映画『AKIRA』の世界では 2020 年の東京オリンピックが中止せざるを得ない状況になった頃、我々が生きる現実社会においては新型コロナウィルス “COVID-19” 感染拡大の影響を受けて CP+ 2020 が開催中止となっていた。
そんな中、私は CP+ のない、いつもより閑散とした横浜の地に降り立っていた――今年もかの約束を果たすために。
いつもの BAR THE GINTONICX です。
例年 CP+ 後に立ち寄るのが恒例になっていたので、中止になったからといって顔を出さないのも寂しい。さらには COVID-19 の影響で世の飲食店が深刻な状況を迎えつつある今、自分が行ってお金を落とすことで少しでも経営の足しになればという思いもあって、半年ぶりに足を運びました。
入口に設置されているアルコールで手先を除菌して、カウンターに着席。
中国戦国時代の故事に曰く「先ず昆布より始めよ」とあるとおり(違)、定番の昆布ジントニックからいただきます。もはや自分の中ではプレーンなジントニックに昆布の風味がついていなかったら逆に違和感があるくらいになってしまった。
横浜在住/勤務の人が二軒目・三権目に使うことが多いこの店では私は早い時間帯の客のようで、しばらくの間貸し切り状態のままマスターと久々の談笑。話題の中心は COVID-19 と『AKIRA』(笑
季節によって変わるメニュー、今はまだ冬の終わりということで柑橘系と苺系の品が目を引きます。
旬に合わせつつも「こんなものとジントニックを融合させるのか」という驚きが毎度新鮮。
というわけで、二杯目はマスターお勧めの静岡産いちご「紅ほっぺ」のジントニック。
苺そのものがとても甘くておいしい。ジントニックなのにフルーツジュースを飲んでいるかのような感覚。
見た目は凄く女子っぽいけど甘みと酸味のバランスが良くて、いい歳した男の私でも楽しめました。
夕食がまだだったので、茄子とズッキーニのトマト味スキレットを作ってもらいました。
基本的にはバーだし、厨房も狭いけどこの店の料理はどれも味付けが絶妙で、何気ない一皿でも実にうまい。
韻を踏んだネーミングのインパクトに惹かれて頼んだ「サンショサンライズ」。
山椒を漬け込んだテキーラで作ったテキーラサンライズ。
テキーラサンライズ自体久しぶりに飲んだけど、たまに飲むとうまいですね。
普通に作ると少し甘ったるくなりがちなところ、山椒がピリッと引き締めてくれるのが良い。
そういえばこの店の紅一点だったアルバイトスタッフの「からん」さんが大学卒業~就職のため来月いっぱいで勤務終了とのこと。寂しくなりますね。
謝恩会も卒業旅行も代替案の USJ までも COVID-19 の影響でキャンセルになったとのことで、いくらなんでも不憫な状況。せめて大阪旅行楽しんできてください。
窓から店の外を眺めても、横浜は歩いている人もまばら。いつまでこんな状況が続くのでしょうか。
まだまだ飲みます。次は柚子ハイボール。
ハイボールは自宅でも日常的に飲んでいる(使っているお酒もこの店と同じジェムソン)けれど、普段とは異なるフレーバーが加わることでまた違った世界が広がります。
ナポリタン。実は密かにこの店のナポリタンのファンだったりします。
いい感じにアルデンテな麺とちょっと濃いめのトマトソースの組み合わせが飲んでるとちょうど良い。そこらの喫茶店のナポリタンよりもレベルが高いと感じます。
最後はタンカンのジントニック。甘く熟したタンカンの風味とジントニックの爽やかさの組み合わせ、良いじゃないですか。
本当にジントニックは奥が深い。せっかくバーなんだからたまには何かショートカクテルでも振ってほしいと思うけど、最終的にはどうしてもいろんな種類のジントニックを試すうちに時間が過ぎてしまうのがこの店です。
今回も実に楽しく、また濃い時間を過ごさせていただきました。
感染防止も大事だけど、日常が戻ってきたときに自分のお気に入りの店がなくなっていた…というのではあまりに寂しい。3.11 の後のような思いはもうたくさんです。
私も「過度な自粛よりも過剰な除菌」をモットーに、感染にはできる限りの対策をしながらも、できるだけ普段通りに過ごせるよう心がようと思います。
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