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中国家常飯荘 瑞雲

絶品の中国料理を出してくれるお店があると聞いて食べに行ってきました。

中国家常飯荘 瑞雲

大田区の飲食店もあまりないような住宅街にポツンとある中国料理店です。都営線の西馬込か東急石川台駅から徒歩 20 分、もしくは JR 大森駅からバスで 20 分という微妙にアクセスしづらい立地。にも関わらずランチタイムには開店前から行列ができるほどの人気店です。
営業日は変則的で火~土の夜営業と土曜日のみランチ営業をやっています。今回は土曜ランチにお邪魔しました。

昼営業のメニューはランチコースか麺セットの選択式。ランチコースは日によってメイン料理が変わるようです。

海老と鶏のチリソースも、牡蛎と茄子の甘辛炒めもどっちもおいしそう。でもこういうお店の麺類もやたらうまかったりするし、これは迷うなあ。

それほど広いわけではない店内はテーブルとカウンター合わせて 10 人も入れば満席というキャパシティ。
町中華ほど気安くはないけど肩肘張るほどではない店内の雰囲気が落ち着きます。

厨房の奥では蒸籠で焼売?が蒸されている湯気がシュンシュンと立っていて、これを見るだけで期待が高まるというもの。

ランチコースを注文したところ、前菜的な感じでお造りが出てきました。
和食のお造りというとシンプルなお刺身を指しますが、ここのは刺身に中華の醤で味付けをしてかいわれや細切りの大根・きゅうりでシャキシャキ感を加えたもの。これがまた日本の刺身とは違う味わいでおいしい。おかわりして紹興酒を出してほしくなるところです。

この店の名物というやまと豚の焼売。
一つだけだから写真だと小さく見えますが、一般的な焼売の 1.5 倍くらいのボリューム。肉肉しく食べ応えがあり、噛むと肉汁がジュワジュワ溢れてきて期待以上のおいしさ。ランチコースの一品としてももう一つくらい欲しくなります。あるいはこの焼売を使ったシウマイ弁当とかあったら大満足だろうなあ…という味。

メイン料理、無水牡蛎とむき茄子の甘辛炒め。トロトロした牡蛎も、シャクシャクした食感を少し残してある茄子もどちらもおいしい。
甘辛具合もちょうど良く、これはごはんが進む味。いや、甘辛もいいんだけど、その奥に潜む繊細なうまみの印象が強い。

もう一つのメイン料理は海老と鶏肉大豆のチリソース煮。海老チリだけでもおいしいのに、さらに鶏肉と大豆まで入っている蛋白質欲張りセット。
大ぶりの海老と鶏肉、それぞれ方向性の異なるプリプリした食感と、その間を繋ぐように大豆がいい働きをしている。そしてこちらもストレートなチリソース味じゃなく、奥深いうまみを感じる。

まさに薬膳というような滋味溢れるスープと自家製のザーサイがメイン料理を横から支え、白飯がどんどん進む。ごはんがおかわり自由なのも嬉しい。

デザートは自家製杏仁豆腐。濃厚でトロトロとした杏仁豆腐にイチゴが入っているのもちょっと嬉しい。
ここ、めちゃくちゃいい店じゃないですか。どの料理にも丁寧で繊細な仕事を感じます。これは行列ができるのも納得。

…ということで麺類も試してみたくなったので、日を改めてまた土曜ランチに来てみました(笑

麺セットを注文したところ、最初に出てきた前菜盛り合わせがこれ。麺セットの一部として出てくるレベルじゃなくない!?(汗
それぞれ丁寧に仕込まれたのがよく分かる味。ちゃんと旬に合わせてホタルイカを用意してくれるのも嬉しい。またしてもお酒が飲みたくなります。

続いてお造り。これが麺セットって、やっぱり間違ってる気がする(褒め言葉

中華風の刺身、改めてちょっと癖になりそうなおいしさ。

で、大ぶりの焼売も当然ついてくるわけです。

ふつう中華料理屋で麺セットっていったらライスか半チャーハンか餃子と相場は決まっているものだけど、この充実度たるや麺セットではなく「麺コース」と呼びたくなります。

麺は鶏ネギ中華そばと最後まで迷った挙げ句、担々麺に。担々麺好きとしては試してみざるを得ませんでした。

見た目からして胡麻たっぷりで私好みな感じ。盛り付けが丁寧なのもいいじゃないですか。

香ばしい肉味噌の周囲にかいわれ、刻みタマネギ、刻みネギにメンマ。種類の異なるシャキシャキがたくさん入って食感の変化が楽しい。
スープは胡麻の風味とコクが最初に来て、後から辛さと山椒の刺激がジワジワ来る感じ。

麺は中太でスープがよく絡んでおいしい。
今までいろんな担々麺を食べてきたけど、ここのは専門店に負けない非常にレベルの高い担々麺。これを食べるためにここに来る価値あると思います。

麺をあらかた食べたところで「小ライスお出しできますよ」とのことでいただいてみました。
ちょっと上品にスープを一口すすってライスを…とやっていたら「スープに入れてリゾットみたいにしてもおいしいですよ」と。やっていいなら是非やらせてください!

あー、やっぱりこれはライスを投入してスープを最後の一滴まで残らず堪能するのが正解だわ。

食後はまたも杏仁豆腐。担々スープで火照った口の中を穏やかにしてくれる絶妙なおいしさ。

いやはや、ランチコースも麺セットも丁寧な仕事ぶりを感じる本格派でした。立地が良ければもっと流行りそうなものだけど、この上質な料理をこぢんまりと楽しめるのがこの店の良さだろうから、これで良いように思います。

ディナータイムはもっといろんな料理があって楽しそうだし、いずれ夜に食べに来ようと思います。でも中華そばも一度食べに来ないとなあ。

ということで、また来ます。
ごちそうさまでした。

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