「いわし職人、おそるべし。ならばこっちも、思い切って懐に飛び込んでいこう」
というわけで、再びの大井町。昨年職場が変わって以来、なかなか会えなくなっていたクマデジタルさんが仕事で近くに来ているとのことで、久しぶりにお誘いしてみました。お店は昨年末に巡礼したばかりの大井町のいわし料理店。
今回もけっこう混んでいましたが、カウンター席が空いていたので、カウンターに座らせてもらいました。前回の座敷は気兼ねなく料理写真が撮れる環境で良かったけど、ドラマの雰囲気を味わうならやっぱりカウンターですね。
まずは瓶ビールでお疲れさま。前回とは違うお通しですが、これもこれでビールに合う。
ちなみにカウンターの席は劇中で激辛激飲みムスメたちが座っていた席でした。狭い店内に椅子がぎゅうぎゅう詰めで並んでいるところに、巨漢二人で座ってすみませんでした(ぉ
今回は、前回とは違ったメニューを中心に攻めよう。まずはいわしの天ぷらから。揚げたてです。
いわしを一尾まるごと揚げた天ぷらで、いわしの旨味が衣の中にぎゅっと凝縮されています。いわしの天ぷらって初めて食べたけど、これはうまい。食欲を立ち上げていくのに最適な酒菜。
続いて、いわしのつみれ焼。これもまた、この上なくシンプルないわし料理。その分、いわしそのものの味が満喫できます。
つみれだつみれだ。いかにもいわしって味だ。これまたビールが進むなあ。
そして、さんまの一味焼。いわし屋に来ていわし以外の魚介を頼むという暴挙に(笑。
このあたりは仕入れ状況に応じて変わるその日のおすすめメニューというところでしょうが、これもピリ辛でうまい。さんまといえば刺身かシンプルに塩焼きと相場は決まっているものと思っていましたが、こういうのもアリ。大アリク(ry
珍味系に続きます。鯨ベーコン、こういうのがメニューに並んでいると頼まずにはいられません。イルカ・クジラ漁に対する外国からの批判が取り沙汰されている昨今ですが、食は文化だ。モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。
さておきこの鯨ベーコン、臭みがぜんぜんなくてうまい。鯨肉の力強さと、とろける脂身のコンビネーションで、これもビールによく合います。
よし、エンジンがかかってきたぞ。ここで本命中の本命、いわしの刺身だ。前回も食べたけど、ここの刺身は本当に美味しい。下駄の上にずらりと並べられたたくさんのいわしは、見ているだけで嬉しくなってきます。
いわしの刺身って、うまいよな。この小さい身にどうしてこれだけの脂が乗っているんだろう、というくらい、とろける食感と脂の甘味がたまらない。
さあ、どんどん食べよう。
これはもはやいわしどころか魚介でさえありませんが(笑)、メニューの中で魅力的な響きを誇っていた「鶏肉だんご揚げ」。シンプルながらも正しいビールのつまみ、という感じで、はふはふ言いながら食べるのが楽しい。こういうのでいいんだよ、こういうので。
私の中で刺身に並ぶこの店のヒット商品、いわしの沖なます。細かく刻んだ生いわしに葱や味噌、生姜などを混ぜ込んだもので、醤油をたらさなくても深い味がついていて、うまい。やっぱりこれは酒もいいけど白いごはんが欲しくなるなあ。もう、箸が止まらない。
止まらないついでに、激辛一味焼もいっときますよ。だってここは激辛激飲みムスメ席。これを食べて飲んでナンボですよ(ぉ。
前回食べたときは見た目ほど辛くないな、と感じましたが、今回は前回よりも辛かった(笑。日によって唐辛子の量が違うのか、それとも自分の体調によるものなのか。でもこれでもうビールが止まらなくなり、何本目かの瓶ビールが空いてしまいました。
ビール瓶が空になったのを契機に、焼酎お湯割りに移行。仕切り直して、いただきます。飾り気のないガラスコップに焼酎のお湯割り、こういうおやじくさい飲み方でいいんですよ(笑
このへんで他のお客さんが何組か帰り、厨房が落ち着いたのか、それまで寡黙に料理を作り続けていたマスターとおかみさんの口数が増え始めました。
劇中でベンガル演じるマスターが「極度の人見知りなんですよ。初めてのお客さんだと、最初の十秒は何にも喋れないんですよ」という冗談を言っていたのはまだかわいいほうで、マスターがカウンターのお客さんとしょうもないやりとりを交わした後、おかみさんが冷静に突っ込む、というスタイル(笑。料理してる姿からは、こんなキャラだとは思えませんでした(^^;;
テンションが上がってきたところで、チーズロール。
ほっほ、ホクホク。うまっ!やっぱりこれ、うまい。いわしの旨味とチーズの相性が抜群です。
いつ見てもインパクトの強い、つみれステーキ。やっぱりいわしはこういうシンプルな食べ方で、いわしそのものの味を満喫するのがいい。
最後はいわしのスタミナ焼で〆。これで明日からまたがんばれます。
相変わらずいわし料理はとても美味しかったけど、今回はそれ以上に楽しかった。やっぱりこの店は、座敷よりもカウンターですね。カウンター楽しかった度合いでいうと、根津の特辛カレーと中津のたこ焼きに匹敵する楽しさです。
大井町のディープなエリアに位置するお店だけに、一見さんっぽいお客さんはまず見かけず、昔からの常連さんとドラマを観て来たお客さんで占められている感じ。マスターとおかみさんから撮影の裏話もいろいろ覗えました。
Season3 最終話でこのお店が取り上げられたきっかけは、もともと監督(溝口憲司監督と思われる)が数年前からこの店の座敷でよく飲んでいたから、だそうです。テレビ出演にあたっては、近くの店のおやじさん(ブルドックと思われる)がとんねるずの『きたなシュラン』に出たら忙しくなりすぎて入院してしまったと聞いたけど、自分の店は以前『アド街』に出ても全然忙しくならなかったからテレビったって大したことない、どうせ深夜番組だし、と思ってたらとんでもなかった、とか(笑。いわしの水揚げで値段が違うので、高価い日はあまり仕入れたくないけどお客さんが来てくれる限りは赤字でも仕入れなきゃいけない、でも本当に大変だったのはきっとおれよりも河岸のおやじのほうだろう、みたいな話とか。Blu-ray BOX の特典映像にも同じ話が一部収録されていますが、やはりご本人の口からいろんなエピソードを交えて聞けるのが嬉しい。でも、話の内容以上にマスターとおかみさんの人柄に触れられたのが嬉しかったですね。ドラマ放送長後は本当に大変だったようですが、それでもどんなお客さんでも満足してもらいたい、という姿勢がにじみ出ていたように感じられました。本当は、多すぎないお客さん相手に軽口叩きながらマイペースで料理を作りたいんだろうなあ、とは思いますが(笑。
ごちそうさまでした。個人的に、この店はドラマに登場した中で最もアクセスしやすい場所にあるので、また仕事帰りとかにちょくちょく来たいと思います。一緒に行きたい人募集中(ぉ。
コメント
いつも、楽しく、拝見させて、おります。いわし料理の、だるまや、さんの、マスターは、30年以上前に、茅場町の、ある寿司屋で店長を、なさっていませんでしたか?自分は、その店で働いていた者です。昔の事なので、記憶が、定かでは、ないのですが、その
寿司屋を、お辞めになって、だるまや、さんを、オープンなさったのでは、ないですか?自分は一度だけ、だるまや、さんへ、行った記憶が、あるのですが、いかがなものでしょうか。写真を見て、マスターの面影が、ありましたので、メールしたしだいです。もし、
その時の、店長だったのなら、是非とももう一度伺いたく思っております。たしかマスターの名字は、山口様と記憶しております。昔話で申し訳なく思っておりますが、何とぞ教えて頂きたく、思っております。宜しくお願いします。
お世話様です。その後、孤独のグルメを、見て、自分が、思って
いた、店長さんだと、確信しました。今度、尋ねてみたいと、思います。ありがとうございました。
コメントありがとうございます!
私はだるまやさんには何度かお邪魔して、マスターともお話をしたことがあるのですが、残念ながら昔働いていたお店のことは伺う機会がなかったのですが、当たりだったようで何よりです。この記事が縁ある方との再会に繋がるのであればこんなに嬉しいことはありません。
私も久しぶりにあのいわし料理食べたくなって来ちゃったなあ。今度行ってみようと思います。