先日発表になったばかりの新 EOS を見に、品川のキヤノン S タワーに行ってきました。今週の CP+ ではたぶん人だかりで待たなくては触れない状況になると思い。それに対して、ショールーム(少なくとも品川)は平日の昼間であれば、発表直後の新商品であっても多くて 2~3 人待ちで触れるくらいには空いています。今回も、過去最大級の新商品発表にもかかわらず、5Ds には待ちなしで触ることができました。
これが 5,060 万画素のフルサイズイメージセンサを搭載した EOS 5Ds。といっても外観は 5D Mark III とほとんど変わらないため、現物を見てもそれほどの高揚感は沸きません(笑。
まあこのあたりになると高級品を買った感よりも優れた道具を手に入れた感のほうが強いので、大事なのは使ったときの馴染み感です。
5Ds に関しては、外観よりも実際にどういう写真が撮れるかで評価する必要がありますが、現時点では実機での撮影画像はお持ち帰りできないので、とりあえず外観だけ。
中身は 5D3 をベースとしつつ、7D2 に搭載された新機能を意欲的に取り込んできているので、機能周りはけっこう違います。個人的には、特に 7D2 で刷新された電子水準器表示がとても気に入っているので、これが移植されたのはすごく良い。5D3 では M-Fn ボタンを押している間しか水準器を表示してくれませんでしたが、7D2・5Ds ではファインダの上部に水準器を常時表示させておけるので、水平を取るのに手間取らずに済みます。撮影のテンポという点では、この一手間がけっこう大きな違いになってきます。
機銘板を除くと 5D3 との外観上唯一の違いは、レンズリリースボタンの脇にある筐体の出っ張り。5D3 の筐体そのままでは基板が入りきらなかったのか(大容量のメモリを搭載するため?)、あるいは端子周りの補強のためか。
ちなみにエンブレムの EOS 5Ds のロゴ、商品写真を見た感じではちょっと成金っぽいゴールドに見えて好きになれませんでしたが、実物はかなり淡いゴールド。光の当たり具合によってはシルバーにも見えるくらいのゴールドなので、これなら許容範囲かな。
ちなみに 5Ds R のほうは、シルバーロゴに「R」の文字だけレッド。個人的にはこちらのほうがソソります。ここまで高解像度になったらローパスなし(厳密にはローパスキャンセラーですが)の画質を堪能したい気がします。まあ、買えないけど(笑
続いて Kiss X8i。これ単体で見ると旧型とあまり変わり映えしないように見えますが、
モードダイヤルが左肩に移って「Kiss」のロゴがなくなっただけで、随分雰囲気が変わる 8000D。筐体は基本的に Kiss X8i と同じなのに、不思議なものです。
Kiss は最近の機種ではシボ調のラバーをふんだんに採用していて、Kiss ロゴさえ入っていなければエントリー機には見えないくらい質感が高いんですよね。マグネシウム筐体な上位機種ほどのソリッド感はありませんが、入門機として考えればこれで十分すぎるかと。
上面液晶に表示される情報は必要最低限、という感じ。
まあ私は設定の確認や変更は背面液晶+クイック設定ボタンで済ませてしまうことが増えてきているので、5D3 や 7D2 でも上面液晶はなくてもいいんじゃないかと思い始めていますが、まあこういうのは気分の問題で、ついてたほうがなんか嬉しいというものです(笑
8000D の背面にはサブ電子ダイヤルが搭載されていますが、上位機種とは違い方向キー(兼機能選択キー)を兼ねたもの。というかこれは PowerShot G7 X と共通のパーツじゃないですかね。
これはデフォルトでは露出補正ダイヤルとして動作しますが、これがあるとないとでは補正のしやすさが段違い。このあたりに Kiss とのペットネームだけじゃない違いが表れています。
ちなみに機銘板ばかりに注目してしまいますが(笑)、全ての文字がエンボスになっている上位機種とは違い、Kiss X8i/8000D では「EOS」のみがエンボスであとはプリントになっています。海外向けには 750D/760D という名前で販売されるので、プリントだけで作り分けられるように、ということでしょう。
PowerShot と共通のサブ電子ダイヤルといい、キヤノンのエントリー機種はどうやってパーツを使い回しているか、みたいな視点で見るとなかなか興味深いものがあります。一度メカ設計の方にこのあたりの細かい工夫について伺ってみたいところ。
そして EOS M3。今回の新商品で注目しているのは、5Ds よりもむしろ 8000D と M3 だったりします。が、実機をじっくりいじってみた方のレビューが既にあちこちで掲載されているので、詳細は丸投げ(ぉ
M2 までと違い、M3 ではカメラとしてちゃんとすることを志向したのか、サイズは一回り大きくなってしまいました。それが残念という人もいるでしょうが、個人的にはこのグリップ形状はなかなかよく考えられていて、できるだけ出っ張りを抑えた中で絶妙な握りやすさのバランスを狙ってきています。NEX-5 あたりのグリップ形状とはまた違った方向性の握りやすさ。
2 台あった展示機は両方とも外付け EVF を装着した状態で置かれていましたが、まあ投げ売り状態の旧型を買わずにあえて M3 を狙う人なら EVF 使用が前提でしょうね。初期ロットには+3,000 円で EVF がついたモデルも用意されるようですし。
モードダイヤルと露出補正ダイヤルは、もう去年くらいからミラーレス中上位機種の標準装備という感じになりました。個人的にはアサイナブルでない露出補正ダイヤルが再びここまで市民権を得るようになるとは思いませんでしたが…。
それはそれとして、モードダイヤルの脇に添えられている電源ボタンがあまりにも小さくて押しにくい。これがこの機種の最大の欠点ではないかと思うくらいです。
自分撮りに対応したチルト液晶は、手前に引き出すと液晶がバネの力でスッと少し下にずれるという凝ったギミックを備えています。180° チルトする際に液晶の端が本体に隠れないようにという配慮でしょう。
こちらはブラックカラー。PowerShot N を彷彿とさせる光沢塗装のホワイトに対して、こちらは一眼レフのレザートーンっぽい塗装で、男の道具感満載。一眼レフのサブとして使うなら黒一択、という感じで、マウントアダプタ経由の EF レンズ使用にも似合いそうです。
ちなみに操作感というか AF 速度ですが、どんな被写体にもスッ、スッと合ってくれて気持ちが良い。とはいっても従来の EOS M/M2 比での話なので、これくらいならイマドキのミラーレスは大抵実現しているレベルではあります。ただ、今までは EOS ユーザーでもサブ機に M を買うのはやや抵抗があるレベルだったのが、EOS のサブ機として買っても不満がないレベルになったという点では、EOS ユーザー的には大きいかな。初代 M のときにこれくらいの完成度で出ていてくれたら…と思わずにはいられませんが、堅実な選択肢のひとつであることも間違いありません。
ところで新レンズである EF11-24mm F4L が見当たらない…と思ったら、今のところ銀座と梅田にしか展示していないようですね(´д`)。これは CP+ で触れるといいなあ…。
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