「どうする?何を食おうか、何を食うべきか」
昨夜放送された『孤独のグルメ Season7』中野百軒横丁の回。我々取材班は今回も事前巡礼するため中野駅北口、食のジャングルの奥地へと飛んだ。
が…、
え~っ、材料切れ!?
そりゃないぜ。
店内は見るからに常連さんでいっぱい、しかも場所が場所だけに撮影の目撃情報もけっこう出回っていて、放送前なのに「ここがその店か」という感じで通り過ぎていくお客さん多数。
外から覗き込んだ感じだと、マスターもいっぱいいっぱいな雰囲気。こどグルの聖地はもともと知る人ぞ知る名店であることが少なくないけど、特にこの店は放送前からこんな感じで、放送後はどうなっちゃうんだろう…と心配になりました。
まあ入れないものは仕方がない。
放送後の混雑が落ち着いた頃に、できれば早い時間帯に改めて来るしかないか。
そうと決まったら…腹が、減った!
この周辺で他にうまい店といえば…、
駅の反対側にあるこの店。ちょっと遅い時間になったこともあって、運良く空いてました。
ここでいい。いや、ここがいい。
腹の虫たちも狂喜乱舞している。
こないだ来たばかりだから続けざまに同じ店になってしまうけど、ここの中華は本当においしいからモウマンタイ。
例によって青島からスタート。
もうけっこう暑いのもあるけど、中華料理って日本のビールよりもこの軽いビールのほうが合うんだよなあ。
ビールのつまみはスペアリブ。頼んだらすぐに出てくるのがありがたい。
甘酸っぱい濃厚なタレが肉にしっかり馴染んで、骨にこびりついた筋の一本まで残らずうまい。
からの、おつまみセット。
内容は日替わりのようで、こないだ来たときとは微妙に違う。でもうまい。
この豪華な一皿が ¥500 なんだもんなあ。
近くに住んでたら、毎日でもこのおつまみセットとビールだけひっかけて帰るところだ。
そして白切鶏(バイツェーチ)。
柔らかい蒸し鶏にパクチーとニンニク醤油、ただそれだけなのに箸が止まらなくなる。まさにシンプル・イス・ベストだ。
パクチー、ニンニクに、鶏が全然負けてない。
これはもはや、棒々鶏と双璧をなす中華蒸し鶏の大定番として、俺の中に位置づけられた。
これはたまらん、ビールでは追っつかんぞということで紹興酒。
グラスでも足りないに違いないというわけでボトルでいっときます。
日替わりメニューから空心菜の炒め。
空心菜って季節モノだけど、個人的な経験では旬の時季にちゃんとメニューに載せてくる店は当たり率が高い。
普通の青菜炒めと違って茎の空洞にまでタレが絡んでおいしいんだよなあ。
箸をつけていると、厨房の中からマスターの「アツアツ、おいしいでしょ!」という声。
うん、うまい。おいしいです、ほんとに…これ。
ものの一分で一皿空いてしまう勢いで食べてしまった。
ここに来たら絶対外せないのがレバニラ炒め。歴代の聖地巡礼の中でも、俺の心をガッチリ掴んで離さない料理の一つと言えよう。
濃厚なタレ、火加減が絶妙なレバー、そしてニラの風味と食感。こないだ食べたばかりでも、何度食べてもうまい。
恐るべし、レバニラマジック。
そういえばこの店でまだ食べたことがなかった、麻婆豆腐。
というか、麻婆豆腐の話をしていたところでおかみさんがすかさず「麻婆豆腐食べる?」という、Amazon も顔負けのサジェスチョン。
オーソドックスな麻婆豆腐だけど、麻と辣、辛味とうま味のバランスがちょうど良くて、間違いなくうまい。
これまた毎日食べても飽きなさそうな麻婆だ。
焼豚とレタスの炒飯。
これまたオーソドックス、正統派の上海家庭料理。
変に気取らず、等身大なんだけどちゃんとしてる。この店の料理って全部そうなんだよなあ。だからこそ繰り返し来たくなる。
でもってトマト卵炒め。これも王道の中国家庭料理。
ふわとろの甘口卵、子ども心を呼び起こされるような味だ。
ここの料理、中華料理屋に来てるというよりは、上海出身の穏やかなマスターとおかみさんの家に招かれて料理を振る舞われてるような気分になる。そんな温かみのある時間を過ごしている。
ナンプラーとアンチョビの焼そば。
初めて来たときにも感動したけど、この魚介の風味が活きた奥行きのある味。エビのちょっと焦げた部分にそのうま味が凝縮されてる感があって、焦げを見つけるとちょっと嬉しくなってしまう。
さらに麺に麺をダブらせにいく、ごま醤油和えメン。
これこないだも食べたところだけど、ごま油と醤油、それに焦がしネギが三位一体となって、さらにたっぷりごま油のパンチが効いたインパクトある味。
ここまでたくさん食べたはずなのに、まだ入る余裕があったのかと我ながら驚くほどに、胃のスキマをこじ開けてくるうまさ。
デザートはごま団子。ごま風味の白玉餡団子、上海ではこのスタイルが標準らしい。
ほんのり甘くてもっちりとしたデザートが、食後の満足感を後押ししてくれる。
確かな満足、またしてもおいしかった。
本来の目的の店には入れなかったけど、それでも良かったと思わせてくれる宴だった。
蔡菜食堂、自分の中ではもうすっかり定番店のポジションを占めてしまった。
中野に来たなら必ず立ち寄ってもいいくらい、おいしいし寛げる店。
ごちそうさまでした。
必ずまた来ます。
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