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東京モーターショー 2019

遅ればせながら、東京モーターショーに行って来ました。

TOKYO MOTOR SHOW

東京モーターショー 2019

[ Sony α7 III | Zeiss Batis Sonnar T* 85mm F1.8 ]

初めて Batis 85/1.8 をまともにポートレート用途で使った…。

TMS といってもマイカーを持っていない私は市販車にはあまり興味を持っていないので、主にテクノロジーの進歩とその社会実装的にどうかという視点といちモータースポーツファン的な視点で見てきたわけです。なので一般の自動車メーカー関連の話は他の方にお任せします。
しかし今回の TMS は海外系自動車メーカーが軒並み出展見合わせで出ているのはメルセデスと日産の親会社としてのルノーおよびアルピーヌくらいのもので、展示内容がかなりドメスティックに寄っているのを門外漢の私でも感じるほどでした。業界イベントとしての重要性はもはやアジア圏では上海/北京モーターショーのほうが高いとも言われています。

東京モーターショー 2019

まずお邪魔したのはデンソーテン(二年前に富士通テンがデンソー傘下入りして改名)ブース。ショー全体としてカーオーディオ系の出展が少なかった中、数少ないオーディオ機器の展示をしていたブースでした。

ディスプレイ自体がスピーカとして音を発することができるヘッドユニット(テレビでもソニーの OLED BRAVIA で似た方式が採用されていますね)と、運転席/助手席それぞれに指向性をもたせたデュアルツィータのデモ。いずれもドア横の埋め込みスピーカ単体よりも定位が向上することを狙ってのものですが、ディスプレイスピーカはともかくデュアルツィータは良し悪しかな、と感じました。

東京モーターショー 2019

デンソーテンの向かいには親会社のデンソーも出展。コネクテッド技術を使った未来の自動運転カーのイメージデモを行っていました。

こういう未来志向の展示は自動車メーカーも含め多くの出展社が行っていましたが、ふんわりしたものが多くて具体的に商品化されていくイメージに乏しいなあ…というのが個人的な感想。2020 年以降を視野に入れてコネクテッドカーや自動運転、カーシェアリングが当たり前になった未来を描いてみせた前回の TMS の焼き直し感が強く、まあ安全性や道交法などハードルは多いとはいえまだまだコンセプト先行で実装が追い付いていないのかな、と感じました。まあ自動車業界は五年十年単位での仕事ですからね…。

東京モーターショー 2019

アルパインを吸収合併したアルプスは「自動運転車時代のカーシェアリングはこうなる」というコンセプトで、電子ミラーをはじめ車内のあらゆる部分にディスプレイを配置し、さまざまなセンサやスマホと連携してドライバー(あ、運転しないからパッセンジャーなのか)をアシストする車内環境のデモを行っていました。アルパインを吸収したのは今後カーナビ系の技術や開発リソースをこっち方面にシフトさせていくということなんでしょうね。

東京モーターショー 2019

この TMS 期間中にホンダ系サプライヤ数社との経営統合が発表された日立オートモティブシステムズ。今年も VR を使った自動運転車のデモを行っていましたが、ざっと見た感じデモ内容は去年とほぼ同じだったような…?機材が Galaxy S7+Gear VR から Oculus Go に変更されているようでした。確かに Oculus Go のほうが安いしこういうイベントには向いてますよね。

東京モーターショー 2019

合併したメガサプライヤ系といえば、マニエッティ・マレリを買収してカルソニックカンセイから社名変更したマレリ。マニエッティ・マレリといえばイタリア系のサプライヤで長年フェラーリの F1 マシンにロゴが掲げられていた印象が強いですが、その流れを汲む会社のブースで長年のライバルであるマクラーレンの F1 マシンが展示されるとは、なかなか複雑な気持ちです。
この車体は今年のカラーリングが施された MCL34 のカルロス・サインツ車とのことですが、ノーズの形状からすると 2015 年仕様をベースとしたショーカーでしょう。

東京モーターショー 2019

と思ったら、ちゃんと正直に「repainted MP4-30 2015」の文字が(笑。
もっと言えばエンジンカウルの形状が MP4-30 の本戦仕様とは異なるので、これはおそらく 2014 年の MP4-29 をベースにフロントノーズだけを 2015 年の序盤戦仕様に置き換えたショーカーだと思われます。もしかすると 2015 年にホンダ関連のイベントで展示されていたショーカーそのものが巡り巡ってここに展示されたのかもしれません。元々はメルセデスエンジンを搭載していたクルマにホンダを経てルノーのロゴが貼られて展示される、というのも数奇な運命ですね。もしかすると二年後にはまたこのショーカーにメルセデスロゴが貼られて展示されるのかもしれません(笑

東京モーターショー 2019

そしてホンダブース。ミニバンとワンボックスばかりの市販車コーナーはスルーして(ぉ)Honda Racing コーナーへ一直線。

今年はホンダがレース活動を始めて 60 周年にあたるメモリアルイヤーであり、例年にも増してレース関連の展示が充実していました。

東京モーターショー 2019

まずはここからホンダのレース活動が始まった原点、マン島 TT レースに出場した RC142。ホンダロゴも WING マークも今の形とは違うあたりに、まだまだ企業としての黎明期にあったホンダの不安定さと情熱みたいなものを感じます。

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ホンダの二輪と言えば印象深いのがこのロスマンズカラー。個人的にはロスマンズはセナが最後に乗ったウィリアムズ・ルノーのイメージのほうが強いですが、それを差し置いてもこのロスマンズの青×白×金のカラーリングはカッコいいですよね。

東京モーターショー 2019

そして F1 の展示はリッチー・ギンサーがメキシコで初優勝を飾った RA272 から。

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続いてシーズン 16 戦中 15 勝を記録した 1988 年のマクラーレン・ホンダ MP4/4。ホンダのレース史上でも伝説となったマシンだし、あのセナが初めてのチャンピオンを獲得したクルマでもあるし、ホンダブース内でも最大の人だかりができていました。

東京モーターショー 2019

第三期 F1 の RA106。セナ亡き後、久しぶりに私に本気で F1 観戦をさせてくれたのがこの頃のホンダ F1 なわけで、不遇の時代と言われようとも個人的には思い入れが強い。

そういえばこのマシンで第三期唯一の優勝を記録したジェンソン・バトンは今季限りでの SUPER GT 離脱を発表しましたね。来季の活動はまだ公表されていませんが(子供が生まれたからしばらくは家族との時間を大切にするのかな)、今後もホンダ・ファミリーのドライバーとして応援させてほしいものです。

東京モーターショー 2019

昨年のトロロッソ・ホンダ STR13。
来シーズンのトロロッソは「アルファタウリ」に改名し、もしかするとカラーリングも変更になるかもとのことですが、この若々しいメタリックブルー×メタリックレッドの配色が気に入っていたので、来年のカラーもこういうわ縦育成チームらしさを感じさせてくれるものになることを期待します。

東京モーターショー 2019

最新のレッドブル・ホンダ RB15(ショーカー)。
第四期初優勝マシンでもあり感慨深いクルマではあるんですが、以前青山で見た通りこのショーカーは一部あるいは全部がモックっぽいのが残念なところ。本物らしさという点では先ほどの STR13 のほうがよっぽど実車のリアリティがあり、見ていてグッときます。
RB15 も今シーズンが終わったらちゃんと実車がショーカーとして展示されるようになるのかなあ。

Honda Racing の歴代車は今までにも何度も見たことがあるものばかりでしたが、これだけ一堂に会して見られるのはツインリンクもてぎのメモリアルホールにでも行かない限りないので、都内でこうやって見られるのは貴重な機会だったと言えます。今年は TMS は全体的に目新しい内容が少なくて残念でしたが、これを見れただけでも行った甲斐があったというものです。

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