「これは気をつけないと、注文がとっちらかっちまうぞ」
ドラマ『孤独のグルメ Season4』に登場した、鳥越の「まめぞ」にまたやって来ました。先月に続いて二回目の訪店。
聖地巡礼すると「行きたい」というリクエストをもらうことが最近増えてきましたが、中でもここは反響の大きかったお店です。放送直後に比べると落ち着いてはきたものの客足はまだまだ途絶えないようで、この日もずっと満席。
ヱビスの生で乾杯。この日のお通しはほうれん草の胡麻和えでした。この胡麻和えがまた、家庭的な味付けでいいんだ。
で、いきなりのっけから本命の一つにいっちゃいます。絶品のアジフライ。
前回食べたときにも思ったけど、やっぱりこの店のアジフライが、今のところ我が人生内最高のアジフライです。
フルーツの香りが漂う特注のソースをかけていただきます。
衣はサックサク、中はふわっふわのアジフライで、今まで食べてきたアジフライはアジフライではなかったのではないかと思えるレベル(本当
そりゃあ早速アジフライ専用飲み物もおかわりしてしまうわけです。
この「アジフライ専用飲み物」というのは「ふらっと QUSUMI」に出てきた単語ですが、「アジフライ専用飲み物ください」と言ったらおかみさんが噴き出しながら持ってきてくださいます(笑
ちなみに今回も前回に負けず劣らずたくさん食べた結果全ては書き切れなくなりそうなので、前回飲み食いしていないものを中心に抜粋版でお届け。(でも抜粋版的なボリュームになっていない
極細に刻まれたキャベツにタマネギとピーマンがアクセントな「せんちゃんサラダ」。パルミジャーノチーズと濃厚なシーザードレッシングがすごく合う。サラダなのに酒のつまみとして一級品です。
そしてカウンターに原木が祀られている生ハム(ハモンセラーノ)。
こんな、いかにも下町の居酒屋みたいなお店でこれが食べられるなんて、誰が想像するだろうか。
堪らずに早くも日本酒に移ってしまうわけですが、これは「お楽しみ日本酒 3 種」のセット、1,000 円。
いずれも岐阜の地酒「若葉」で、手前から順に吟醸酒、原酒、にごり酒。同じ銘柄でもそれぞれにキャラクターがハッキリ違っていて、飲み比べて楽しい。
そうしたら日本酒に合う肴が欲しくなるじゃないか。
この日のおすすめ「ふぐの天ぷら」がまた、日本酒に合うんだ。締まりの良い肉質に、ちょっと骨が多いのは難点だけど、この酒なら脂っこいのよりこういう魚の天ぷらがいい。
日本酒っぽい酒菜が続きますが、これまた酒の友、明太子の粕漬け。
これもまた前回食べて大ヒットだったつまみです。同行した某氏が「この店、当たりか大当たりしかない」と言っていましたが、本当にここの料理はそんな感じ。
で、そのままの勢いで銀だらの粕漬けまでいってしまうわけです。
酒粕のうまさって、子どもの頃には解らなかったよなあ。
この店に来ると揚げ物がうますぎるせいでどうしても揚げ物ばかり頼んでしまいますが、ここで初めてのヒレカツ投入。千切りキャベツに立てかけるように、まるで富士山のようなヒレカツが出てきちゃったぞ。
想像通り軽い食感の、さくふわヒレカツでした。肉も一般的なヒレ肉以上に脂っこさがなく、これなら永遠に食べ続けていられそうなヒレカツだ。
調子に乗って日本酒おかわり、さっきの 3 種セットから一番好みだった若葉の原酒を一合。
まさかビールやハイボールじゃなくて日本酒と揚げ物を合わせる日が来るとは思わなかった。もしかしたら、この揚げ物の食感の軽さは日本酒を意識したものなのかもしれません。
そろそろ〆に入っていきます。
明太クリームパスタの前に、オーソドックスにナポリタンから。
これがまた、よくある古い喫茶店系のケチャップスパゲティじゃなくて、ちゃんとしたトマトソースで作られたナポリタン。この店、そこらのパスタ屋よりもぜんぜんおいしいはずと思っていたけど、王道メニューを食べてみて、それが確信に変わりました。
続いて明太クリームパスタ。
やっぱりうまい、ソースの一滴まで残さず飲み干したいくらいだ。
そして真打ち登場、カツサンド。
ここまでの料理もどれも間違いなくうまかったけど、やっぱりこれが圧巻だなあ。
ちなみにこのカツサンドはドラマにゲスト出演された小日向文世さんも召し上がったとのこと。しかも松重さんの食事シーン撮影前に松重さんの目の前で食べたそうで、本番の松重さんのガッつきぶりは、もしかしたら小日向さんに煽られたせいでのマジ食いだったのかもしれません(笑。
ここまでで満足した…ものの、何の気なしにランチメニューを眺めていたら、ランチについてくる味噌汁の味が妙に気になって、「味噌汁だけ…ってできますか?」と聞いてみたら、快く出してくださいました。
そして、この味噌汁まで予想の上を行くうまさ。なんかいろんなものの旨味が複雑に重なり合っているような味です。出汁を聞いてみたところ、鰹節・昆布・鶏皮・酒粕の合わせ出汁とのこと(!)。材料を聞いても一朝一夕には真似ができそうもない絶妙な味で、マスターの料理に対する造詣の深さを改めて知った味噌汁でした。
今まで『孤独のグルメ』の聖地は漫画・ドラマ含めほぼ全てを巡ってきていますが、個人的にこの店は全ての聖地の中でも一、二を争うレベルだと思います。同じ富山の食材を使っていても、富山の飲食店でもこのレベルの店はなかなかない。新幹線が開通したら、北陸からわざわざ食べに出てくる価値さえあると思います(笑
ここにはたぶんまだあと何回か、いや何回も来てしまう予感。
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