設定だと思います。でも回転率が高く、しかも常にほぼ満席という大人気店。見た感じ、聖地巡礼っぽいお客さんがほとんど見られなかったので、本当にこの近辺で働いているサラリーマンを中心に、地元に密着した人気店ということなのでしょう。

仕事帰りに同僚と、ちょっと一杯飲って帰る。そんな使い方がよく似合う店だと思います。メニューが日替わりなのも、その日に合ったものを適度に楽しむ、それが正しい酒飲みの姿なんだろう。
きっといい飲み屋って、飯もすごくうまいんだ。

「行ってらっしゃい」の声に背中を押されて、この店を後にしました。

ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~10&原作
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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