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神奈川県伊勢佐木長者町のチーズハンバーグと牛ヒレの生姜焼き

「ゆったり心穏やかに。こういう時間、大事にしなきゃ…今は、特に」

ドラマ『孤独のグルメ Season9』もつい先ほど放送された第 12 話で大団円を迎えました。首都圏に緊急事態宣言が発令される中、複数の遠征回を含みながらも何とか全話撮りきったスタッフの皆さんおよび松重さん・久住さんにはまず「お疲れさまでした」と伝えたいです。外食産業が苦境に立たされる中での『孤独のグルメ』は、今までのシーズンとは明らかに違う意味を持っていたと言って良いでしょう。
追いかけている立場としては、二度目のワクチン接種から二週間が経ち、首都圏の感染状況も収束傾向が見えてようやく改めて聖地巡礼ができる状況が揃ってきました。一時中断していた巡礼をここから改めて再開していきたいと思います。

というわけで今回はその Season9 最終飯の舞台となった横浜伊勢佐木長者町。久しぶりに巡礼しやすいエリアに戻ってきてくれたということで、放送前に行ってきました。
放送前にも関わらず噂を聞きつけたファンが先行しているようで、11:00 開店のところ 11:15 頃に到着したら既に行列。あまり回転が良くないのか、結局入店できるまで一時間あまり待つことになりました。

トルーヴィル

定休日は基本的に土日。さらに金曜日も休みの場合が多いということで、聖地巡礼のハードルはちょっと高め。
さらに緊急事態宣言だなんだで営業が不規則になりがちなのがさらに難しい。

マスターと女将さんがご高齢というのもあるけど、少なくとも感染対策のための営業制限をしなくて良い日々が早く来てほしいところです。

店内は外観に負けず劣らず年季の入った感じ。
でもこういう渋い雰囲気、好き。

着席すると、女将さんが「お待たせしてごめんなさいね」と丁寧ながら親しげな距離感でお冷やを運んできてくれました。

メニューのこの渋い表紙!
ここはファミレス普及以前のファミリーレストランに違いない。

こういうの、久しぶりに見た気がする。
なんだか懐かしさが急激にこみ上げてきた。

品数はかなり豊富。これマスターが一人で全部手作りしているというからちょっと驚きます。
牛ヒレ、チキンにハンバーグ…それぞれの食材に対して調理方法が数種類ずつあるのか。
ハンバーグだけでもソースの味が四種類…どれを食べるか迷うなあ。

というわけで選んだのは「ハンバーグ on チーズ」。
英語的には「チーズ on ハンバーグ」が正解じゃないか?

ともあれ、想像よりも大ぶりのハンバーグにたっぷりのチーズとデミソース。
素朴な見た目もいい。では、いただきます。

肉は最近流行りの粗挽きじゃなくて細挽きなのに、なんだかみっちりしている。なんと肉肉しい…そこにデミグラスが優しいじゃないか。
そこにチーズが参加してくれているのがこの上なく嬉しい。

肉感で殴りに来るやつでもお高くとまった洋食でもなく、素朴な優しさを感じるハンバーグ。
じわっと染み渡るようにうまい。何故か、昔を思い出すようだ。

続いて牛ヒレの生姜焼き。
我ながら独りで食べに行ってメイン二品頼むのはどうかと思ったけど、ごく当たり前に注文を受けてくれた女将さんの度量の広さ。

それにしてもこの生姜焼き…牛の形した鉄板がいいじゃないか。
お客を楽しませようという心意気が伝わってきて、狙い通り楽しくなってしまう。

付け合わせのサラダ。
さっきのハンバーグについてきたやつと丸々ダブってしまったけど、それはそれでアリ。
肉ばっかりじゃ身体に悪いですからね。

それにしてもこれ…牛ヒレの生姜焼きというか、完全にステーキじゃないか。
肉の上に乗った飴色のタマネギさえ神々しく見える。

それにフライドポテト、ピーマン、コーン…洋食鉄板焼きの黄金比だ。
これは写真なんて撮ってる場合じゃない。

うわあ…大当たり!生姜焼き、ってのがまた。
これはいい肉だ。めちゃくちゃ柔らかい。それにこの肉汁!

さらに生姜風味のタレがいい仕事をしている。
気取らない素朴な味付けなのに、後を引くようにジワジワと効いてくる奥深さ。
この牛ヒレ生姜焼き、めちゃくちゃおいしいじゃないの。

さらにナポリタン。
本当は肉にはライスを合わせたかったけど、このナポリタンが出てくることが分かっていたからあえてライスは頼まずナポリタンを選択。

具がピーマンタマネギと薄切りのハムってのがいい。
これぞ昔ながらの洋食屋のナポリタン。

スープもついてきました。

一見シンプルなコンソメと思いきや、かきたま汁。
こういうちょっと驚きがあって、毎日飲んでも飽きないスープ、好きだなあ。

ナポリタンは見た目に違わぬ懐かしい味。
そうそうこれこれ、これだよなあ。

そういえば以前ならレストランに来てパスタを食べるときにはペペロンチーノだとかジェノベーゼだとか本場にありそうな味を求めていたけど、最近はこういう昔ながらのナポリタンを恋しく感じるようになってしまった。
これは間違いなく『孤独のグルメ』のせいに違いない。でも、オーソドックスで懐かしいナポリタンに出会うと本当に嬉しいんだよなあ。

ナポリタンを食べ終わった後のさらに出現する店名のロゴと電話番号がまた昭和っぽい。

なんてことない店の風景が、今の俺には大切なものに見える。
一人で来てもその温度が居心地よく、おいしく食べさせてくれた。

ああ、どれもこれもおいしかった。レトロな店構えから想像した以上のお手前でした。
他のお客さんが頼んでたフライものやピザもおいしそうだったし、ここは必ずまた来よう。チキンシャリアピンも食べないと。
どうやらお昼時はランチメニューに一品プラスして頼むお客さんも珍しくないようなので、今度はそれやってみよう。

いつまでも、末永くこの店が続きますように。
ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~10&原作
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

コメント

  1. 丁稚 より:

    美味しそう!近場だ。これは嬉しい情報ありがとうございます。

    いつも感服しておりますが、これ全部ひとりで?しかもナポリタンまで美味しく召し上がったと。すごい。

    • B より:

      おいしかったですよ!肉が国産牛らしいのと、ソース類が全てマスターの手作りなのでとてもホッとする味がします。
      仕込みのために少し休業されるようなので、落ち着いてから行くのが良いかと。

      聖地巡礼は他の人と行ったり一人で複数回行ってまとめることもありますが、今回は一人で一度に全部食べました。
      この店はボリュームがあるわりに脂っこい重さがなくてこの品数でもけっこういけましたね。さすがにこの上でチキンシャリアピンまでは無理でしたけど(笑

  2. wakasafg より:

    写真眺めてるだけでお腹が減りました・・・。

    最終回と併せてこの記事を見ると2倍楽しいです。いつも巡礼お疲れ様です。

    • B より:

      ありがとうございます!写真にはこだわっているつもりなのでお腹が空いたというのは最高の誉め言葉です。

      ワクチンも済んだし緊急事態宣言も明けそうなので、残りのお店も順次巡っていきます。お楽しみに。

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