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ウポポイ 民族共生象徴空間

『孤独のグルメ』の聖地巡礼でせっかく北海道まで行ったのなら、ついでに観光もしてきたい。ということであちこち行ってきました。
まずは苫小牧から行きやすい場所、白老にある「ウポポイ」へ。2020 年にオープンしたアイヌ文化伝承のための施設群で、近年北海道旅行には必ずと言って良いほど名前が挙がる観光スポットです。

※今回の写真は全て α7 IV+FE24-105/F4G にて撮影。

ウポポイ(民族共生象徴空間) NATIONAL AINU MUSEUM and PARK

園内のメイン建造物である国立アイヌ民族博物館、めちゃくちゃデカイ!!想像の数倍大きくて驚きました。と同時に、「いかにもハコモノ行政」という感想が…(笑。
まあ近代以降だけでも日本という国とアイヌとの関係を考えれば、これくらいの投資をして文化保護する必要があることは理解しますが、それにしても圧倒的な大きさ。

館内の案内には日本語と各種言語に加えてアイヌ語仮名も表記されています。アイヌ語って全然馴染みがないから逆に面白い。

アイヌと言えばこれ、という感じの衣装。植物の繊維を編んで作った着物だそうです。
コントラストのハッキリした色遣いに幾何学模様、そしてその模様の頂点を繋ぐように縫われた曲線が印象的。

こちらは女性用の着物のようです。
これも配色、模様ともにすごく良い。アイヌって美的センスに優れた民族だったのでしょうね。

小熊にいろいろ着せるのって本当…?と思ったら、アイヌには実際に村で小熊を育てる習慣があるんですね。山の神(カムイ)として小熊を 1~2 年育て、ある程度大きくなったら神々の国に返すという名目で屠殺する伝統的な儀式(イオマンテ)が存在するそうです。勉強になる…。

アイヌ語には文字が存在せず、口頭のみで伝承された言語らしい。でもそれを伝承や翻訳のために文字に起こしたのがアイヌ語仮名。アイヌ語の発音をひらがなまたはカタカナに当てて、日本語には直接該当しない発音は<イコㇿ>のように小さい仮名で表記します。

こちらはアイヌのナイフとその鞘の展示。やはり日本本土とは違う技術や美意識で装飾が施されていて、実に美しい。

アイヌは狩った獲物は肉と骨だけでなく毛皮から内臓に至るまで無駄にしない…ということで毛皮関連の展示も多数ありました。↑はラッコとテンの毛皮ですが、熊や鹿の毛皮は当然のようにあり、すごいところになると魚の皮を剥いでそれで服や靴を作る文化もあったというから驚きます。

ちなみにアイヌというと狩猟等のイメージ画強いですが、ロシアや中国と日本との交易を仲介する役割もあったようで、日本の歴史を語る上でも重要なポジションを担っていたと言えます。

しかし日本におけるアイヌの歴史は迫害の歴史でもあります。それに関する展示が博物館の一定の割合を占めていました。
学校の授業で教わる(といっても私は日本史選択してませんでしたが)アイヌって本当にさわり程度しかなくて、この展示を見て今までほとんど何も知らなかったんだなあ…というのを痛感。

敷地内には博物館の他にも建物があって、歌や踊り、工芸などのアイヌ文化を実際に体験できるコーナーもあります。
熊や鹿、アザラシなどの毛皮にも触れられるし、アイヌ出身のスタッフにお話を伺えるなど、貴重な空間。

アイヌの伝統的なコタン(住居)を再現した建物群。
広大な敷地の中に様々な展示が行われています。隣接するポロト湖ではワカサギ釣りもできるようだし、本当にここだけで丸一日過ごせますね…。

ほんの 90 分ほどの滞在だから表面的にしか見られませんでしたが、今まで全然知らなかったアイヌのことを初めていろいろ知ることができて良かったです。
ここは北海道に行くなら一度は訪れる価値あるのではないでしょうか。

もっとアイヌのことを知りたくなったので、東京に戻ってから配信で『ゴールデンカムイ』をイッキ見して履修中だったりします(笑。

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