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Honda RACING Gallery

Honda RACING Gallery

そういえば先日の F1 日本グランプリの際に立ち寄ったホンダレーシングギャラリーの写真を貼っていませんでした。
鈴鹿サーキット内にあるホンダレーシングギャラリー。今までは鈴鹿サーキットに行ってもなんか忙しくてここに寄る暇がなかったんですが、今回はセッションとイベントの合間に少し時間があったので初めて中に入ってきました。
もてぎのホンダコレクションホールに比べると規模は小さいけど、貴重な車両が展示されていました(もてぎから期間限定で持ってきたものだと思うけど)。

※写真は全て α7 IV+FE24-105/F4G にて撮影。

エントランスでまず出迎えてくれたのは 1990 年のマクラーレン・ホンダ MP4/5B。フェラーリに移籍したプロストとの激戦を経てセナが二度目のチャンピオンを獲得したクルマ。ここ鈴鹿の 1 コーナーでプロストと接触した衝撃的なレースは今でも忘れられません。

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メインホールの中央に展示されていたのは 1991 年のマクラーレン・ホンダ MP4/6 と 1967 年のホンダ RA300。後者はジョン・サーティースのドライブで第一期ホンダ F1 に史上 2 勝目をもたらしたクルマです。
前年まで行っていたシャシー内製を諦めてローラに開発を委託し、それに自前の V12 エンジンを搭載したクルマ。さすがに私もリアルタイムでは知りませんが、このクルマと同じ旧タイプのホンダエンブレムがレッドブル RB21 の鈴鹿スペシャルカラーにも描かれたんだから見る目が変わってきます。

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RA300 の隣に MP4/6 が並んだのは、V12 エンジン繋がりですかね。
当時の新記録を樹立した開幕 4 連勝は鮮烈だったなあ。でもエイドリアン・ニューウェイがデザインしたウィリアムズ・ルノー FW14 がシーズン中盤から本領を発揮してからはマクラーレンにとっては厳しいシーズンになりました。

ところでこの展示、ライティングの具合が素晴らしすぎて普通に写真を撮っただけでグランツーリスモのギャラリーみたいな質感が出てるんですけど。すごい。

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MP4/6 は日本における F1 人気絶頂期のマシンであり、セナとホンダのタッグで三度目のドライバーズタイトルを獲得したクルマでもあるから人気ありますよね。私も今まで何度となくこの実車を見てきたけど、何回見ても飽きずに美しいと思える。まあデザインは当時のフェラーリの影響を受けすぎで(フェラーリのデザイナーが移籍して作ったクルマだから仕方ない)マクラーレンらしさみたいなものはあまりないですけどね。

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エンジン単体でも展示されていました。こちらは上記 MP4/6 に搭載されていたホンダ RA121E。
前年までは V10 エンジンを使用していたのが 1991 年以降は V12 化され、エンジンでもフェラーリの V12 と真っ向勝負!ということで興奮した記憶があります。でも V12 エンジンがチャンピオンを獲得したのはこの年だけで、翌年以降はルノー V10 が席巻、ホンダは撤退しフェラーリも 1995 年を最後に V10 エンジンに移行。V12 は技術的には夢があったけど F1 ではサイズや空力面でのデメリットの方が大きくなっていきました。

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時代は飛んで 2015 年の RA615H。マクラーレンとタッグを組んだ第四期ホンダ F1 最初のパワーユニットです。
NA エンジンの隣に並んでいるとハイブリッド時代の PU がいかに巨大化したかがよく分かります。バッテリーが外された状態で、かつ V6 にも関わらず NA エンジンより遙かに大きい。MGU-H や冷却機構の搭載で複雑化したわけですからね。この巨大な PU を見せられると、当時のマクラーレンが掲げた「サイズ・ゼロ」という PU コンセプトは着眼点としては間違っていなかったのではないか、と思います。

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そしてこちらは 1990 年の MP4/5B に搭載されていたホンダ RA100E。日本グランプリ期間中はこのエンジンの分解展示が行われていました。
V12 やハイブリッド PU を見た後だと V10 エンジンはサイズバランスのいい美しいエンジンに見えますね。

この時期のホンダ、V6 ツインターボ(1987-88)、V10 NA(1989-90)、V12 NA(1991)と基本構造の異なるエンジンを続々投入しながら勝ち続けているのがすごい。

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ホンダの F1 エンジン単体での展示はイベント等で時々あるけど、エンジンの分解展示を見たのはこれが初めて。それくらい貴重な機会です。
ホンダが長年続けているレーシングカー動態保存のためのオーバーホールの一環なのでしょうか?35 年前のエンジンを作った設計者ももうほとんど社内には残っていないだろうに、すごいことするな…と思ってしまいました。

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2000 年の B・A・R002。ホンダが第三期として F1 に復帰した年のマシンです。
チャンピオン経験者であるジャック・ヴィルヌーブを擁したチームでしたが、当時はまだ弱小チームだったからあまり印象に残っていないなあ。シューマッハーのフェラーリとハッキネンのマクラーレンが F1 の中心にいた時代でした。

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2004 年の B・A・R006。ジェンソン・バトンが表彰台の常連となり、佐藤琢磨が日本人ドライバー二人目となる 3 位表彰台を獲得したマシン。
この年はコンストラクターズランキングでも 2 位に入り、第三期ホンダ F1 としての絶頂を迎えたシーズンでした。翌 2005 年以降は徐々に勢いを失っていき(2006 年の初優勝はあったけど)、第三期は全体としては残念さの方が印象に残っています。

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そして第四期。2015 年のマクラーレン MP4-30。
23 年ぶりの「マクラーレン・ホンダ」の復活、そしてアロンソとバトンという二人のチャンピオン経験者を擁するドライバーラインアップ。事前の期待値こそ高かったものの PU もシャシーも全く戦えるレベルになく、ひたすら悔しさを味わい続けた三年間でした。この頃のことは今でもあまり思い出したくはないですね。

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マクラーレンとのジョイント決裂を受けて 2018 年からトロロッソとタッグを組んだ STR13。これが後の常勝レッドブル・ホンダ(RBPT)へと繋がっていくわけです。
ホンダ的には一度どん底まで落ちたからにはあとは這い上がるのみ、トロロッソというチームもホンダを歓迎してくれているし成績も少しずつ上向いて、マクラーレン時代と違って応援し甲斐のあるシーズンでした。2024 年の VCARB01 でこのカラーリングが復活し、それに角田が乗ってくれたのも嬉しかったなあ。

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ギャラリーの出口には昨年の日本グランプリの際に書かれた佐藤琢磨、セルジオ・ペレス、中嶋一貴、中嶋悟のサインがありました。ホンダの施設に一貴のサインが、それもお父さんの隣にあるのはなんか嬉しい。

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そして昨年のクリスマスプレゼントとして VCARB から寄贈された角田裕毅のレーシングスーツ。これ実際のレースできているスーツは各種ロゴはプリントのはずですが、ここに展示されているのは全部刺繍なんですね。展示用の特別仕様なのでしょうか。これまた貴重なものが見られました。来年はレッドブルのスーツが展示されていたりするのかな?

ということで、日本グランプリ期間限定の展示を堪能しました。F1 マシンの実車は何度見ても良いモノですね。モックアップのショーカーからは得られない養分があると思います。

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