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劇場版 G のレコンギスタ II 「ベルリ撃進」 [Prime Video]

昨日から劇場公開&VOD 配信が始まったので自宅にて配信版を鑑賞。

劇場版 G のレコンギスタ II 「ベルリ撃進」

G のレコンギスタ

二ヶ月ぶりの劇場版『G-レコ』です。テレビシリーズはシナリオ的にちょっと微妙な感じでしたが、劇場版は前回観た限りではもろもろ整理されて解りやすくなっており、これならしばらく付き合ってみようかなと。

今回はテレビ版でいうところの 6~11 話をまとめた内容。登場人物と陣営が増えてきて徐々に相関図が難しくなり始めるところです。この劇場版では陣営ごとの目的や利害関係がテレビ版比でハッキリしており、また日常パートやドラマパート的なものを大幅にカットしてテンポ良く進むこともあって、構成的にはずいぶん観やすくなりました。利害関係がややこしい割に戦闘シーンを連続的に繋いでいくからかなり忙しい印象を受けるのは『新訳 Ζ』あたりとちょっと似通ってしまってはいますが、やむを得ないところ。

先日久しぶりに『めぐりあい宇宙』を観た後に G-レコを観ると、富野ガンダムの戦闘シーンの描写のうまさに改めて唸らされます。戦場で誰が先行していてどういう位置関係にあって、それがどう遷移していったのかが脳内で立体的に理解できる。戦術の妙味を感じます。非富野ガンダムだと戦術よりも火力で勝敗が決まってしまったり、脚本の都合で戦闘が動かされている印象が強いことが多いのですが、富野ガンダムには戦闘状況を読む面白さがあります。
ただし、主人公ベルリのライバルと位置づけられているマスク大尉は映画の構成的に 90 分の間に何度もベルリに敗退する場面を見せられることでテレビ版以上に弱っちい印象が強まるし、戦闘中に落ち着きなく動いたりはしゃいでしまうキャラクターが多いので全体的にとっちらかっている感は否めず。本来子ども向けとして作られたから致し方ないのかもしれませんが、各キャラの行動原理がなんか軽いのがなあ…。

G のレコンギスタ

一方で作画は凄みを感じますね。テレビ版のときから破綻が少なく美しい映像でしたが、劇場版では主に明暗差の激しいシーンで HDR を意識したかのような(現在配信されているバージョンは非 HDR のはず)ハッキリとしたコントラストがつけられていて、テレビ版よりも画の力が強まっているように感じます。そして何より G-セルフの眼力。よく見ると瞳の輪郭線にあたる部分が円弧に沿って回転している描写がなされていたりして、とにかくマシンから生命や意志のような力を感じます。

次作は今秋公開予定とのことですが、ベルリ役の石井マーク氏が(おそらく II の収録後に)無期限活動休止を発表しており、このまままではベルリの台詞が新録できないことになります。代役を立てるのか、ベルリの台詞は変更しないのか、既存の収録素材を使い回して何とかするのか判りませんが、どうなるんでしょうね。

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