先日購入した 1 巻に続いて、2 巻が発売されたので確保しました。
複数の出版社による共同企画として、故・谷口ジロー先生の代表作を B5 ハードカバーで刊行する「谷口ジローコレクション」。これは 18 巻目にあたるようですが、これ全巻揃えたら本棚がすごいことになっちゃうんじゃないですかね…。
私は他のシリーズも気になりつつも、とりあえず『孤独のグルメ』だけは買っておくことにしました。
表紙(カバー)は単行本のカバーイラストと本編のコマ引用のコンビ。単行本 2 巻のほうは割と最近出たばかりだと思っていたけどもう七年も経つのか…本作の半分程度は SPA! に掲載されていたのをリアルタイムで読んだから、1 巻よりもある意味思い入れがあります。
ちなみに 1 巻のほうには入っていなかった病院のカレイの煮つけ回はなんとこの 2 巻の冒頭に収録されていました。愛蔵版の頭からいきなり入院している主人公…(笑
1 巻から 2 巻の間は描かれた時代が随分違うため、井之頭五郎のキャラクターもけっこう変わっています。顔つきもなんだか丸くなったし、言動がドラマ版の井之頭五郎…というより原作者の久住先生に寄った感じで、とにかくダジャレが多い(笑。1 巻とはまた違ったノリがあって、これはこれで楽しい。
そして何よりも圧巻なのがメシ作画。これは鳥取市役所のスラーメン回ですが、写真よりも写実的なのではないかというレベルで緻密。もはや技術だけでなく狂気じみたこだわりがないと表現できない域に入っていると思います。大判で印刷が良いだけに、単行本以上にその精密さを感じられます。ここは 1 巻の作画よりもさらに進化している部分。
こちらは松濤のブリ照り焼き定食。作画なのにペンで描かれているのは最低限で、料理の大部分がスクリーントーンの濃淡で表現されているのがもはや恐ろしい。白飯や大根おろしの陰影とか、味噌汁の表面の反射の描き方とかなんだこれという感じ。これを美麗印刷で見られただけでも買った甲斐がありました。
写植が新しく打ち直されているのもポイントで、このフランス語のフォントなんて単行本とは変えてあってよりフランス語っぽいイメージになっています。日本語も含め全体的に読みやすいし、これこそ『孤独のグルメ』コミックの決定版/保存版。
ちなみに 2 巻は 1 巻と比べて収録本数が少ないため、ページ数の差分を埋めるために同じ久住昌之・谷口ジローのタッグが描いた『散歩もの』も収録されています。
同じ作者なのに『孤独のグルメ』とは全く作風が異なるんですよね。こちらは散歩がテーマだから(散歩した先でやっぱり飲み食いはするんだけど)、風景の表現の緻密さに打ちのめされます。
そして『孤独のグルメ』とは写植のフォントが全く異なるのも面白い。
旧単行本のほうは読み込みすぎてちょっと傷んできているので、こちらは愛蔵版として大事に読もうと思います。
そういえば映画『神々の山嶺』は今週末公開でしたね。そっちも観に行かないと。
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