「これはもう、ベトナムに行けってことだな」
ドラマ『孤独のグルメ Season11』も早くも第5回が放送されました。今回の舞台は横浜市上飯田。Season11は第1話の善行・第4話の本厚木に続きここまで5話中3話が神奈川という。
私はもちろん放送前に現地で食べてきたのでその様子をレポートします。
第5話のサブタイトルは「神奈川県横浜市上飯田町のブンティットヌングとチャージョー」。久々に意味不明なタイトルキター!(笑)。過去にも「エマダツィとパクシャパ」とか「ケソ フンディードとピピアンベルデ」とかいう回があったけど、そういう聞き慣れない外国料理のサブタイトルはつい口に出して読みたくなります。
一口に横浜市と言ってもとても広くて、上飯田は大和市との市境近く。「横浜」のイメージとは全然違うのどかな光景が広がっています。横浜市内ということで同行したクマデジさんもこの南方のゆめが丘ソラトスまでは来るけどここにはまず来ない、とのこと。
独特の雰囲気が漂う団地エリアの中にあったのがアジア系の食品店兼ベトナム料理店の「タン・ハー」。
劇中で五郎も言及していたとおりこの周辺には他にもベトナム料理店が複数あり、中華街ならぬベトナム街が形成されている模様。隣の大和市には工場も多いし、そこで雇われている外国人労働者のベッドタウンにもなっているのでしょう。
ちなみに孤独のグルメでのベトナム料理はSeason4の蒲田回以来12年ぶり。ベトナム料理ってパクチーやナンプラーが苦手でなければ日本人の口に合うものが多くて、個人的にはけっこう好き。
お店の裏手には砂利敷きの駐車場あり。こちら側からも入店できます。電車でのアクセスが良い地域じゃないからクルマで来て裏口から入ってくるお客さんの方が多かったです。
放送前だけどランチタイムに来たら混みそうだったから我々は開店合わせ(10:00)で訪店しおました。
この感じ、いかにも東南アジア。リトルベトナムって感じだ。
開店一番乗りで入店できたからゴロー席を確保。店内は孤独のグルメ史上でもトップクラスにカオス(笑)。壁沿いが全て販売用のアジア食品の棚で、その真ん中に喫食用の長テーブルが2台設置されています。良くも悪くも飲食店っぽくない。
売られている食品の数々。それぞれが何なのか、わかるようなわからないような。
海外でも日本人居住者が多いエリアには日本食スーパーがあったりするけど、あれも現地人から見たらこんな風に見えているんだろうか。
ちなみに我々が食べている間にも近隣住民と思われるベトナム人が入れ替わり立ち替わり普通に買い物していました。
メニュー、かなり分厚い。けどちゃんと写真と日本語の説明もついているのが助かる。
しかしまあ、数が多すぎて決められない。考え込んだら底なし沼だ。
というより、ある程度決めてきてあってもメニューから探し出すのもひと苦労。それでも何とか目当てのものを見つけてオーダーしました。
ちなみに店員のおじさんは注文をベトナム語でメモっていたのですが、何故か春巻とかの注文で「本」という単位だけ漢字で書いてたな(笑
コップと取り皿はここからセルフサービス。
でも後で気づいたのが、取り皿といっても全部椀型の食器ばかりで平皿がなくて少し困った。それだけベトナム料理に汁ものや汁麺が多い、ってことだろうけど。
各テーブルに常備されているお茶。たぶんジャスミンティーの類いだと思うけど…正確なところはよく分からない。でも味は悪くないからいいや。
調味料は茶色い甘い系のソースと赤い辛い系のソース。赤いやつは「サテ」と書かれています。東南アジアだとインドネシアやマレーシア方面で「サテ」という串焼き料理がポピュラーだったりするけど、ベトナムで「サテ」といえばこっちのソースを指すっぽい。
ちなみに写真左の卵形の容器は何かと思ったら爪楊枝入れでした(笑)。てっぺんをプッシュしたら中からピョコッと出てくるタイプ。
ここで料理が運ばれてきました。まずはベトナム流揚げ春巻き「チャージョー」から。
これ、以前蒲田のTHI THIでも食べたことあります。日本で一般的に食べられる揚げ春巻きとは全然別モノ。ベトナムの魚醤(ヌクマム)をベースにした甘いタレにつけていただきます。
何これ!皮ヤバい。パリパリなのにやわらかい。
網目状のライスペーパーでできている皮が独特の食感を生み出しているっぽい。
中から出てくるのは豚肉や海老をはじめとしたいろんな具のうまみと、えも言われぬオリエンタルな風味。しかも甘いタレがバチンと合う。これは何というか、一度食べたらやみつきになる味。
対比するようにゴイクン(生春巻き)も食べるわけです。
こちらは日本人でもよく知った、安心感あるお味。でも日本で出てくる生春巻きはサッパリ系のタレ(ナンプラーを使いつつ甘辛いやつ)が多いから、茶色い濃厚甘口ダレで食べるのは新鮮。ピーナッツの香りも相まって、生春巻きなのに濃密。なにげにこれ気に入ったかも。
そして「ブンティットヌング」。ブンは米麺(≒ビーフン)のことですが、「ブンティットヌング」を直訳すると「焼いた肉の汁なし麺」くらいの意味になる模様。
想像してたサイズの1.5倍くらいの丼に大盛りで入ってきて驚いた。普通ならこれ一杯で腹一杯、あるいは他の料理と合わせて複数人でシェアするものなんじゃないの(二人で各一杯ずつ頼んだ)。
丼の上に盛り付けられているのは甘辛く炒められた豚肉に野菜類、パクチー、フライドオニオン的なものとピーナッツ。
彩りが爽やかでおいしそう。白くて細いブンの見た目も相まって、どことなくサラダ仕立てのそうめんのようでもある。
丼の下の方はこれ全部麺なのか!?とおそるおそるめくってみたら、底の方はレタスが敷き詰められていました。ちょっと安心(笑
我々はゴローと全く同じ勘違いをしていて、つけ麺的な食べ方で食べてしまいました(笑)。タレはかけて食べるのが正解だったか。
でもイイ!これ、なかなかいい。
魚醤の香りにパクチー、ピーナッツ。ベトナムだベトナムだ。一口ごとに微妙に味が違うのも面白い。
米麺だから麺なのに食感が軽いのもいい。それに野菜もたっぷりで、こんなに大きな丼なのにギルティさを感じないのも素晴らしい(笑
続いてバインシェオ(バインセオ)。劇中で他のお客さんが食べてたのをゴローがガン見してたやつ(笑)。お好み焼きのような、クレープのような不思議な見た目。でもこの黄色は明らかにうまそうだ。
そしてまたしても野菜たっぷり。ブンティットヌングで十分野菜を摂ったつもりなのに、まだこんなに出てきてしまった。
「バイン」って今までてっきりパンのことだと思っていたら、バインシェオは全然パンじゃない。調べてみたところバインってむしろ「粉もん」くらいの意味合いらしいですね。ならばこのお好み焼きやクレープの遠い親戚みたいな姿にも納得。
意外なほどパリパリに焼かれた黄色い皮を割ってみると、
もやしを筆頭にいろんな野菜と肉を炒めたものが包まれていました。
黄色い皮の部分が思ってたよりしっかり甘口なのが最初は慣れなかったけど、これもなかなか癖になる味。もやしのシャキシャキ感と肉のパンチ力もいい働きをしている。付け合わせの生野菜と一緒に巻き直して食べるとヘルシーな感覚にもなるし、これイイかも。普通の人ならこれ一品だけで満腹になりそうなボリュームがあります。
最後は定番のバインミー。バインミー好きだからこの店だとどんな味なのか気になってました。
先に一口食べたクマデジさんが「なんかコーヒーの味がする。しかも辛い」と言うから、辛いコーヒー味のサンドイッチなんてあるの!?と思いつつかぶりついてみたら、
…確かにそこはかとなくベトナムコーヒーっぽい風味を感じる。そして、第一印象はそうでもないのに後からしっかりとした辛さが追いかけてくる。そしてもちろんバインミーらしい、いろんな食材が折り重なった多層的な味がベースにある。
今まで食べたことのあるバインミーとは随分違う味だけど、これイイじゃないですか。キャラが立ってる料理、好き。
最初は少しお店の雰囲気に呑まれそうになったけど、結果的には楽しかった。
ただブンティットヌングは二人で半分こでも良かったかな…ちょっと苦しいくらいにお腹いっぱいになりました。
今まで食べたことのあるベトナム料理はまだまだベトナムの入口に過ぎなかった。ということを思い知るくらい、ディープなベトナム体験でした。
でも、ベトナム料理って他の東南アジア系に比べて辛いものは多くないし、ちょっと甘味強めなのが許容できれば出汁文化だから日本人にも馴染む料理が多いように思います。
ベトナム、奥深い。アジアは果てしない。
また時々思い出して食べたくなりそうな味だったなあ。
ごちそうさまでした。
























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