ハンガリーGP決勝:ハミルトンが今季3勝目!アロンソは4位 (GPUpdate.net)
マクラーレンチーム内の確執がいよいよ本格的に火を噴きはじめたハンガリー GP は、アロンソの 5 グリッド降格処分によって PP を得た(とはいえ、アロンソの妨害がなければ自力で獲っていた可能性も低くない)ハミルトンが、ライコネンの度重なる追撃を躱しながらポールトゥウィンで優勝。ホイールベースの短さ(=回頭性の高さ)、この週末を通じてのスピードからしてマクラーレン有利だろうなと思っていましたが、ピット戦略も今回はマクラーレンに分があり。ライコネンに追い立てられながらも危なげない走りで、トップ争いには比較的見せ場は少なかったですね。前回「ライコネン vs. ハミルトンのチャンピオン争いが見たい」と書いたんですが、その割には盛り上がらなかったなあ、と・・・。
それにしてもマクラーレン。アロンソによるハミルトンへの予選アタック妨害事件は、予選後にロン・デニスに首根っこを捕まれていたアロンソの個人トレーナー(スペイン人)あたりが首謀した可能性こそあれ、ニュルブルクリンクでのやや強引ともとれる追い越しを見ても、ヒールっぷりがだんだん板についてきたような雰囲気すら漂わせてますね。見方を変えれば去年までは 2 位でも良しとして最終的なチャンピオンシップだけにこだわっていたのが、今年は最強のライバルをチームメイトに迎えて「とにかく勝ちにいく、例え勝てなくても目先のポイントを 1 点でも多く」という貪欲な姿勢を隠さなくなってきたような気がします。まあ、ハミルトンもハミルトンで、ロン・デニスの指示を初めて無視して自分の走りを優先し、いよいよワールドチャンピオンの獲得にハッキリと照準を合わせてきたともいえ、ニュルでの「洗礼」である意味どこか吹っ切れたのかもしれません。
マクラーレンのチーム内が 2 つに割れていることだけでなく、近年の F1 でも最大の問題となっているステップニーによるスパイ事件、カスタマーカー騒動など、スポーツとは無関係な政治的ゴタゴタが続いていてイヤになりますね。ハンガリーでの FIA の裁定(アロンソの 5 グリッド降格とマクラーレンのコンストラクターズポイント非加算)も根拠が曖昧で、公平なものというよりは二強のコンストラクターズポイントの差を縮めることでチャンピオンシップを演出したいという意図がミエミエ。渦中の人物で言えば、予選直後に激昂していたロン・デニスだけが、ただ強いチームを作りクリーンなレースをしたいという純粋さをもってグランプリに臨んでいるように見えます。まあ、「最強のマシンと最強のドライバーを揃えてチーム内でも競争させることによって高みを目指す」というその方法論自体が、セナ・プロ時代から続くドライバー間の確執を生んでいるのも、また事実ではありますが・・・。
ともあれ、もうシーズンも後半。フェラーリは速さが足りなかったり速くてもトラブルが起きたりで、二人が揃って上位フィニッシュできないレースが続いています。次戦イスタンブールから上海までの 5 戦は比較的高速なサーキットが多く、信頼性さえ確立されればフェラーリにも巻き返しのチャンスはまだあるはず。チャンピオンシップは相変わらずハミルトンが逃げを打ってますが、以降はちゃんとレースでもっと盛り上がってほしいところです。
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