外出が減ってイヤホン・ヘッドホンで音楽を聴くときにもワイヤレスの利便性よりもワイヤードの音質を求めてじっくり聴く機会が増えてきたので、久しぶりにイヤホンリケーブルを購入しました。
onso / 04 シリーズ 4.4 5 極バランス-MMCX iect_04_bl4m
onso のバランスケーブルです。ウォークマン ZX300 で聴くために 4.4mm 5 極バランス-MMCX のモデル。バランスケーブルというと 2.5mm 4 極のモデルしかないことも少なくない中、onso は機器側・イヤホン側ともに幅広いバリエーションをもっていて自分の環境に合わせやすいのがありがたい。
iect_04_bl4m は ¥18,000 前後で販売されていますが、私は中古を約半額で入手しました。耳に直接触れるイヤホンやヘッドホンは個人的にはあまり中古を選びたくないけど、ケーブルなら許容範囲。
中古だから多少の使用感はありますが、外観上は特に気になるレベルの劣化は見当たらず。
自己主張の強い製品が多いリケーブル界において onso のプロダクトデザインは控えめに見えます。でもあまり激しいのは好きじゃないし、これは品良くシュッとしたデザイン/仕上げだから気に入りました。
ケーブルはしなやかで取り回しが良く、絡みにくい。
コネクタカバーはチタン製で、しっかりした剛性感と品位があります。iect_01~03 シリーズまでは樹脂製カバーのようなので、ここは上位機種として差異化されているポイント。
数あるリケーブルの中から onso を選んだのは、AKG N30 で使える数少ない製品だからというのが最大の理由。AKG N30 は以前書いたとおり MMCX コネクタでありながらカバー形状が特殊で、AKG 純正以外のリケーブルはほぼ挿さりません。その数少ない例外が onso で、リケーブル側のコネクタカバーが少し段下げした状態でついているため、N30 にピッタリ装着できるんですよね。以前店頭でいろいろ試してこのことに気づいていたのでした。
N30 は音質的には気に入っているのに最近他のイヤホンをバランス化やワイヤレス化したことで使用頻度が下がっていたので、この際バランス化して再び前戦投入してやろうと考えたわけです。
そんなわけなので、このケーブルを一般的な MMCX コネクタを擁する XBA-N3 につけると少し隙間ができて見えます。これはこれで左右が判りやすくて良い気もします(笑。ちなみにこの状態でも特に抜けやすいということはありません。
AKG N30 との組み合わせでもそうですが、黒いイヤホンにチタンシルバーのケーブルというのはちょっと浮いて見えますね。色の組み合わせだけなら黒い iect_01 シリーズのほうが違和感がないように思います。
とりあえず聴き比べ。アンバランス→バランスと、バランス同士での比較をするために XBA-N3 付属のアンバランスケーブルと純正バランスケーブルを含む 3 本での比較。プレイヤーは NW-ZX300 を使いました。
純正ケーブル同士のアンバランス/バランスでの比較は以前試した通り、基本的な音傾向は同じながらバランス化することで左右のセパレーションが明確に良くなり、音場の広がりが感じられるようになります。またそれぞれの音の分離も良くなって音の輪郭がハッキリ聞こえてくる感覚。
続いて純正バランスケーブルから iect_04_blm に変更すると、
- 音場は純正バランスケーブルよりもさらに一段広く
- 高音やサ行の刺さる感覚がマイルドに
- 低音は若干ながら量感アップ
という感じに変化。とはいえ全然別物に変わるというよりは注意深く聴き比べるとこれくらいの差が感じられるというレベルで、極端にキャラクターが変わるようなものではありません。あくまで同じ方向性の中でさらに品位を高めてくれる印象です。onso の他の製品もそうですが、あまり独自の色づけをせずイヤホン本来の音を素直に引き出すリケーブルだと感じました。
続いて AKG N30。イヤーピースを Crystal Tips に換装済みです。
こちらは比較対象がイヤホン付属のアンバランスケーブルということもあって、ほんの数秒聴いただけで明らかに違いが判ります。音の分離、広がり、解像感、どれをとっても付属アンバランスケーブルとは明らかな差。これが N30 の真の実力だったのか!と購入から 3 年経って改めて気づかされました。アンバランスケーブルでも N30 のポテンシャルの高さは感じていたけれど、バランス化することでさらに一段化けた感じ。
XBA-N3 の純正バランスケーブルと iect_04_blm との差よりも AKG N30 での差のほうが明らかに大きいので、このケーブルは予定通り N30 でメインに使ってやることにします。
ちなみに今 Amazon を見てみたら AKG N30 は既に生産終了扱いながら、当初の半額以下で売られているんですね。リケーブルに制約があることを許容できる、あるいは対応するケーブルを持っているならばこの価格はコストパフォーマンスが非常に高いと思います。私も予備に色違いを買っておこうかな…。
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