「もう身も心も、カレーになってる」
本日放送された『それぞれの孤独のグルメ』第 10 話の聖地巡礼も事前に行ってきました。今回は中野区新井。
冒頭のお仕事パートに登場したのは中野沼袋氷川神社でした。食事パートのお店とドラマパートのロケ地が実際は離れていることが多い『それぞれの孤独のグルメ』で、これだけロケ地が近い(徒歩 15 分程度)のは逆に珍しい。
ちなみに今回のゲスト主人公・小山祐太を演じていた結木滉星さんはサッカー日本代表の三苫薫選手の実兄で、子どもの頃には松重さんのマンションの隣の部屋に住んでいたようですね。三苫選手はご両親が帰宅するまで松重さん宅のリビングでゲームしながら待っていたそうですが、もしかしたらその隣に結木滉星さんもいたのかもしれません。そういう縁がグルッと回って『それぞれの孤独のグルメ』で共演というのは、観ているこちらとしてもなんだか感慨深い。
さて、今回の目的地は中野駅と西武線の新井薬師駅の中間地点にあるこちらのお店。
新井薬師への参道である「薬師あいロード」の途中にありました。お寺の参道にインド料理?と思ったけど仏教の起源を考えたらむしろ正しいのか。
店構えからして雰囲気ある。よし、入ってみるか。
店内、なかなかのディープインド。店員さんもリアルインド人のようです。
日本語ペラペラだけど厨房との会話はインドの言葉(ヒンディー語?)。でもよく聞いてみるとところどころ「ベントウ」とか「タンピン」といった日本語が混ざっているのが面白い。
ところで壁に貼られている「バナナリーフパーティー」ってのがやたら気になる。インド料理のパーティーメニューってことなんだろうけど、バナナの葉っぱを冠するだけで妙に楽しげに聞こえる。
どどーんと『劇映画 孤独のグルメ』のポスターが貼られてる…と思ったら、その隣に日本の皇室の写真が大事そうに飾られてるじゃないですか。なんだか日本へのリスペクトを感じて、日本人としては逆にありがたい。
それにしても彼らの母国インドの地図と日本の皇室に並ぶ形で貼られている我らが井之頭五郎…『孤独のグルメ』もついにこのレベルまで来たか(違
メニューはこちら。ミールス、ドーサ、ビリヤニ、南インドの定番料理が並んでいて悩ましい。
私は Season8 の聖地巡礼で食べて以来南インド料理が好きになってしまって自分で店を探して食べに行くほどになりました。だからここで食べるのも楽しみにしていたわけです。
ということで、小山神主が食べていたスペシャルランチから。今日の俺にご褒美だ。
インドカレーの店ってカレーを何種類か選んで場合によってはタンドリーチキンもつけて…というのが定番だけど、このスペシャルランチはカレー二種(選択制)+タンドリーチキン+マライティッカの欲張りセット。
この豪華さ、今の俺にはなんだかお供え物に見える。
選べるカレーはチキン+マトンを選択。
比較的マイルドで食べやすいチキン、しっかりパンチのあるマトンの対比が良い。それぞれ違う味わいで交互に食べても、混ぜて食べても楽しい。まさにこういうのが食べたかった。
タンドリーチキン(骨付き辛味チキン)とマライティッカ(辛くない骨なしチキン)の両方楽しめるのが嬉しい。辛いのと辛くないの、骨付きと骨なし、どちらにしても対照的。カレーを含め辛いのばかりだと逃げ場がなくなるところ、マライティッカがちょうど良い小休止になってくれるのもありがたい。
ナン、巨大。スペシャルランチだと小鉢のライスもついてくるのが日本人的にはナイス。
しかもナンはなくなりかけたらお代わりを促されます。一枚でもけっこう腹いっぱいなのにおかわりまで無料とは(食べた)。
こちらは五郎が食べていたベジタリアンミールス。スペシャルセットに負けぬ劣らぬ豪華さで、ベジタリアンっていうイメージにそぐわぬ大ボリューム。
なんだかすごいことになっちゃったぞ。
カレーは野菜カレーとサンバル(豆と野菜のカレー)。それに鋭い辛酸っぱさのラッサム(スープ)、この三種をいろんな食べ方で楽しむのが基本。
このミールスについてくるのはナンではなくパラタ。「薄く重ねて焼いたクロワッサンのようなもの」という説明があるけど、クロワッサンよりも弾力ツヨシくん。案外ナンよりもパラタの方が好きかも、俺。
これは「ワダ」。豆のペーストを揚げたものらしい。
二種類あって右側はちょっとさつま揚げっぽい感覚。左はトウモロコシの甘さを感じる。ちょっボソボソ、ボリボリしてて食べにくいけどチリソース的なタレやカレーをつけて食べるとガラッと変わる。もしかするとそうやって食べるのがワダの本領なのかも。
そしてこの巨大な丸は「パパド」。豆で作った極薄のせんべいで、とにかくパリッパリ。豆と小麦粉を材料にしながらこれだけ食感の違いを表現できるのがインド料理の面白さなのか。
ボリボリにパリパリにモチモチ。南インド料理攻略の楽しみが、だんだん解ってきた。
ミールスの食べ方はまだマスターしたとは言い難いけど、皿の上でちょっとずつ混ぜながら楽しむのが王道らしい。ということで小鉢ライスにカレーやラッサムを分量を変えながら混ぜて食べていくと、それぞれ単体で食べるのとはまた味わいが変わって楽しい。砕いたパパドを振りかけて触感をプラスしてやるのもまた良し。みんなで作り上げるチームプレーだ。
本来は平皿の上にライスを広げていろいろ混ぜるのが正しいんだろうけど、どうしてもこの茶碗っぽい小鉢の中で完結させたくなってしまう日本人気質。
ちなみにミールスではパラタではなくライスがお代わり自由になる模様。お代わりしたらさっきとはまた違う調合で、自分なりのブレンドカレーを追求していくわけです。
ミールスについてくるのはライタ…かと思ったら普通にヨーグルトでした。
以前はよくわかってなかったからデザートとして食べちゃってたけど、カレーに混ぜても味わいが変わるし、カレーの合間に一口食べて味覚をリセットするのにも使える。ヨーグルト、変幻自在。
ベジタリアンミールスもいいけど自分としてはちょっと動物性タンパク質が欲しい…と思って追加したベーコンチーズナン。チーズナンはよくあるけどベーコンも入ってるのは珍しい。
なんだかナンがナンっていうよりもピザか総菜パンっぽい感覚。インドが急に日常食に近づいてきた。
さらに、チキンビリヤニ。最近はインド料理の店に行くとカレーセットよりもミールスかビリヤニ頼みがち。
ミールスのライスは日本米だったけどビリヤニはちゃんとインディカ米。この細長いパラパラなライスが食欲を刺激するんだ。
ビリヤニにはヨーグルトじゃなくてライタがついてきます。これをビリヤニに混ぜて食べるのがうまいんだ。
ちょっと混ぜる程度じゃなくて、むしろ混ぜれば混ぜるほどおいしくなる。
デザートには「クルフィ」というインド流アイスを頼んでみました。
ピスタチオ味を選んだところ、アイスというよりは細かく砕いたピスタチオの食感が残っていて面白い。味もピスタチオそのまんま、濃い。普通の棒アイスみたいな見た目で侮ってたけど、インパクトあるデザートだった。
食後にはチャイ(ホット or アイス)がついてきます。
ホットチャイを頼むと、劇中にもあったように目の前で二つの容器に相互に注いで泡立ててくれます。これがかなり高いところから注ぐからそれだけで一種のエンタテインメント。
いろんなスパイスの刺激の後に、この甘ったるさが今は超うまい。落ち着くなあ。
新井薬師の南インドランチ、堪能しました。
いやあ、中野でこんな本格的なインドカレーの店を見つけられて、大収穫だ。
スパイスの世界って奥深い。ちょっとずつ、インド料理の神髄が分かり始めたような気がする。
ごちそうさまでした。
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