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ONKYO GRANBEAT

“スマホ最高音質”を目指す。オンキヨー世界初フルバランス出力スマートフォン – AV Watch
ソニーが成し得なかったことを遂げたオンキヨーの「GRANBEAT」 – PC Watch

オンキヨーが SIM フリースマートフォン市場へ参入し、ハイレゾ対応・バランス出力搭載の「GRANBEAT」を発売することを発表しました。

既存のオンキヨー製ハイレゾプレイヤー「DP-X1A」をベースに Android スマートフォン機能を付与したようなもので、ある意味プレイヤーが本体、スマホはオマケと言った方がいいかもしれません。それくらい音楽再生部分に重きを置いており、従来の音質重視スマホとは一線を画した内容になっています。
ポータブル DMP はハイレゾブームの後押しもあって一定の市場規模を維持しているとはいえ、長い目で見ればスマホの高音質化に吸収されていく市場であることは間違いありません。ならばいっそ DMP がスマホの機能を取り込めばいい、という考え方はなかなか面白い。最後発のスマホメーカーになるわけで厳しいことには変わりないでしょうが、ニッチ市場(DMP)の中のニッチよりはメジャー市場(スマホ)の中のニッチのほうがまだ生き残れる可能性はありますからね。また、ハイレゾでなくても音楽の入手方法の主流が配信になり、定額ストリーミングサービスも出揃い、一部 MVNO がストリーミングサービスのカウントフリー制を導入してきたこのタイミングなら、スマホとしてではなく単体で LTE 通信が可能な DMP として魅力的な端末ではあります。このへん、このタイミングで Android を諦めて独自 OS に回帰したウォークマンとは対照的で、なんとも皮肉。NW-A30 シリーズはいい端末だと思いますが、個人的にはやっぱりネットワークに繋がる端末のほうに未来を感じるわけですよ…。

しかしそんなことよりも気になるのが発表会の内容。PC Watch の記事が特別に煽りすぎなのかもしれませんが、ゲストとして商品開発のアドバイスを行ったという楽天モバイルの黒住氏(元ソニーモバイルで Xperia の商品企画を統括し、SoftBank を経て現職)が登壇して話していることへの強い違和感があります。「Xperia でやりきれなかったことをやった」的な文脈ではありますが、別に当時だって音楽特化スマホを出そうと思えば出せたわけで、今それを言うのは後出しジャンケンでしかないんじゃないの、と。また GRANBEAT が出てきた背景には、MNO 三者が iPhone を取り扱うようになりラインアップが横並びしたこと、MVNO と SIM フリースマホの普及、中台メーカーの(質的)成長、端末購入補助金に対する総務省の行政指導などの理由により国内スマホメーカーがほぼ全滅に近い形に没落してこういうニッチ市場でしか差異化できなくなった現実があります。実際この GRANBEAT もスマホ部分は富士通が開発協力しているようですし、この手の端末で必ずと言って良いほど引き合いに出されるパナソニック CM1 だってパナがスマホから撤退したからこそ生まれたようなもの(開発は元 ELUGA チーム)。そういう背景を全部すっ飛ばしてこういうことを言われるのは、なんかモヤモヤしますね。モノとしてはかなり良さそうなだけに、変な蛇足がついてしまった感があります。

ともあれ、「通信できるそこそこ以上の DMP」としては完成度が高そうで、かつ値段も機能を考えればリーズナブルと思えるレベルなので、一度音は聴いてみたいなあ。

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