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ドット絵風 HD-2D SRPG『TRIANGLE STRATEGY』体験版

先日の Nintendo Direct で発表され、即日配信が開始されたスクエニの SRPG『トライアングルストラテジー』の体験版をプレイしてみました。

プロジェクト トライアングルストラテジー

TRIANGLE STRATEGY

『オクトパストラベラー』を生み出したスクエニの浅野プロデューサーチームがおくる HD-2D ベースのシミュレーション RPG、とくれば期待するなというほうが無理な話でしょう。『オクトラ』同様のドット絵風 3D グラフィックを使って『タクティクスオウガ』『ファイナルファンタジータクティクス』のようなシミュレーションバトルが楽しめる新作。言われてみれば、オクトラのヘビーなシナリオと世界観、それにドット絵ベースのグラフィックのどちらも『タクティクス』シリーズとの相性が良すぎる。『タクティクス』シリーズの松野泰己は本作には関わっていないようなので全くの別物ですが、根底によく似たものが流れているのを感じます。

ちなみに浅野チームはオクトラのスマホ版である『大陸の覇者』以外にもコンソール版の新作を手がけているという話は以前からあり、私はてっきりオクトラの続編が Switch で出てくるものとばかり思っていたのですが、おそらく本作がその新作にあたるのでしょう。

TRIANGLE STRATEGY

物語はとある大陸上で「塩鉄戦争」と呼ばれる大戦が終結し、いったんは平和が訪れた世の話。しかしその平和はかりそめに過ぎず、かつて争った三国がそれぞれに覇権を求めて再び戦乱が始まろうとしている状況にあります。『オクトラ』の経験からすると無数の騙す者と騙される者、利用する者とされる者が織りなすシナリオが展開されるに違いありません。そうそう、こういう SRPG が久しぶりにやりたかったんですよ。シリーズものの SRPG として今でも続いているファイアーエムブレムの世界観はなんだかんだ言って温い…。

TRIANGLE STRATEGY

本作の美術は『オクトラ』や『ブレイブリー』シリーズの生島直樹氏と思われます。浅野チーム+生島氏の組み合わせはもはや DQ、FF に続くスクエニの次世代 IP 開発チームとして確立した感がありますね。

ということは音楽もオクトラに引き続き西木康智氏なのかな?と思ったら雰囲気が随分違う。調べてみたところ千住明氏とのこと!大御所じゃないですか。純音楽や映画・ドラマの劇伴で有名な作曲家ですが、ゲーム音楽はこれが初めてじゃないでしょうか?数は多くないけどアニメの劇伴も実績があって、私が観たことある作品だと『機動戦士 V ガンダム』と『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』。スケールが大きくて悲劇的な作風という意味では本作と共通点があります。

TRIANGLE STRATEGY

実際のゲーム画面は明らかにタクティクスシリーズの系譜。斃れているキャラクターの周囲に血が飛び散っている表現がなかなかエグい。

なお体験版はゲーム序盤ではなく 6~7 章に相当するシナリオを部分的にプレイできるようになっているとのことで、ストーリーの文脈は詳しくは分かりませんが期待通り裏切りや謀略が飛び交う重たい世界観になっている模様(笑。

TRIANGLE STRATEGY

体験版にも関わらず登場人物は非常に多く、主人公チームはあるけどシナリオ的には群像劇の形になっていることが分かります。キャラクターが多いとストーリーを進めている間に「これ誰だっけ?」となることも少なくないところ、本作ではプレイ中に X ボタンを押すことでその台詞を喋っているキャラクターの概要を表示してくれるのが地味に助かる。

しかしこのキャラクター、仮面をかぶった CV:子安武人の義に篤い強キャラってどう見てもゼクス・マーキスです本当にありがとうございました。

TRIANGLE STRATEGY

このゲーム、敵側に属するキャラのデザインが分かりやすく悪そうなのが妙に面白い(笑。
オクトラみたいに味方だと思っていたキャラに裏切られるとけっこうしんどいけど、ここまであからさまだと逆に興ざめな気も…製品版では良い意味で予想を裏切る展開(いかにも悪そうなキャラだったけど実は…という)があってくれてもいいんですよ。

TRIANGLE STRATEGY

ゲームはマップ上のイベントを選択することで進んでいきます。赤いマーカーが主に主人公たちが関わるメインストーリー、緑が「一方その頃」的なサブストーリー。一つの物事を多面的に見れる形になり、ますます群像劇的。こういう見せ方をするということは、やはり裏切りや謀略が多数絡んでくるということでしょう。

TRIANGLE STRATEGY

バトルパートのイントロが明らかにタクティクスのそれ。シリーズとしては別物だけど狙っている客層がハッキリしていて良い。
基本的にはドット絵に見えながら、背景に見える水面のパーティクルの美しさがオクトラから続く HD-2D の良いところ。もう最初からこのタイトルのために HD-2D が開発されたんじゃないかとさえ思えてきます。

TRIANGLE STRATEGY

この高低差のあるマップ!これですよ。タクティクスシリーズ系の SRPG は階段状のマップこそ楽しい。
高低差のあるマップでは飛び道具が強いとか、ターン制ではなくキャラクターごとの素早さによって行動順が決まるとか、慣れ親しんだタクティクスシリーズの操作系がほぼそのまま持ち込まれていて懐かしいと同時に嬉しくなります。

TRIANGLE STRATEGY

敵ユニットを味方ユニットで挟み込んで攻撃すると追撃(二人で挟み撃ち)が発生し、敵に大ダメージを与えることができます。この考え方は今までにはなかったような。
この戦法は強い反面、攻撃対象以外の敵ユニットに対して背中を見せるリスクも高まるわけで、いろいろと考えながら戦わなくてはなりません。

TRIANGLE STRATEGY

体験版の時点で多くのユニットを扱うことができますが、とりあえず現時点では装備の変更やジョブチェンジはできませんでした(ジョブチェンジできるのかも不明)。攻撃や回復ではなくほぼバフ/デバフ専門のユニットもいたりして、脳筋ゴリ押し戦略(戦略?)ではバトルに勝つのは難しそう。体験版のバトルは難易度が少し高めに設定されていることもあり、けっこう歯応えのあるバトルが楽しめました。
でも味方ユニットは戦闘不能=即死亡というわけではないんですね。戦闘不能になるとバトルから離脱するもののユニットとしては生き残っている模様。シナリオ上いなくなると話が進まないからこうなっているのかと思われますが、「戦闘不能=シナリオ上の死亡」が当然なファイアーエムブレムシリーズをしばらくやっていた感覚からするとちょっと緊迫感には欠けます。

TRIANGLE STRATEGY

シナリオパートではドット絵風キャラがグリグリ動いて芝居するのが素晴らしい。オクトラもドット絵キャラに芝居をさせることに命を賭けてるところがあったけど、それは本作でも引き継がれているようです。

TRIANGLE STRATEGY

なおストーリーはマルチシナリオっぽい感じ。しかもシナリオの分岐はプレイヤーが能動的に選ぶのではなく、主人公を含む味方キャラクターの投票で決めていく仕組み。明らかに君主と臣下の身分がある封建制っぽい世界観の中で平等に投票で決めるというのはちょっとおかしな感覚ですが、主人公の行動や選択によって仲間の投票の動向が変わっていくというのは『タクティクスオウガ』に存在したシナリオ分岐システムに似たところもあり、きっとこれもタクティクスを下敷きにしたのだろうと想像されます。

TRIANGLE STRATEGY

少なくとも体験版レベルでは仲間の投票を誘導するのはさほど難しくありませんでしたが、製品版では複雑なフラグ管理等が導入されるのでしょうか。

TRIANGLE STRATEGY

なおプレイヤーの行動次第で途中から志願して加入してくるキャラも変化する模様。この行動は自分の信念に反するけど強キャラが欲しいからわざとこっちを選ぶ、みたいなプレイスタイルも生まれそう。

TRIANGLE STRATEGY

とりあえず体験版をサラッと一周プレイした限りでは、世界観やゲームシステムはほぼ期待通りと言えそうです。同様の SRPG としては既に『FFBE 幻影戦争』もリリースされていますが、こちらはやることが多すぎてとっちらかってる印象を受けたのとバトル画面がうるさくて疲れるのとで早々に離脱してしまいました。懐古趣味かもしれませんが、SRPG にはやはり HD-2D のようなシンプルな UI かつコンソールゲームのほうが合っているんだろうと思います。

気になったのはロードが多い作りなのにロード時間が長いこと。これは Switch 自体のストレージが遅いのもあるのでストレージを高速化した Switch の上位モデルをそろそろ出してほしいところではありますが、ソフトウェアの作り込みで改善できる部分もあると思うので製品版までには是非とも軽減してほしい。
あと、SRPG だからある程度しょうがないのですが、バトルのプレイ時間が長くなりがちなので少しまとまった時間が取れないとプレイしづらいこと。1 プレイ 15~30 分くらいで話を少し進められるくらいのほうが気軽に進められてありがたいんですが、今の感じだとバトル一本+前後のイベントを含めて 1 時間くらい必要な印象。平日にあまりゲームできない社会人としては、ちょっとずつでも進めやすい形にしてほしいところです。

とはいえ全体としては期待しかありません。スマホの『オクトラ大陸の覇者』のほうはそろそろダレてきたところなので、本作の来年発売という時間軸はちょっと待ちきれません。まずは続報を楽しみに待ちたいと思います。

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