「さてと、まったく未知の相手、ミャンマー出身のシャン。どこからどう攻めたらいいのか」
今回は二週間前の『孤独のグルメ Season6』に登場した高田馬場にやって来ました。
高田馬場、学生時代にはよく来ていた街だけど、ずいぶん久しぶり。あまり変わってないように見えるけど、よく見るといろいろと変わってる。駅前の新星堂(レコード屋)、よく利用してたんだけどなあ。
今回の目的地は、駅すぐそばの JR と西武線の線路の間にある雑居ビルの一角。ちょっとごみごみした感じの、いかにも孤独のグルメっぽい界隈にあります。このへん、昔は来たことがなかったなあ。
この、ディープなたたずまい。向かいに赤提灯、隣がスナックというのもまたいい(笑。
で、お店に入って予約の名前を伝え、「奥です」と言われたのでゴローちゃんと同じようにお店の奥に進もうとしたところ、
「そっちじゃなくて、二号館のほう」
え、二号館!?
スナックを挟んで二軒隣に「ノング インレイ II」。おおおおお、ここが二号館。
ミャンマー料理なんていうマニアックな店、しかも高田馬場のこんなマニアックな場所で、二号館。よほど、日本にいるミャンマー出身の人々に愛されている店なんだろうなあ。
ちなみに本館のほうは見た感じミャンマー系のお客さんでいっぱいな感じでした。で、二号館のほうはドラマを観て来たと思われる巡礼者でいっぱい(笑。
厨房は基本的に本館の方にあって、二号館まで運んでくるシステムになっているようです。
この BOSE、カラオケスナックの居抜き感ある(ぉ
ここも元々は隣と同じようなスナックだったんだろうなあ。駅前雑居ビルあるある。
さておき、料理を選ぼう。
まずは…なになに、エキゾチックゾーン?(※写真は一部加工済みです)
蚕、コオロギ、竹蟲…かえるのもも肉がなんだか普通の料理に思えてくるラインアップ。シャン料理って、そういうものなの?
久住さんはセミを食べてたけど、さすがにこれに行く勇気はないなあ。
シャン料理初顔合わせゆえ、エキゾチックは遠慮させていただこう。
とりあえずミャンマービールから。お冷やっぽいコップに缶ビール、という自宅感(笑。
味のほうはアジアンビールらしい、薄くて水代わりにゴクゴクいけるタイプ。
で、まずはお茶葉サラダ。これが私にとっての初ミャンマー。
うっわ、何これ?超おいしい。
見た目から想像がつかない、今までに食べたこともない味だけど、超おいしい。これ好き。
サラダというより、スナック食べてるような感じ。
ピリ辛空芯菜の炒め物。中華料理でも定番メニューの一つだけど、これ好きなんだよなあ。中国に限らず東南アジアの定番なんだろうか。
空芯菜にタレの味がよく絡んで、期待通りうまい。
きたきたきましたよ、シャン風豚高菜漬け炒め。
どのへんがシャン(ミャンマーの少数民族)風なのか分からないけど、この高菜漬けの味がそうなのかな。
初めて食べたのに好きだと思える、ガツンとおかず味。これもまたおいしいじゃないですか。
メニューを見ておいしそうだったスペアリブ。
なんだけど、実物はメニューより見た目が地味なような?(笑
「ふらっと QUSUMI」でもメニューと見た目が全然違う料理が出ていましたが、この店はそういうのがままあるっぽい。
鶏のボンジリ。焼鳥屋でも定番のひとつだけど、エスニカンなピリ辛ダレをつけて食べるのがミャンマー流。
おいしいんだけど、う~ん、お茶っ葉サラダや高菜漬け炒めの強烈なうまさの後だと、ちょっと霞む。
この店、超あたりメニューとそうでもないのの落差が大きいのかもしれません。
つまみっぽいメニューが続いたので、飲み物はハイボールに移行します。
ピリ辛で熱くなった口に、キンッキンに冷えたハイボールがありがたい。
マトンのサティ。サティといえばタイ料理のイメージがあるけど、他の東南アジアでもポピュラーな料理なようで。
ミャンマーの飲んべえちゃんも、このサティにミャンマービールでへべれけになっちゃったりするんだろうか。
お肉のスパイシーサラダ(鶏)。これが、スパイシー「サラダ」というネーミングに油断していたら、こちらの HP をガッツリ削りに来る辛さ!(;´Д`)。
一口めはうまみが先に立つんだけど、その後にスパイスの重みのある辛さが、舌にズシンと来る。辛い物好きとしてはこういうの全然アリだけど、辛いの苦手な人は要注意。
ちょっと、アルコール以外で辛さを中和するものが欲しかったので、もち米を。
なかなか、もち米をそのまま食べる機会ってないよな。
それにしても、容器、おもしろ。
普通の白米よりももっちりとしていて、甘みのあるもち米が、辛い料理に合う合う。
おかずの味ともち米の甘みがお互いを呼び合うかのようだ。
酢筍と豚肉の煮込み。これもまた独特の風味。
ピリ辛系なんだけど、筍の酢漬けに由来する酸味が相まって、トムヤムクンや酸辣湯に通ずる酸っぱ辛さ。ここまでのピリ辛料理とは方向性が違って、これおいしい。
さっきのもち米と組み合わせるとさらにおいしい。
さ~、そろそろラストスパートと行きましょうか。
久住さんが食べていたお肉のカレー(マトン)。じっくり煮込まれたカレーに柔らかいマトンがおいしい!
「ふらっと QUSUMI」では「ルウが少ない」と突っ込まれていたけど、実際はそんなこともなく。収録後からルウをちょっと増やしたんでしょうか(笑
で、牛スープそば。メニューには載ってないけど頼めます。
これは見た目通りやさしい、じんわりくるおいしさ。
野菜と肉のシャキトロなせめぎ合いが応えられない。
深いなあ、シャンの森。
もう少しミャンマー奥地に踏み込んでみるか。
というわけで、テーブルに常備されていた各種スパイスを駆使して、オリジナルの味づくり。
ナンプラー以外は基本的にどれも辛い系だけど、中でもトウガラシの酢漬け、これはやばい。ブータン料理を思い出させる強烈な辛さを発揮してきます。
店員さんによると、ミャンマーの人でも何でも辛くするわけではなくて、このスープそばにスパイスをガンガン投入するのは少数派なんだとか(;´Д`)。
「味を調整したかったら付け合わせの高菜を入れるくらいでも十分ですよ」とのこと。先に言ってよ(汗
お腹も満たされたので、最後はデザートを。
辛いものの後は甘いものでクールダウンすべく、シュガープラタ。
見た目はクレープかチヂミのようだけど、ちょっとパイっぽい食感の揚げもので、砂糖をつけて食べると確かにおいしい。
ここまでの辛さがスッと引いていくかのようだ。
そして、ゴローちゃんも食べていたイチャクウエ(揚げパン)とミルクティー。
ミルクティーのほうは、さすが東南アジアらしく、チャイっぽい甘さ。
甘い紅茶ってあんまり得意じゃないんだけど、このシャン料理の後ならばこの甘さ、アリだな。
イチャクウエはミルクティーに浸して食べるのがおすすめ。
日本の発想では、揚げ物をお茶に浸けないよなあ。
でも食べてみるとほっこりする。
食後、閉店間際でお客さんのいなくなった本館のほうを改めて覗いてみました。
劇中とおんなじ、ミャンマー語と日本語のハイブリッドな牛スープそば(と春雨)のお品書き。
店内の写真を撮っていたら、女将さんが気さくに「写真撮りましょうか?」と声をかけてくれたので、お言葉に甘えてゴロー席で記念写真を撮ってもらいました。
ちなみに女将さん、劇中のようにカタコトでは全然なくて、普通に流暢な日本語。
ああ、うまかった。大満足。
ミャンマーの町の食堂って、こんな感じなのかな。
さすがに放送後だけあって店内はほぼずっと満席、たぶんこのお店始まって以来の混雑だったんじゃないでしょうか。
接客も回っていないようで、注文が通ってなかったことも何度かありましたが、それも仕方ない。むしろ店員さんが忙しすぎて体調を崩さないように祈るばかりです。
あのお茶葉サラダと高菜漬け炒めの味はしばらく忘れられそうもないなあ。近くに来ることがあったらまた寄ろうと思います。
ごちそうさまでした。
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