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EOS R8 / R50

二週間後の CP+ 開催を前にキヤノンが EOS R の新製品を二機種発表してきました。まずは EOS R8 から。

キヤノン、最新機能の小型軽量フルサイズ「EOS R8」 – デジカメ Watch

EOS R8

デザインといい「小型軽量フルサイズ」というコンセプトといい、EOS RP の後継機種と言えるモデル。でも APS-C モデルとして EOS R7 を出した後にフルサイズで R8、その下にまた APS-C で R10…製品のヒエラルキーはセンサーサイズじゃないと言いたいのでしょうが、これはちょっと分かりにくいのでは。高速連写機として EOS 7D の流れを R7 で継承したかったのは解るけど。

メカシャッターの上限が 6 秒/コマ、ボディ内手ブレ補正なし、SD カードシングルスロットなど小型軽量化とコストダウンのために割り切られた部分は大きいですが、その代わりイメージセンサーと画像処理エンジン DIGIC X は EOS R6 Mark II 同等。詳細が明かされていないため DIGIC X はもしかすると性能的に R6 II 同等ではないかもしれませんが、R6 II で評価の高かった被写体認識 AF を受け継いでいるのであれば実用性は高そうです。例えるならライトウエイトスポーツカーのシャシーにレーシングカーのエンジンを積んだようなもの、という感じか。旧 EOS RP は小型軽量な点以外はフルサイズミラーレスとしては凡庸な性能だったのに比べれば、R8 のスペックは一般ユーザーにとって十二分だと思います。一方で、上位機種と共通にした方が効率が良い部分(半導体)とスペックを下げた方がコストダウンになる部分(メカ)の見極めと割り切りがキヤノンらしくもあります。
一眼レフ時代はプロ用の 1D、ハイアマの 5D、その廉価版 6D という感じだったのがミラーレスになって R5 がプロ用、R6 がハイアマ、その廉価版としての R8 というように数字が一つずつ繰り下がったように見えますね。かつての「スペック的には 6D で十分なんだけど実際に買うのはなんか悔しい」みたいな感覚が R8 にもつきまといそう(笑

しかしボディ単体で ¥26.4 万(税込)というのは廉価版としては厳しいなあ。EOS RP の当初価格が ¥17.6 万(税込)だったので、まあ近年のインフレ(日本というよりも主に海外での)や為替変動がなければキヤノン的にはこの R8 も ¥18~20 万くらいで発売したかったのでしょう。実際キヤノンの米国サイトでの価格は USD1,499 となっています。

個人的には、EOS RP は一時期購入を検討していたのでこういう小型軽量コンセプトの EOS R は気になります。小型軽量という意味では α7C が対照的に「全部入りのまま小型化した」カメラで、私としては R8 くらい割り切ってそぎ落とした方が好み。でもミラーレスで 2 マウント体制は維持できないと判断して α に一本化した以上、今から RF に手を出す選択肢はないんですよね…α7C II でさらに思い切った小型軽量化してくれませんかね。

キヤノン、ホワイトも選べるAPS-Cミラーレス「EOS R50」 – デジカメ Watch

EOS R50

そしてこちらは APS-C の R50。ネーミングにこそ入っていませんが、デザインといいプロモーションの方向性といい明確に Kiss シリーズの後継であることを表現しています。
2020 年に発売された EOS Kiss M2 を最後に EOS M シリーズは新製品が出ていませんでしたが、この R50 の発表が EOS M シリーズの実質的な終了宣言となるのでしょう。

スペック的には発売済みの EOS R10 とほぼ同じ。違いと言えばシャッターユニット(R10:15 コマ/秒、R50:12 コマ/秒)とマルチコントローラー、あとはボディやグリップのサイズくらいのもの。まるで一眼レフ時代の EOS 二桁 D と Kiss X の差分とよく似ていますが、実際そんなところなのでしょう。運動会レベルまでの連写なら 12 コマ(R50)あれば十分だと思うけど、個人的にはマルチコントローラー(R10)が欲しい…という絶妙なスペック差。

ちなみに Kiss の実質的な後継でありながら国内では Kiss の愛称がついていませんが、同様に北米でも従来ついていた「Rebel(反逆者)」のペットネームが廃止され、ワールドワイドで R50 に統一されるようです。まあ日本に限っても幼稚園や学校のイベントでかつて EOS Kiss やビデオカメラを構えていたような人たちはみんなスマホで撮るようになってしまったし、あえてママ需要に絞るようなネーミングは時代遅れということなのでしょう。あるいは、もうこの価格帯のカメラで地域ごとに異なる銘板を作り分けていられないというメーカー側の事情もあるように思います。

これでキヤノンのボディラインアップはフルサイズで EOS R3/R5/R6 II/R8、APS-C で EOS R7/R10/R50、の 7 機種ですか。フルサイズはともかく APS-C で 3 機種持っていることにちょっと驚いているのですが、そこは Kiss シリーズでレンズ交換式カメラ市場を下支えし続けてきたキヤノンの矜持ですかね。

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