Twitter のほうでも少し書きましたが、本日のニュースよりこの話題。
びっくり仰天! キヤノンでもニコンでもない異色の新製品が常勝ソニーを破る | CAPA CAMERA WEB
ヨドバシカメラの 10 月後半のデジタル一眼カメラ販売ランキングでシグマ fp が堂々の一位に輝いた、というニュース。
ヨドバシは都市圏中心で情報感度の高い顧客が多く、他の家電/カメラ量販店よりもユーザー層が偏っているとはいえ、他の大手メーカーを押しのけて fp が首位というのには驚きました。それもレンズキットが 1 位、ボディ単体が 10 位というダブル入賞。それだけ「フルサイズミラーレスとして世界最小・最軽量」のインパクトが強く、またベイヤーセンサ搭載というシグマらしからぬとっつきやすさ(ぉ)が歓迎されたということでしょう。私も実際に店頭で触ってみて、つい「これください」と口をつきそうになった瞬間はありました(;´Д`)。
まあ最新の BCN ランキング(ヨドバシは BCN にデータ提供していない)ではトップ 3 が EOS Kiss X9i、ニコン D5600、EOS Kiss M という序列であり、マーケットの切り方で全然見え方が変わってしまうのもまた事実ではあります。が、業界内でそれなりの市場をカバーしているヨドバシにおいて、シグマのカメラが瞬間的にとはいえ 1 位になってしまうほどレンズ交換式カメラの市場が縮小してしまったことに、fp が首位を獲ったこと以上に驚きました。
またちょうど先週、キヤノンの業績発表で主にイメージング事業が足を引っ張る形で減収減益となったことが報じられていたのも記憶に新しいところ。
キヤノン、3Qは減収減益で見通し下方修正 デジカメ市場の縮小止まらず – ITmedia NEWS
この発表にある「ミラーレスカメラは堅調だが、エントリー市場の縮小の影響が強くて全体の実績として前年割れした」というのは事実でしょう。私の周りでも EOS R に買い換え/買い増している既存 EOS ユーザーは複数思い当たるけど、観光地や子ども関連のイベントで EOS Kiss を見かける率がめっきり低くなり、いよいよ本格的にエントリー需要がスマホに置き換わっていることを実感しています。キヤノンにとっては競合他社よりも市場縮小のほうが遙かに大きな敵なのでしょうし、そろそろ市場シェア 4 番手以下のメーカーはいつ撤退/合併/事業売却してもおかしくない状況かと思います。最近は深センあたりの新興光学メーカーの勢いも強く、個人的にはいずれ一社くらい中国に買われるんじゃないかと想像しています。
業務用やホビー用のカメラ市場がなくなることはないと思いますが、それ以外の部分に関してはこういうメガトレンドには抗えないもの。市場の裾野が狭まれば、それだけホビー用の製品が出せる余力が業界から失われていくのも避けられません。いちカメラ愛好家としても「安物は出てこなくなったけど自分の好きなハイスペックレンズはどんどんリリースされてるから大丈夫だ」とはいかないわけです。とはいえいちユーザーとしてはできることも限られていて、既存メーカーを応援することしかできないのがもどかしいところ。
久しぶりに何か機材買うかなあ…。
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