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CONTAX G Biogon の周辺像流れ補正(実写編)

CONTAX G Biogon の周辺像流れ補正、比較サンプルを撮影してきたので実写で効果のほどを確認してみました。

三脚を使って撮影位置を固定し、PCX(平凸)フィルタの有無による解像力の違いを比較してみます。像流れなのかボケなのか判りづらいということを避けるため、絞りは F8 にて撮影。

ちなみに、最前面に凸レンズが一枚加わるため、フィルタの有無でピント位置が微妙に奥にずれます。そのままだと無限遠ではピントが合わなくなるのですが、オーバーインフで設計されているマウントアダプタであれば吸収できる範囲です。私の手持ちのマウントアダプタでは、KIPON CONTAX/G-NEXTECHART TA-GA3 は大丈夫でしたが、METABONES CONTAX G-E mount は惜しくも無限遠が出ませんでした。なんだかんだ言って CONTAX G 用アダプタは一番シンプルな KIPON が扱いやすいですね。

■Biogon 21mm F2.8

<PCX フィルタなし>

まずは Biogon 21/2.8 から。
パッと見は十分画になっているし、コントラストが高いこともあって適当に撮ってもそれなりに見せてくれるレンズだと思います。
周辺画質はよく見ると流れちゃってますが、強烈なヴィネットが出ることもあり、元々そんなに像流れが気になることはありませんが、主題をずらし気味の構図で撮るとアラが目立ってきます。なのでどうしても日の丸構図でしか撮れないというジレンマがありました。

<PCX フィルタあり>

フィルタをつけた状態。よく見比べると分かりますが、フィルタをつけると微妙に画角が狭くなります。まあレンズが一枚増えていてピント位置も変わっているんだからそりゃそうか、という感じではあります。でも微妙な差だし、21mm の雰囲気が損なわれているわけではないので許容範囲。


<PCX フィルタなし(画面中央)>

ではもっと細かく比較してみましょう。まずは中央部の拡大、フィルタなしから(画像はクリックするとピクセル等倍表示します)。
中央部はもともと(二十年以上前のレンズとしては)十分に解像しているので、フィルタなしでも問題ありません。

<PCX フィルタあり(画面中央)>

フィルタをつけるとピント位置と撮影倍率が若干変わりますが、画質的には特に変化なし。
劣化する方向に行くかとも思いましたが、その心配もないようです。

<PCX フィルタなし(画面左端)>

画面の端(特に左右端~四隅)のほうを拡大して見ると、フィルタなしではかなり盛大に像流れが発生しています。
またマゼンタ被りも発生していますが(それでも初代 α7 よりは少し改善されてる気がする)、これは Lightroom や PlayMemories Camera Apps で補正可能なので許容範囲。しかし像流れだけはソフトウェアではどうにもできません。

余談ですが、PlayMemories Camera Apps は α9・α7R III 以降の世代では対応しなくなったようなので、今後はオールドレンズの補正は基本的に Lightroom 等の RAW 現像ソフトやレタッチソフトを使うようにしたほうが良いでしょう。

<PCX フィルタあり(画面左端)>

PCX フィルタを使うと、周辺像流れは完全にとはいかないまでもかなりの度合いで解消することができました。これは拡大すれば判る程度の像流れまで抑え込めており、一枚絵として見る分には画面全体にわたってほぼ解像できている、と言って良いレベル。現代のレンズでも安物だとこれよりひどいのも少なくないですからね。
先駆者のレポートで改善することは解ってはいましたが、改めて自分で比較してみるとちょっと驚くレベルで補正できています。もともと印象的な描写をするレンズでしたが、これは今後改めて出番が増えそう。

■Biogon 28mm F2.8

<PCX フィルタなし>

続いて Biogon 28/2.8 でも同様に比較してみました。21mm に比べれば 28mm はもともとそこまで気になるレベルの像流れはありませんが、それでも PCX フィルタの効果はあるようです。

<PCX フィルタあり>

こちらも PCX フィルタをつけることで微妙に画角が狭まります。といっても体感 0.5~1mm の焦点距離に相当する程度の画角ではありますが。

<PCX フィルタなし(画面中央)>

中央部。フィルタなしでも全く問題のない画質です。

<PCX フィルタあり(画面中央)>

PCX フィルタをつけても特に変わらず。

<PCX フィルタなし(画面左端)>

フィルタなしでは、画面端では拡大表示するとさすがに像流れが見えてきます。それでも 21mm に比べれば発生する範囲も流れの度合いも小さいですが、デジタルだと拡大して見ることが多い分、一度気になるとずっと気になり続けてしまうんですよね。

<PCX フィルタあり(画面左端)>

PCX フィルタをつけると見事に解消されました。これはもう画面全体にわたって均一に解像している、と表現して良いレベルでしょう。

ほんのレンズ一枚の追加ですが、想像以上に効果がありました。交換レンズ自体を改造するわけではなく、材料もその気になれば誰でも手に入れられるものなので、これは α7 シリーズで G Biogon を使っている人は全員やったほうが良いと言っても過言ではありません。買ったはいいけど像流れが気になってお蔵入りになっているならばなおさら試してみる価値はあるでしょう。

CONTAX G レンズは解像力ではさすがに最新の FE レンズには敵いませんが、本来のツァイスレンズの描写が味わえることと、とにかくスナップに最適な軽量コンパクトは最近の E マウントレンズにはない価値と言えます。その中でも印象的な描写をする Biogon 21mm・28mm の画質向上はすごく嬉しい。しばらくこの二本を中心に撮り歩こうと思います。

KIPON / C/G-S/E

コメント

  1. 田中 より:

    周辺画像の流れ有無の比較をしている写真の絞り値はいくらですか?
    開放、f5.6、f8? 

  2. B より:

    あーすみません!撮影条件書くのを忘れていました。
    絞らずに撮るとボケなのか像流れなのか判定しづらくなるので、いずれも F8 まで絞って撮っています。

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