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中野「南印度ダイニング」が「ビマラ インドダイニング」に

「スパイスの世界は無限だ。知れば知るほど、胃袋が踊るマハラジャ」

薬師あいロード

ドラマ『それぞれの孤独のグルメ』第 10 話に登場した中野の南印度ダイニングがリニューアルして店名変更のうえ再オープンしたという話を聞き、久しぶりに行ってきました。

お店は中野駅から北へ新井薬師に向かう「薬師あいロード」の途中にあります。中野ブロードウェイを突っ切ってももちろん良いけど、ドラマ Season7 に登場した「泪橋」のある百軒横町をまっすぐ行くとそのまま薬師あいロードに繋がります。でも道中は昼間ですらおいしそうな店がたくさんあって、旧・南印度ダイニングに辿り着く前に他のお店に吸い込まれそうになります(笑。

薬師あいロード

薬師あいロードもまたいい通りで、あちこちに魅惑的なお店が建ち並んでいます。純粋においしそうな店もたくさんあるけど、特撮ヒーロー関連のバーがあったかと思えば怪獣御用達(?)のサロンなんかもあったりして、こういうマニアックさがいかにも中野っぽい。改めてこの周囲のお店を開拓しに来たくなりますね。

そんな感じで目移りしながらてくてく歩いて行くと、お店に辿り着きました。

ビマラ インドダイニング

ビマラ インドダイニング

以前の店舗は看板が日焼けして白っぽくなっちゃってましたが、新たに掛け替えられた看板はなんかすごく押しが強い(笑。

店名は「ビマラ インドダイニング」。南印度ダイニングのオーナーの娘さんがときわ台(板橋)で同じくお店を営業していて、中野のオーナーさんが引退するにあたり娘さんがこちらに移転する形で引き継いだようです。で、「ビマラ」とはその娘さんのお名前らしい。
ということで、名前は変わったけど基本的には南印度ダイニングを継承するお店と考えてよさそうです。

ビマラ インドダイニング

店内は改装されていました。といっても壁やカウンターの一部が塗り直されて装飾が変わった程度ではあるけど、以前よりも統一感のある雰囲気に。
カウンターの金魚がそのまま健在だったのが個人的には嬉しかった(笑

ビマラ インドダイニング

テーブルクロスは明るい色のものに変更され、その上になんと孔雀の羽根が!これだけでなんかインドっぽい。硬質のアクリル板が上に載ってるから飲食の邪魔にはなりません。

実は以前の真緑のテーブルクロスは料理の写真をおいしそうに見せるのが難しかったから、無難なテーブルクロスになって個人的にはありがたい(笑

ビマラ インドダイニング

メニューはデザインこそ変われど品揃えは大きくは変わっていないようです。
こちらはミールスやビリヤニ周りのメニュー。井之頭五郎が食べていた「ベジタリアンミールス」は「チャンナイミールス」と改称され、さらにノンベジ(肉入り)の選択肢が追加されました。

ビマラ インドダイニング

カレー関係も大きくは変わらず。
店名が変わったからもっとドラスティックに変わってしまったかと心配したけど、基本は同じようで安心しました。

ビマラ インドダイニング

そんなわけで、せっかく肉ありが追加されたならチャンナイミールスのノンベジを頼んでみるわけです。
出てきてびっくり、プレートがバナナの葉を模したデザインになってる(笑)。プラスチックの質感がちょっとしたお子様ランチ感。

こんなプレートあるんですね。インドではバナナの葉を食器代わりにするのがそれほど大事にされているということか。もしかして、以前のお店でテーブルクロスが真緑だったのもバナナの葉を表現していたのか…?

ビマラ インドダイニング

左側がサンバル、右がチキンカレー。

サンバルは南インドで日常的に食される野菜カレー。「南インドのお味噌汁」と表現されることもあります。日本人の感覚だとこれはカレーだけど、インド人にとってのカレーは醤油や味噌みたいなものなのでしょう。
スパイスっぽさや酸味はありつつも、基本的には野菜を食べるためのやさしいカレー。いいなあ~、日本の野菜の解釈が全然違う。でもうまい。

そしてチキンカレーは期待に違わぬ安定のうまさ。

ビマラ インドダイニング

上の写真左側の黄色いのは、以前のお店のミールスには含まれなかった「コーツ」。
カレー風味のポテサラ的な味わいで、ここに並んだカレー類の中ではマイルド担当。

右側はこれまた南インド料理の定番、ラッサム。
お~、辛い。酸っぱい。辛いと酸っぱいが同列、辛酸っぱいが止まらない。かなり刺激的なスープだけど、なんかクセになるんだよなあ。

ビマラ インドダイニング

カレーを盛り立てるのはチキンフライとインディカ米(おかわり自由)、パリパリの揚げせんべい的なパパド、それと今回初登場のプーリー。以前のお店ではクロワッサン的な食感のパラタだったけど今のお店ではプーリーがついてくるようです。インドの揚げパン、と表現される主食で、パリパリしてるのかと思ったら意外にもしっとり柔らかく、ちょっとモサッとした食感。個人的にはパラタが好きだったけどこれはこれでアリ。

ビマラ インドダイニング

最初にカレーをそれぞれ単体の味で楽しんだら、次はライスの上でちょっとずつ混ぜて自分なりのカレー味を創造していくのがミールスの醍醐味。単品では鋭い味のラッサムもライスやサンバルと混ざり合うことで深みが出るし、逆にチキンカレー主体にちょっとラッサムを足して強めの味にしてみたり。

これ、めっちゃ楽しい。ミールスには無限の可能性が秘められている。

ビマラ インドダイニング

食後はよく泡立てられた甘いホットチャイで一息つきます。

以前のお店を基本的には受け継ぎつつ、でもちょっとずつ違う。世代を重ねて続いていくってこういうことなんだなあ、というのを実感するミールスでした。このお店が、また何代にもわたって続いていくことを願っています。

おいしかったなー。中野に来ることがあったらまた食べに来よう。
ごちそうさまでした。

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