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F1 レッドブルがホンダ PU 継承を正式発表

レッドブル、2022年以降もホンダ製PU使用継続で合意。新会社レッドブル・パワートレインズ設立し、PUを自社運用へ

先週末に F1 コミッションで 2022 年からのパワーユニット開発凍結、および新 PU レギュレーション導入の一年前倒し(2025 年からの導入)が可決されたことを受け、レッドブルがホンダ撤退後に彼らのパワーユニットを引き継いで 2022~2024 年の 3 シーズンを戦うことが正式に決定しました。同時にレッドブルが子会社として「レッドブル・パワートレインズ」を設立し、ホンダに代わってこのパワーユニットの運用を行っていくことが発表されました。

このプラン自体はホンダが第四期 F1 活動の終了を発表した直後から噂が立ち始めたものの、ルノーをはじめとするライバルチームの反対もあって難航していました。しかし新たに F1 グループの CEO に着任したステファノ・ドメニカリ(フェラーリの元チーム代表)が賛意を表明したことで大きく前進し、ようやく決定にこぎ着けました。
ホンダの F1 撤退自体は今でも悔しいし納得いかない部分はあるものの、ホンダ/レッドブル双方にとって現状考えられる最善の着地点にたどり着けたのではないでしょうか。また今季 F1 デビューする角田裕毅のことを考えても、撤退後も何らかの形でホンダ PU 搭載車で戦ってくれることは喜ばしい。しかし 12 年前にもホンダ撤退後にチームとマシンを継承したブラウン GP がいきなりダブルタイトルを獲得した前例があるだけに、今回も同じようなことが起こり得る状況には正直微妙な気分です。

レッドブルの発表にある中で気になるのは、レッドブル・パワートレインズが負う役割はパワーユニットの「運用」と定義されている点。レッドブルのプレスリリース原文には具体的な表現がないので何らかの憶測、あるいはインサイダー情報に基づく報道である可能性もありますが、これは実際のところ「2022 年以降も撤退時点での仕様でホンダがパワーユニットの製造を請け負ってレッドブルに販売し、レッドブル・パワートレインズはその現地組み立てと調整およびレース運用を行う」ということなのではないでしょうか。ホンダ製 PU といっても実際の部品の多くは日本国内のサプライヤーに外注しているはずで、レッドブル・パワートレインズがそれらの国内サプライヤー全てと契約して個別に(しかも三年間の期間限定で)発注するのは非現実的。おそらくホンダは今後三年間 F1 には直接名前を出さない代わりにキャッシュアウトもしない形で F1 に関与することになるのではないでしょうか。もしかすると田辺 TD をはじめとするホンダ側スタッフの一部はそのままレッドブル・パワートレインズに移籍、あるいは出向するのかもしれません。

仮に上記のような体制が本当だったとして、個人的にはホンダと F1 の関与が本格的に切れてしまう前に経済状況が好転し、2025 年からの新レギュレーション導入のタイミングに合わせて再び F1 の表舞台に戻ってきてくれることを願っています。が、その前にまずは今年のラストシーズンで悲願のチャンピオン獲得と、角田裕毅が早い段階で表彰台争いに絡める速さを発揮してくれることに期待しつつ、応援していこうと思います。

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