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東京都中央区日比谷 銀座の Bar のロールキャベツ定食

「考えてみたら、ロールキャベツってなかなか置いてる店がない」

意外にも日比谷公園でのカットから始まった『孤独のグルメ Season8』第 3 話。長く続いているこのドラマシリーズでも、ここまで東京のど真ん中でロケが行われた回もほとんどありません。今回は久しぶりの日比谷~銀座エリア、よく知っている風景が画面に映るとちょっと嬉しくなるものです。

それにしても、昼間っからみんなのんびりしていて、なんか羨ましいなあ。
ここんところムチャクチャ忙しかったから、疲れが溜まってる。

今回の目的のお店は日比谷から銀座方面に向かって歩いて行く途中にあります。銀座数寄屋橋近く、泰明小学校向かいあたりにあるごく細い路地。この奥の、さらに地下一階にある店舗です。

「怪しげな路地…得てしてこういうところに名店があるんだ」

とはゴローちゃんのセリフですが、こんなところにある店をよく見つけたものだと番組スタッフの努力には感嘆するばかりです。お店のチョイスに驚くことの多いこのドラマの中でも特にマニアックな立地。

B1、この階段か?
ホントにこんなところに洋食屋があるのか?

と疑いたくなるような地下の入口。看板が控えているからここで間違いない。
放送直後ということもあるし、放送後から「二回転制で一日 10 名+10 名の計 20 名限定」という営業スタイルになってしまったため、これはそうとう早くから並ばなければ食べられないのでは…とダメモトで来てみたところ、11:30 の開店に対して平日 10:45 頃に到着したらまだ誰も並んでいませんでした。立地と人数制限的なハードルが高いことと料理がガッツリ系ではなかったことで、ガチの巡礼者くらいしかまだ来ていないということでしょうか。

11:20 を過ぎた頃、お店のママさんが看板を出しに来て開店。その頃には 11:30 の回の上限 10 名を超える行列ができており、最後の方のお客さんは「13 時にまたいらしてください」となりました。

四馬路(スマロ)

私は一番乗りだったためカウンターの最奥に着席。
この席、ママさんの仕事ぶりがよく見えていいじゃないの。

ママさんはドラマの通りよく喋る。室井滋さんのあの演技が本当に見事だったのが分かります。
でも、ご本人はあのドラマの室井滋の雰囲気よりは品のある感じ。伊達に長年銀座でバーやってるんじゃないな。

ドラマの通り、ママさんはちょっとしたことでいっぱいいっぱいになるため、お冷やを入れるのもおしぼりや食器を配るのもお客さん同士の助け合い。
初対面同士にもかかわらず、店内、妙な一体感。

満席にもかかわらずひっきりなしにお客さんがやってきて、中には外国人のお客さんもちらほら。
ママさん、英語で受け答えしていたのに驚きました。

なんか、不思議な人だなあ…どんな過去を持っているんだろう。

着席してからの待ち時間はけっこう長いけど、ママさんの仕事を見守るように眺めるのも悪くない。
なます、やたら背が高いと思ったらああやって盛り付けていたのか。なんかドラマよりも高くなってないか?(笑

着席から 30 分、ついに俺のロールキャベツが出来上がった。

どーーーん。

でかい、相手にとって不足なしだ。
トマトの存在がいい。

そういえば、松重さんはドラマ初期の頃から番組スタッフにロールキャベツが食べたいとリクエストし続けていたらしいのですが、Season8 にしてようやく念願が叶ったことになります。逆に言えば遂に番組スタッフのお眼鏡にかなうロールキャベツが見つかったということでもある。そんなロールキャベツ、どれくらいおいしいのか。

意を決して、いただきます。

おっ。んん?甘いなあ。
なんだろう、不思議な甘さなんだけど、むちゃくちゃうまい。

テレビの前で見ていたときは、こういう店のお母さんが作るんだから甘みがあって緩くやさしい味なんだろう…と想像していました。
果たしてそれは半分は正解だったけど、半分は間違いだった。

甘いんだけど甘いだけじゃなく、程良い酸味に黒胡椒のアクセント。
やさしいんだけどやさしいだけじゃなく、いろんな味がギュッと凝縮されたような濃いめの味付け。

これは驚いた。今まで食ってきたロールキャベツとは似て非なる味わい。
ロールキャベツを食べて目から鱗が落ちる思いがしたのは初めてだ。

ロールキャベツからの紅白なます。これってどうなの。

正月以外になますを食べるなんて滅多にない体験だけど、ここのはなぜかおせちのなますとはちょっと違う感じ。
確かにこれならロールキャベツの箸休めにも悪くない。

そして味噌汁。
具は日替わりのようだけど、この日はワカメに豆腐、じゃがいも。

ママさん、味噌汁を作りながら「これセブンイレブンの豆腐なんだけど、ちょとハマッちゃって」ってオイ!!(笑
初めての客にここまでぶっちゃけちゃって良いのか?
これはドラマ以上にご本人のキャラが面白い(笑

サイドをぐるっと一周して、改めてロールキャベツに戻ってきました。

この甘くて酸っぱくて濃い味、本当にいい。
スープも甘いが、その甘うまさがすごくご飯に合う。メシがグイグイ進む。

ロールキャベツ、俺、大好きだ。この感じ、忘れてた。

想像以上にご飯を誘うロールキャベツに、途中でライスが売り切れ。
そこでおかわりをいただいて…やることと言ったら当然、ロールキャベツ丼。

スプーンでワシワシ食べるロールキャベツ丼、最高!
キャベツと肉、そしてスープ、ご飯。このうまみに満たされた一体感。

は~~~、これは幸せなロールキャベツだ。

ああ、本当においしかったな。
胃袋も心も温まりました。

このロールキャベツを一度食べたら、他の店ではもう食べれんぞ。
きっと定期的にむちゃくちゃ食べたくなるであろう、忘れがたい味。

ママさん、しばらくは忙しいだろうけど、身体に気をつけて多くのお客さんにこの味を届けてあげてください。
私もきっとまた食べに来ようと思います。

ごちそうさまでした。

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ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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