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Red Bull X2010 @ES PADDOCK SALON

原宿にオープンした「EURO SPORTS PADDOCK SALON」に行ってきました。

EURO SPORTSが、原宿に情報発信基地『EURO SPORTS PADDOCK SALON』開設。F1ピット風内装で、レッドブルX2010が鎮座

Red Bull X2010

モータースポーツグッズを扱うユーロスポーツがこの GW に合わせてオープンした情報発信基地です。渋谷にあった店舗が今年 1 月に閉店し、原宿に移転オープンしたのかと思ったらなんかコンセプトが違う。ここでは商品の販売は行わず、上階が事務所で半地下のガレージがイベントスペースとして運営されるようです。
場所は原宿となっているけど駅からは遠く、実際にはむしろ北参道の方が近いくらい。住宅地にいきなりガレージが現れるからちょっとびっくりします。

ここに展示されているのがレッドブルのコンセプトカー「X2010」。
実車ではなく、ゲーム『グランツーリスモ 5』に登場した架空のレーシングカー。でも架空ではあるけど実際にレッドブルでテクニカルディレクターを務めるエイドリアン・ニューウェイがデザインした夢のマシンです。そのショーカーが見られるとあれば見に行くしかありません。

※写真は全て α7C+FE Vario-Tessar FE 16-35/F4 にて撮影。

Red Bull X2010

このショーカーはさすがに動作しないモックアップだと思われますが、近年のレッドブル F1 のショーカーよりはディテールが作り込まれているように見える。
これは 2010 年の東京オートサロンで一度展示され、その後はオーストリアのレッドブル本社にて展示されていたものをこのたびユーロスポーツが買い取って展示しているものとのこと。

X2010 は既存の史上最高のレーシングカーデザイナーがレギュレーションに縛られずに理想のレースカーをデザインしたらどうなるか?というコンセプトに基づく企画なので、ぱっと見では F1 っぽいけどよく見ると全然違う異形のレーシングカーになっています。

Red Bull X2010

ボディカウルもキャノピーも高光沢でピッカピカ。ガレージの照明がイイ感じなこともあって、現実なのにゲーム内の CG を眺めているような錯覚をおぼえます(笑。今写真を見ていてもゲーム CG に見えてしまうのが面白い。
ガレージの雰囲気もちょっとグランツーリスモのゲーム内っぽいし、ニューカーをゲットした直後のワクワク感をリアルに思い出しました。

Red Bull X2010

フォーミュラカーの最大のドラッグ源であるタイヤをフェアリングで覆うことで空気抵抗を減らすデザイン。こうすると途端に LMP1(ル・マン・プロトタイプ)に見えてくる不思議。
ホイールカバーにブリヂストンのロゴが入っていますが、そういえばこの年までの F1 タイヤはブリヂストンのワンメイクでしたね(翌年からピレリにスイッチ)。

Red Bull X2010

コクピット脇にはドライバーネームとして「S. VETTEL」と刻印されています。実際に 2010 年の F1 で初戴冠に輝いたセバスチャン・ヴェッテルがゲーム内でのシェイクダウンを担当したのでした。
2010~2013 年はニューウェイのレッドブル&ヴェッテルが四連覇を達成、名実ともに最速の組み合わせでした。

Red Bull X2010

サイドポンツーンからリヤエンドにかけても F1 とは全く異なる造形。パワートレインも当時の F1 とも現代の F1 とも異なる 3L V6 ツインターボ、最高速 450km/h だから車体に関する考え方も全然違って当然か。
現代 F1 のハイブリッド化は時代の流れとして必然ではあるけれど、バッテリーやモーターのために鈍重になっているのは事実だし、純粋なガソリンエンジンだけで出力や運動性能がどこまでいけるか…はロマンとして見てみたいところではあります。

Red Bull X2010

それにしても、いくら夢のマシンとはいえゲーム内に登場するだけのものを実在の F1 チームがデザイン協力したというのはすごいことだと思います。
ニューウェイのクルマは同時代のライバルチームのクルマに比べて見た目が美しいことが多いけど、それでもレギュレーションに合わせるために理想を崩している部分があるのは事実。それがレギュレーション関係なく理想だけを追求して描かれたボディラインなわけで、個人的にはこれまでニューウェイが手がけたクルマの中で X2010 が最も美しいマシンだと思っています。

Red Bull X2010

そしてこのクルマ最大の特徴がこのリヤエンドに存在します。中央に鎮座するこの巨大なファンでシャシー下面の空気を吸い出し、それによって強大なダウンフォースを発生させるいわゆる「ファンカー」仕様。F1 でもかつてブラバムが実戦投入して圧勝し、わずか 1 レースで使用禁止になった曰く付きの機構です。現在の F1 もグラウンドエフェクトによるダウンフォースを発生させるデザインになっていますが、それをさらに強力に、人工的に発生させる仕組み。これでマシンが路面に吸い付くようにグリップすれば最高速 450km/h も確かにあり得ます。
大学時代からグラウンドエフェクトを研究対象とし、2010 年の時点でファンカーをレーシングカーの理想型と掲げていたエイドリアン・ニューウェイが現在のグラウンドエフェクトカー時代の F1 を席巻するのは必然だったように思います。

まさかこのコンセプトカーの実物が拝めるとは思っていなかったので、ユーロスポーツさんには大感謝です。
ただしここはあくまで展示やイベント用の施設であり物販は行っていないのがちょっと残念。渋谷にあった実店舗は詳細はまだ言えないが別のところで再オープンする計画があるとのこと。ユーロスポーツがないと都内でレースグッズを買える店が限られてしまうので、こちらも早い開店を期待しています。

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