「うん、石狩に入りては石狩に従おう」
ドラマ『孤独のグルメ 2022 大晦日スペシャル』の聖地巡礼は札幌で焼肉を食べた後そのまま一泊して、翌日改めて石狩まで移動してきました。札幌から小樽ってクルマでせいぜい一時間なので、わざわざ札幌で泊まらなくても苫小牧から一日で十分行ける範囲だけどストレートに行ってたらドラマにならないか(笑。
ちなみに今回の旅のアシは新千歳空港のトヨタレンタカーで借りたヤリス。ゴローのようなオールドミニのレンタカーはさすがにありませんでした(笑。コンパクトカーで広い北海道を走るのは楽しかったけど、この季節普通に走っているだけでクルマがドロドロになるのは雪国あるあるですね…。
今回の目的地は石狩市街地にある「鮨爽醇鳥 ひだか」。ここも駅からだとちょっと遠いので(バスを使う手はありそう)、クルマで来て正解でした。
ちなみに五郎は札幌から小樽に向かう途中で立ち往生しているクルマを助けたらお使いを強引に頼まれて厚田漁港まで行く羽目になったという。厚田漁港って石狩からさらに北にあって、往復だと二時間くらいロスしたことになるんじゃないでしょうか。我々はさすがにスルーしました(笑。
ともかく空腹、限界灘。予約してあることだし、店に入ろう。
店内はカウンターの他に個室になる小上がり席もあり。ゴローはカウンターで食べていましたが、ランチタイムにカウンターを占有するのも申し訳ないので小上がりを利用させていただきました。
11:30 に店着したところ一番乗りだったのが、後からどんどんお客さんがやってきてお昼過ぎには満席に。平日ランチで満席になる鮨屋ってのもすごい。他はほぼ地元のお客さんのようだったし、以前から人気店だったに違いありません。
メニューにはちゃんと「五郎さんセット」が用意されていました。握りの種類が違う A セット・B セット(それぞれ五郎が二回に分けて注文していた握りの前半か後半かの選択)、あるいは全部網羅する C セットか。
お店に来る前はせっかくだから鮨はアラカルトで頼んでみるかと思っていたけど、こういうメニューがあるならセットでお願いしてしまった方がお互い面倒がなくて良い。ここは当然 C セットをいただきます。
こういう店で鮨や鍋をいただくなら飲まずにはいられません。ということで平日ランチビールの背徳。(注:今回の旅では私は運転手ではありませんでした)
向こう側のカウンターにサラリーマン風のお客さんがランチを食べているから、それに対する申し訳なさがさらにビールをおいしく感じさせる(ぉ
ビールを飲み始めたところで石狩鍋セットが運ばれてきました。
自宅で鍋をやるときには石狩鍋にすることも多いけど、まさか本場で石狩鍋を食べる機会があるとは思っていませんでした。こういうチャンスをくれた『孤独のグルメ』に感謝。
そして鮨も到着。座敷席だからゲタではなく大皿での提供。
セットで注文した場合、鮨は前半(イクラ・エンガワ・カニ・さばガリ巻)と後半(ホタテ・タコ・ボタンエビ・ウニ)が一緒に出てくるんですね。
そういえば今まで北海道には何度も来ているけど、鮨を食べるのは初めて。期待を込めつついただきましょう。
鮨、どれもネタの鮮度がいい。さすがは北海道。
カニの使いで来た石狩で食べるカニってのも特別だけど、脂の乗ったエンガワやプリトロ食感のホタテもいい。そしてミズダコ、オホーツク海のように力強い弾力とほんのり甘味を感じる。タコの握りって一般的には安ネタの代名詞だけど、このミズダコは主役級。
うまあい。北海道の魚介類、レベル高すぎだよ。
さばガリ巻。
〆鯖の握りに生姜が載っていることがあるからある程度想像できる味ではあるけど、細巻きになることでパクパク食べられるのが楽しい。
鯖のうまみが後引く感じでどんどん食べたくなる。6 巻といわず、もっと欲しいくらい。
そこに石狩鍋までやって来ました。鍋はあらかじめ煮込まれて提供されるので、固形燃料はあくまで保温用。
自宅で食べる石狩鍋とは見た目からして違う。鍋にイクラを入れるなんてのも初めて。
素晴らしい鍋景色。ここを国定公園に指定してもいいんじゃないか。
山椒をかけるのが本場石狩流ということで、少したっぷりめにかけていただきます。
おぉ~、濃厚味噌味。そこにバターの風味が俺を捉えて離さない。
鮭、頼もしく、キャベツ、やさしい。イクラは生のままでもいいけど、ちょっと火が通ったやつも食感が変わっておいしい。そして山椒の爽やかな刺激がこの鍋をまとめ上げている。
この鍋は北海道そのものだ。海の幸、山の幸、大地の宝物が集結して、祭りを開いている。
外は粉雪が舞っていたけど、この鍋のおかげで腹の奥底から温まる。あ~、いい。
〆のうどん。いったん鍋を引き上げて厨房で煮込んできてもらえます。
鮭と野菜のうまみ出まくりで、汁がおいしく育ってる。煮込むことでそれをうどんが全て受け止めて、唯一無二の味わい。おいしかった石狩鍋をこのうどんが総括してくれるかのようだ。
こちらは石狩鮭醤油らーめん+バッテラつき。
いかにも石狩らしいご当地ラーメン。ランチタイムの人気メニューのようで、他にもこれを食べているお客さんが数人見受けられました。
素朴な醤油ラーメンのようでいて、スープには鮭の風味とうまみが溶け込んでいます。これは鮭が具として乗っかってるだけでなく、ちゃんと鮭から出汁を取ったに違いない。
昔ながらの縮れ麺がこのスープによく絡んでとてもおいしい、鮨や鍋とはまた違った形で石狩のおいしさを凝縮したような一杯。
平日ランチ限定の大粒かきフライ定食。道内でも牡蠣は獲れるらしいのですが、このフライは広島産の牡蠣とのこと。
でも鮨に限らずラーメンやこういう定番のランチメニューが気軽に食べられるのも、このお店がお昼から盛況な理由なのでしょう。
北海道の鮨と本場の石狩鍋、堪能しました。お世辞抜きで全部おいしかった。
今まで食べていた石狩鍋のようなものは本場とは全然違う、というのを思い知った。今度から自宅で石狩鍋やるときは絶対山椒を使おう。
ごちそうさまでした。
というわけで、ここから最終目的地である小樽を目指します。
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