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Chromebook Detachable CM3 で使える Android アプリ

先日購入した Chromebook Detachable CM3 ですが、ぼちぼち使っています。

ASUS / Chromebook Detachable CM3

まあ購入直後に M1 iPad Pro が発表されて、案の定そっちが気になっているんですけどね(;´Д`)。

私はタブレット環境としては iPad Pro/mini の二台体制でほぼ満足していて、Chromebook を購入したのは

  • GIGA スクール構想で学校にも導入された Chromebook というプラットフォームへの技術的興味
  • Android タブレット代替として iPad ではできない使い方をカバーしたい

という二つの理由から。後者に関しては店頭展示を見に行ったときに自分が使いそうなアプリがインストール可能かどうかまではチェックしていたのですが、実際にインストールして使えるかどうかを改めて確認してみました。

■Netflix

私にとって最近タブレットでの主要アプリケーションになっている VOD。Netflix は何事もなくインストールして使うことができました。

が…、動画再生も問題なくできるものの画質がイマイチ。どうやら SD 解像度でしかストリーミングされないようです。
アプリの設定画面を見ると、最大再生解像度が SD になっていました。

おそらく Android 版アプリではタブレットサイズのデバイスでの再生を想定していないようで、スマホサイズを前提に SD 解像度に制限しているということなのでしょう。一方 iPad では当然のように HD で再生できています。

しかし Android アプリではなくブラウザで Netflix を利用すると、こっちでは HD でストリーミングできました。
Netflix は基本的にクラウドに接続して使うサービスなので(一応ダウンロードしてオフライン視聴する仕組みはあるけど)わざわざアプリを使う必要性も薄いため、これはブラウザベースで使うことにします。

■DAZN

私が使う VOD サービスはほぼ Netflix か DAZN という感じ。特に DAZN は F1 観戦時にテレビで国際映像を、手元のタブレットで F1 ZONE(国際映像のほかにタイミングモニター、オンボード映像、トラッカーが一覧できる)をチェックするのに使っています。

こちらは Netflix とは違って Android アプリでも HD ストリーミングが可能でした。

が…、F1 の場合はヨーロッパ制作の 720/50p ソースが使われることが多いのか、そもそもの映像の解像度が低い(´д`)。iPad で使っていてもちょっと物足りないと思っていたので、こればっかりは Chromebook のせいではありません。
まあなんとか文字も判読できるレベルではありますが、1080p で送出してくれませんかね。

■Video & TV SideView

これも基本的には問題なくインストールして使えるのですが…、モバイル視聴すると(ネットワーク越しかおでかけ転送かを問わず)再生画面上のプログレスバーが表示されっぱなしになるという不具合あり。
調べてみたところこれは Chromebook 固有の問題というよりはスマホでも機種やアプリバージョンの組み合わせによって発生する(そしてバージョンアップで解消されるケースもある)問題らしく、現在のバージョンが Chromebook Detachable CM3 に最適化されていないだけと思われます。

ちなみにネットワーク経由でのモバイル視聴は快適視聴(低解像度)だとそれなりにサクサク動きますが、720p だと再生開始までに時間がかかったりコマ落ちしたり、なかなか難しい。おそらくグラフィック性能不足でレンダリングが追いつかないということなのでしょう。

■Kindle (および Sony Reader、ActiBook)

Kindle は拍子抜けするほど普通に使えています。電子書籍アプリは VOD と並び私にとって重要なアプリケーション。

他にタブレットで使っている電子書籍はソニーの Reader と三栄書房の F1 速報/auto sport 電子版なのですが、前者は Chromebook では Android 版アプリがダウンロードできず(ブラウザで読むことは可能)。後者は Android/iOS 版アプリが存在するもののまともに使えずブラウザで直接読むか PDF をダウンロードするしかありません。前回書いた通り Chromebook Detachable CM3 では PDF のレンダリングが遅すぎて使い物にならないので、事実上ブラウザで読むことになります。VOD と違って電子書籍はオフラインで読みたいことも多く、出張があるときには電子書籍を買い溜めて行ったりもするので、これは痛い。電子書籍を重視するなら iPad のほうが良いですね。iOS も Apple の都合で決済と閲覧が別枠でしかできないのが死ぬほど使いにくいですが。

■Imaging Edge Mobile

ソニー製カメラからスマホ/タブレットに写真を取り込んだりリモート撮影するためのアプリ。これが使えれば撮影からレタッチまで PC レスでできるところですが、Chromebook Detachable CM3 ではどうやってもワイヤレスでの取り込みができませんでした。(NFC がついていないので)QR コードと SSID 直打ちを試したのですが、複数のカメラで試してみても全くダメ。これは残念…。

なんか今回試してダメだったアプリが軒並みソニー製なんですけど、いくら正規の Android 端末ではないとは大丈夫なんでしょうか(´д`)。

■Lightroom

これはさすがに Chromebook の性能では厳しいだろうなと思っていました。が…、少なくとも編集画面でパラメーターをいじっている限りはほとんど重さを感じません。スライダーを左右に動かしてもそこそこリニアに表示が追随してくれるし、PC で編集しているのと大きく変わらない操作感。
もしかすると Chromebook のローカルプロセッサーじゃなくてクラウド側のプロセッサーで処理して、その結果だけを表示に反映しているんですかね。だとするとこのレスポンスの良さも納得です。

しかし編集した画像の書き出しにだけはそれなりに時間がかかります。ローカル CPU でレンダリングしているのか、それともクラウドでレンダリングしていてもファイル転送に時間がかかっているのか分かりませんが、2,000 万画素クラスの RAW の書き出しで数十秒。外出先で急ぎで現像したい写真数枚程度ならばまあ許容範囲ですが、二桁になると持ち帰って作業したくなるレベルです。
それでも事前には編集すらストレスフルで使い物にならない状態を想像していたので、これならば用途限定で使える、という感触。

■Photoshop Express

Lightroom が実用になるなら Photoshop Express は当然のように使えます。
スマホ版の Photoshop Express は PC 版よりもお手軽編集に最適化された UI なので私は Lightroom のほうが合っている気がしていますが、それでも Android 版アプリの UI がちゃんとタブレットにもある程度最適化されているのにちょっと驚き。

■ATOK

ATOK はインストールができて使えます…が、使えるのはタブレットモードのときだけでデタッチャブルキーボードを装着すると標準キーボードが優先され、入力方法の選択肢から ATOK が消えてしまう(キーボードを外すと復活する)という謎仕様。デタッチャブルキーボードが売りなのにそれで ATOK が使えないのはとても痛い。まあ標準日本語変換の効率もそれほど悪くないのですが、どうせなら ATOK 使いたかったなあ…。この実装方法を見るに ATOK 側のアップデートで回避するのが難しそうなのがまた悩ましいところ。

■WordPress

この blog の執筆に使っている WordPress の Android 版アプリも普通にインストールできました。でも UI はスマホ前提でタブレットサイズはあまり考慮されていない模様。またエディター機能も UI があまり好みじゃないんですよね(それでも iOS 版よりは遙かにマシだけど)。
これもわざわざアプリを使う必要性が薄いので、普段はブラウザベースで使ってオフラインで書きたいときにだけアプリを使う、という使い分けをしようと思います。

というわけで、アプリによって使えるものと使えないものが明確に分かれる結果になりました。使えない(実用に足りない)ものは Chromebook だからというよりそもそもアプリが Android タブレットを想定していないのが要因というのが現在のタブレットの実情を表していると言えます。
iPad と比べて良いところと悪いところもあるけど、全体的に言って Chromebook にできて iPad にできないことはあまり多くありません。同じ値段を払うなら一世代前の無印 iPad を中古で買ってキーボードをつけたほうが満足度は高いはず。
でも個人的には、キー配列やショートカットキーが Windows に近い Chromebook のほうが物書きには使いやすいかな。iPad との使い分けは、今しばらく試行錯誤してみようと思います。

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