おめでとうマックス!おめでとうレッドブル!おめでとうホンダ!
マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンが同点で迎えた 2021 F1 最終戦アブダビ。予選から決勝にかけて本当にいろんな出来事があり、観る方としても 2~3 レース分の体力を使ったレースでしたが結果はファイナルラップにフェルスタッペンがハミルトンをオーバーテイクして優勝、そのままドライバーズチャンピオンの座を射止めました。実際のところ決勝レース全体の 90% はハミルトンが支配しており、何かアクシデントでもなければマックスに逆転の目はない…と思われたところでのセーフティカー。それでも最後のチェッカーが振られた瞬間に最も多くのポイントを獲得していたドライバーがチャンピオンであり、今シーズンのマックスはそれに相応しい走りをしていました。
■マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
今シーズンはとにかく一貫性のない、スポーツよりも興行を優先しているとしか思えないようなスチュワードの裁定に塗れたシーズンでした。今回のレースに限ってもハミルトン有利になったオープニングラップでのコース外走行お咎めなし裁定や、対してマックス有利になった最後のラスト 1 周でセーフティカー解除(しかも周回遅れはハミルトンとフェルスタッペンの間のクルマだけ SC オーバーテイク可)など客観的に見て違和感のある判定が多々あり、チェッカー後にモヤッとした感情があったのは事実です。個人的にはマイケル・マシは更迭してほしい。
まあ最終的にレース展開と裁定がフェルスタッペン有利に働いたのは事実ですが、今シーズンに関してはシルバーストンとハンガロリンクでフェルスタッペンがそれぞれメルセデスに「撃墜」された不運もあったわけで、ある意味差し引きゼロ。何れもシーズン最多となる 10PP&10 勝を記録したフェルスタッペンはチャンピオンに値すると思います。メルセデス+ハミルトンも本当に強かったししたたかだったけど、2005 年にシューマッハー時代が終わりを告げたように「時代の変わり目」を F1 というスポーツ自体が求めた結果なのかもしれないと思っています。
■セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
ドライバー・オブ・ザ・デイは引退レースとなったライコネンに与えられましたが、個人的にはこのレースでの DotD はペレスだったと思います。レース中盤で見せたハミルトンを抑え込む走りは今シーズン最大のハイライトの一つと言って良いでしょう。ほぼライフが尽きかけているソフトタイヤで新品ハードを履くハミルトンを 3 周にわたって抑え、10 秒以上あったハミルトンとフェルスタッペンの差を一気に 1 秒にまで詰めさせた。あれがなければ終盤の VSC と SC 時にフェルスタッペンがタイヤ交換する隙も生まれなかったわけで、このレースにおける最大の功労者がペレスだったと思います。また最終盤にはハミルトンを抑えた際に PU に負ったダメージが顕在化し、自身が SC 導入の契機となってフェルスタッペンのチャンスを奪うリスクを避けるために戦略的にリタイヤ。とにかく徹底して献身的なチームプレイが印象的でした。本当にレッドブルはペレスを採って良かった。
■ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
フリー走行からイマイチ噛み合わず、予選 Q2 落ちの 12 番手スタートからの 5 位フィニッシュ。最終順位だけはいつもの付近に戻ってきているけど、スタート位置を考えれば決勝でのガスリーはいつも以上に素晴らしい仕事をしたと言えます。あまり映像に映らなかったのが残念ですが、来季も引き続きガスリー+角田というラインアップで挑むアルファタウリは今度こそコンストラクターズ 5 位以上を狙っていけるのではないでしょうか。
■角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
今シーズン初めて、フリー走行から決勝まで全セッションでガスリーを上回り、今季最高(かつ日本人ドライバーのルーキーイヤーとして最高)の 4 位でフィニッシュ。3 位との差も 0.5 秒にすぎず、最後の SC 終了があと 1~2 周早ければ表彰台もあり得たと言っても過言ではありません。
本当に終盤戦の角田はフリー走行から予選までの組み立てがうまくなり、あとはレースで全てを噛み合わせるだけ…という状態でしたが最終戦にして見事にそれをやってのけました。そういえば去年の F2 でも途中までは波があったけど最終戦の仕上がりっぷりだけは異常だったんだった。でも F1 に上がってたった一年でここまで成長したのは改めてすごい。来シーズンは開幕からガスリーと互角の勝負をしていってくれることに期待です。コンスタントに入賞し、年に何度か表彰台争いに絡むレースを見せてくれれば、2023 年のレッドブル昇格も見えてくるはず。まあ来シーズンはシャシー規定の変更でチーム間の勢力図がどう変わるか分からないため、そううまくいくとも限らないわけですが。
というわけで、2021 年の最終レースが終わってしまいました。それと同時に、ホンダワークスとしての第四期 F1 活動も終了。個人的には 1991 年のセナ以来 30 年間信じて(途中、セナの没後にシューマッハー時代が到来してから全戦は観なくなった時期もあったものの)応援し続けてきたので、このドライバーズタイトル獲得と撤退は嬉しさと淋しさの両方で何と表現したら良いか分かりません。第二期ラストランを観に行った鈴鹿。なかなか勝てなかった第三期。撤退後のブラウン GP の活躍。第四期前半のマクラーレンとの暗黒時代。そしてそこからの台頭。本当に長かった…。
ホンダのことだからきっとまた F1 に戻ってきてくれると信じています。来年以降の HRC 体制でレッドブルとの関係を維持しつつ、2026 年の新エンジン規定導入とともに再びレッドブル・ホンダとして戻ってきてくれるのがベストなんですが、どうなるでしょうね。まずは来季のレッドブル/アルファタウリ+HRC を引き続き応援していきたいと思います。
山本 MD、田辺 TD をはじめホンダスタッフの皆さん、本当におつかれさまでした。最後に長年の夢の実現を、ありがとう。
コメント
マックスの冷えたタイヤでの追い越しにヒヤヒヤしました。
最終コーナーでもちょっとリアが出てヒヤッとしました。
メルセデスが勝つチャンスがあったとしたら
マックスと同時ピットインでしたかね。
レッドブルは今回マシンでは劣っていたけど,
攻めた戦略で勝てて,奇跡を呼び込み,最高にかっこよかったです。
コメントありがとうございます。
ファイナルラップは軽く当たりそう(当たった?)な場面も何度かあってヒヤヒヤしましたね。
メルセデスの敗因はステイアウトしたことでしょうが、あの場面で先頭を走っていたら先にピットインして相手にステイアウトされる(トラックポジションが入れ替わる)リスクは採れないと思います。
いずれにせよ最後まで諦めずに攻めきったレッドブルとマックスが勝利をたぐり寄せたレースでしたね。
来年はホンダはいなくなりますが、クルマも一変して勢力図も変わりそうだし、引き続き応援しようと思います!