「確かにこの豚、メチャウマ」
千葉県いすみ市にある『孤独のグルメ』の名店、源氏食堂に久しぶりに行ってきました。
というのも、ネットニュースでこの店が4月末日をもって閉店することを知ったから。店主急逝により2019年に一度は閉店したけど市内の不動産会社が引き継ぐ形で三年前に復活したこの店が、再び閉店。あのいすみ豚の塩焼を最後にもう一度だけ食べたい…という想いで居ても立ってもいられず、東京駅からわかしおに乗ってやって参りました。
それにしても今年に入ってから九十九里に旭市に、なんか房総半島の東岸にばかり来ている気がする。千葉なんて普段は幕張か成田に行く程度なんだけどなあ。
大原の駅から徒歩2分。駅のホームからも見えるような位置関係にあるお店です。
11:20頃に到着したところ、テーブル席はあらかた埋まってました。閉店の報せを聞いて駆けつけたお客さんが多い模様。私は相席で座らせてもらいました。
見渡すとアジフライやラーメンといった定番料理を食べている地元民とおぼしき年配のお客さんと、豚肉塩焼を食べている四十~五十代男性という感じで客層が分かりやすく分かれている(笑)。塩焼を食べてる人は明らかに私と同類ですね。
メニューは…あれ?前回来たときはフルカラーで印刷された写真入りの立派なメニューだったのが、手書きのメニューに戻ってる。物価高を受けて価格改定する際にメニュー表にまでコストをかけられなかった、という感じか。でもこういう手作り感あるやつの方が最初の閉店前のお店のような味わいがあっていいような気もする。
なんかやけに充実してる麺類。以前からこうだったっけ?「源氏式担々麺」と「突撃タンタンメン」の違いが気になるし(後者の方が辛いっぽい?)、富山のご当地ラーメンであるはずのブラックラーメンが何故かこんなところにあるのも謎。でも昔ながらの店だと思っていたところが現代に至っても日々進化していることが感じられて、感慨深い。
ところで店内には、ドラマの中では登場しませんでしたが奥にかなり広い座敷席が存在します。
基本的には座敷は使わずテーブル席だけで営業しているようだけど、この日は混雑しすぎて座敷席も一部開放されていました。普段は大人数の宴会でも入らない限り使ってなかったんじゃないだろうか。
ちなみにこの日は本当に混んでいて、店員のおばちゃんたちがあまりに忙しそうだったから注文するタイミングを掴み損ねていたところにおばちゃんから「今日のお客さんみんな大人しいんだからもう!おっきな声で呼んでくれればいいのよ」と肩をパシィ!と叩かれました。常連客でもないのにこの距離感のおばちゃん、嫌いじゃない(笑
そして運ばれてきた豚肉塩焼定食。
おお、久しぶりのこの眺め。ある意味『孤独のグルメ』の王道中の王道定食。
ではさっそく、いただきます。
分厚いのにしっとり柔らかいポーク。もはやステーキと言ってもいいだろう。これが食べたかった!
経営が変わってもここまで以前のレシピを守り続けてきてくれたことに感謝したい。
ボリュームがあるはずなのに軽い食感。脂が重たくない。塩ダレの味付けもちょうど良い。
この店といいSeason10のビストロバイキングといい、やはり千葉は豚がうまい。孤独のグルメを通じて、自分の中では千葉の豚肉に対する絶対的な信頼が確立している。
付け合わせのキャベツにはフレンチドレッシングもついてきているけど、これはドレッシングに頼らず豚肉の塩ダレで食べられるでしょ。むしろそうやって食べるほうがご馳走まである。
また手作り感あるポテサラも実にいい。ポテサラがうまい店、信用できる。
お盆の上にはひときわ目立つ丸美屋のふりかけ。以前はなかったはずだけど、最近追加されたサービスなのかな?ちょっとしたことだけど、ちょっと嬉しい。
私はたらこだったけど、周囲をチラ見した限りでは他のお客さんは別のふりかけだったから何味が来るかはランダムっぽい。
最初は肉の味で白飯を食べて、その後ふりかけで…とやっていたらごはん不足になることは明白だったから最初にかけてしまいました。
大人になってからふりかけって滅多に使わないから、久しぶりのふりかけごはん。しかも定番の丸美屋、なんだか懐かしい感覚。
そして、せっかくだからサイドメニューも何か食べたい。やはり最後だから初心に戻ってゴローと同じくミックスフライでも頼むか?と考えていたのですが、
結果的に頼んだのはとんかつ単品でした(笑
いやあ…劇中でおばあちゃんがおいしそうにトンカツを頬張る様子があまりにもおいしそうで。以前から、豚塩焼と並んで食べてみたいメニューではあったんですよね。豚塩焼ととんかつはさすがに食べ過ぎかとは思ったけど、もう来れなくなっちゃうなら後悔はしたくない。
とんかつにつける調味料は岩塩ととんかつソースの二択。こういう昔ながらの店ならソース一択でもおかしくないところだけど、これは今の経営に変わってからのこだわりなんですかね。
とんかつは5切れあったから2切れは肉に直塩、3切れはソースでいただきました。ソースは最初にかけちゃって、徐々に衣に染みこんでいくことで食感が変わることを楽しむのが久住先生スタイル。
まず驚いたのが、肉が柔らかい!豚塩焼以上の柔らかさで「ふっくらしている」と表現したくなるほど。肉そのものを食べる塩焼とは違ってとんかつは衣で形象を保てるから肉はもっと柔らかくできる、ということなのか。
とんかつとは思えない軽い食感。これならおばあちゃんでも喜んで食べられるのは納得だし、サイドメニューとしても重すぎない。さすが、豚塩焼と並ぶこの店の看板メニューだ。
は~、大満足。またしても大原で、お~腹いっぱい。
会計の際に店員のおばちゃんから「ネット見ていらしたの?わざわざありがとうございました」と声をかけられました。閉店発表がネットニュースに取り上げられて以来、客足が絶えないんでしょうね。
それにしても、こんなにいい店がなくなってしまうことがつくづく惜しい。
ちなみに源氏食堂は二駅隣の長者町にも店舗があるから、その気になればそっちの店舗にまた食べに来ることができる…と思ったら、Googleマップの情報によると長者町店も閉業ということになっている模様(食べログには情報なし)。これで本当にこの味が失われてしまうとは…海の町に、絶望交響曲が鳴り響く。でも閉まるお店にも事情はあるし、外食業界は諸行無常。現実を受け容れるほかありません。
帰りは東京方面に戻る電車にギリギリになってしまい、劇中のゴローと同じように駅まで走る羽目に。でもその再現具合もまた聖地巡礼っぽくて、最後にいい思い出ができました。
お店の関係者の方々の今後のご健康とご多幸を心より祈っています。
本当にごちそうさまでした。

















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