「日間賀島、か。にしても、島とはね…」
ドラマ『孤独のグルメ Season4』聖地巡礼、今回はつい 10 日ほど前に放送されたばかりの第 5 話に登場した出張聖地・愛知県の離島、日間賀島(ひまかじま)まではるばるやって来ました。いつもなら、遠征系の聖地巡礼は最後のほうに行っていますが、島に行くならこの夏休みを利用するしかない!と思い、放送前に日間賀島でロケをやっているという情報が流れたときから計画を練っていました(笑。
Season2 の頃から、そのうち離島編はあるんだろうな、と思っていたけど、日間賀島という島自体、このドラマで取り上げられるまで存在を知りませんでした。いずれにしても、八丈島とかそういうハードルの高いロケ地じゃなくて良かった(ぉ
島に渡るルートはいくつかありますが、私は当然ゴローちゃんの足跡を忠実に辿るべく、知多半島の先端・師崎港経由での上陸。名古屋から名鉄で河和駅まで行き、河和からさらにバスで師崎港へという長い旅路を経て、観光船で日間賀島へ。
それが…、師崎港の船着き場には長蛇の列。これ、全部聖地巡礼のお客さんです(嘘
日間賀島は、劇中ではのどかだけど閑散とした離島として描かれていましたが、実態は完全なる観光地のようで、お盆期間中ということもあって観光客でごった返していました。ほとんどのお客さんがクルマで師崎港まで来ていたのか、道中、電車やバスはガラガラだったので、着いてみて驚きました。
観光船は時期的に臨時便をたくさん出しているようで、時刻表にない時間帯でも並んでさえいれば来た船には乗れる感じでした。オフシーズンは 1 時間に 1~2 本しかなく、電車やバスも頻繁に走っている地域ではないので、これから巡礼される方は綿密に行程を練った方が良いかと。
日間賀島、上陸。ほんの 10 分ほどの乗船で到着しました。
船はけっこうなスピードで移動するせいか、けっこう揺れます。なかなかスリルがあって面白いんだけど、船が苦手な人は揺れにくい後部に乗った方がよさげ。
島は、生活感というよりも観光色が強く、ちょっとした昔ながらのアミューズメントパークといった趣。
そういえば、私は離島って子どもの頃に石川県の能登島に行ったことがあるくらいで、大人になってからは初めてかも。なんだか楽しい。
井之頭五郎がたこめしに舌鼓を打ったお店は、日間賀島西港の船着き場のすぐ目の前。ピンク色の旅館の一階にある食堂でした。
この島、大きな旅館になるとお店専用の送迎線を持っているようで、この港にも「乙姫」の名を冠した船が停泊していました。
ん?乙姫様の店。竜宮城か。
こうなったら浦島になって、タイやヒラメの踊り食いだ。
日間賀島には開店 1 時間前に着いていましたが、ちょっと時間もあるし…と思って周辺を見て回っていたら、開店 20 分前には既に行列ができはじめていたので、慌てて並びました。こどグル効果というわけではなく、食事できるお店自体が少ないために観光客による開店待ちが発生していたようです。まあ、私以外にも巡礼っぽい人はちらほら見受けられましたが(笑
運良く一巡目で入店できたので、着席してさっそく注文。
メニュー。こちらは主に定食系。
観光地にしてはそれなりに良心的な値段ですかね。ま、伊勢海老とか鮑はさすがに高いけど。
こちらは単品&飲み物系。
はて、お目当てのたこめしが見当たらないぞ…?
と思ったら、ホワイトボードにありました。
でも、たこめしはあったけど、しらすの天ぷらはここにも記載なし。
念のため店員さんに聞いてみたら「できますよ」とのことだったので、しらすの天ぷらも注文。
一段落したら、料理が出てくるまで店内を見学します。
でっかい生け簀に、海の幸どっさり。さすがに島の食堂。
注文が入ると、おじさんが生け簀から魚や海老をおもむろに網ですくって持っていきます。
これ自体が、ちょっとしたショーみたいなもんか。
店内にも、島の時間が流れている。
おっ、きたきた。おお~。
まずは、赤くるま…じゃなくて、赤車(アカシャ)海老の塩ゆでから。
赤車海老、ってのも初めて聞いたけど、調べてみたら正式名称はクルマエビ科の「シロエビ」で、「赤車海老」は三河湾一帯における俗称だとか。名古屋名物・天むすに入っている海老も、この赤車海老。
ちなみに、富山湾で獲れる「白えび」はオキエビ科なので、全くの別物。勉強になるなあ…。
殻を剥いて、いただきます。
ほおぉ、この海老、味が濃い。ああ~、これ、塩加減がちょうどいいんだ。
殻剥き系の魚介類って食べると無言になっちゃうけど、これもひたすら無心に食べちゃう系。
いくらでも食べられる、日間賀の赤車海老。
続いて、大あさり焼。
おお、でかいなあ。
一つ食べてみると、これがまた、ぷりっぷり。一噛みするだけで、口の中に海の香りが広がります。
子どもの頃、家の近くの海で泳ぎがてら獲ってきた大きなあさりを、自宅でバター醤油焼きにして食べたのを思い出しました。海のうまさがギュッと詰まったあさり、うまし。
このつゆ、一滴もこぼすべからず。
つゆの中に、あさり本体以上にあさりのうまみが凝縮されています。これだけで、日本酒一合いけちゃう感じ。
うん、大あさり、大当たり。
それから、しらすの天ぷら。
一見、かきあげとか薩摩揚げ系に見える天ぷらだけど、よく見ると、確かに、おしらす。
大量のしらすをそのまんままとめて、揚げてあります。これに、塩をちょちょっと振って、いただく。
おっ、ふわっときた。なるほどね…。
見た目以上のさくふわで、やさしい食感。しらすって、こんなふわふわになるものなんだ。
そこに、しらすの魚味が追いかけてきて、俺は今、小魚の群れを丸呑みする大型魚類になっている。
天つゆや醤油じゃダメだな、これじゃ。絶対に塩がいい。
さて、本日の主役。〆のたこめしのご登場。
イカがなくても、いかにも島メシ。さて、島の本命メシ、いざ。
うんうん、嬉しくなる味。
シンプルなんだけど、その分たこのぷりっとした食感と風味がダイレクトに感じられてうまい。
もち米ってのも、妙に楽しい。
たこめしをもり立てる脇役たち。
この佃煮、隅に置けない味。
味噌汁は、愛知県だけあって、当然の赤出汁。
たこめしの味付けがあっさりめなので、こういう個性ある味の脇役たちが、いい仕事をするんだな。
あぁ~、食った。
海老、あさり、しらす、たこ。それぞれの漁師に感謝。
正直な話、この回は料理の絵面的に派手さがなかったので、来てみるまで不安半分でしたが、なんのなんの。海辺で生まれ育った私としては、こういうのこそ自分のルーツに近い味。帰省した直後ではあるけれど、懐かしい気持ちで、堪能させていただきました。
いい島メシだった。
ごちそうさまでした。
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