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PC 用「TwonkyManager」を試す -DLNA アプリ「Twonky」レビュー (2)

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Twonky のレビュー、第 2 回目です。

イベントで主に取り上げられたのは Android 版アプリでしたが、その前に PC 版アプリを見ておいたほうが理解が深まると思うので、まずは PC 版から。

さらに前提知識として、DLNA で使用する 4 種類のデバイスクラスについて、以下に簡単にまとめておきます。

  • デジタルメディアサーバー(DMS)
  • コンテンツを溜めておき、下記の DMP や DMR に配信する機器。文字通り「サーバ」。PC や NAS などの機器が該当。

  • デジタルメディアプレーヤー(DMP)
  • DMS のコンテンツを再生するための機器。テレビやゲーム機などが該当。

  • デジタルメディアレンダラー(DMR)
  • DMS のコンテンツを再生するという点では DMP と同じだが、DMP は自分で操作用の UI(画面など)を持っているのに対して、DMR の操作は外部から行う。最近のテレビや高機能な AV アンプに内蔵されている機能。

  • デジタルメディアコントローラー(DMC)
  • その DMR の操作を行うのが DMC。DMS のコンテンツを一覧表示して再生したいものを選び、DMR に送り込むことができる。今後はスマートフォンやタブレット PC が DMC の主流になっていく、かも・・・。

といったところで、アルファベットの 3 文字略語だらけでこんがらがってきそうですね(´д`)。DMS と DMP は今までの DLNA でも一般的だったので知っている人も多いでしょうが、DMR と DMC は比較的新しい概念なので、あまり知られていないと思います。

今回はまず、ホームネットワーク上で扱うコンテンツは多くの人が PC に溜めていると思うので、PC 用の Twonky アプリケーションを解説してみます。

まず最初に Twonky アプリのダウンロードから。といっても、ダウンロードサイトは日本語ではないので、いきなり敷居が高いです(´д`)。日本におけるホームネットワークの敷居を下げたかったら、まずこういうところから手をつけたほうがいいと思いますよ・・・>パケットビデオさん。
トップページから辿っていってもいいんですが、迷いそうなのでズバリ試用版のダウンロードページへのリンクを張っておきます(今後リンク先変更により繋がらなくなる場合があるかもしれないのでご注意を)。

Twonky Suite Media Manager :: Connected Home :: TwonkyManager: Try It

Twonky のアプリケーションにはいくつも種類があって分かりにくいですが、Windows 用であれば「TwonkyManager」を選んでおけば、DMS・DMP・DMR・DMC 全ての機能が入っています。残念ながら TwonkyManager は Windows 版だけのようですが、DMS 機能を持った TwonkyServer は Mac/Linux 版、DMC 機能を持った TwonkyBeam は Mac 版も存在しているようです。
TwonkyManager は有償(US$19.95)ですが、まずは 30 日の期限つきの試用版でいいでしょう。

ダウンロードサイトが英語でちょっとヒヤヒヤするかもしれませんが、インストールはちゃんと日本語対応。基本的には何も考えずに「次へ」をクリックしていけば OK です。

セットアップの完了画面で「Internet Explorer 用の TwonkyBeam をインストールする」のチェックボックスはオンにして、TwonkyBeam をインストールしたほうがいいでしょう。IE を使わない人であれば、Firefox 版や Chrome 版の TwonkyBeam を別途ダウンロードしてインストールすれば OK。

セットアップがひととおり完了したら、デスクトップ上に作成されている「Twonky Manager」のアイコンをダブルクリックすれば、TwonkyManager が起動します。
PC の環境によっては、起動時に何度かファイアウォールソフトが通信の許可を尋ねてくるので、許可してあげましょう(遮断すると TwonkyManager が正しく通信できないので注意!)。


TwonkyManager の画面右上あたりにある歯車のアイコンをクリックすると、設定画面が表示されます。いくつかのタブに分かれていますが、1 枚目は「製品」タブ。ここでライセンスキーを入力すると、フルバージョン(製品版)にグレードアップできるようです。
また、私が何台かのマシンにインストールしてみたところ、PC 環境によっては英語版でセットアップされてしまうことがありましたが、ここから言語を変更することができました。

「プレーヤー」タブでは、同一ネットワーク上に存在する DMR を自動認識して表示してくれます。「プレーヤー」というタブ名ではありますが、おそらくここに表示されるのはレンダラー。ここ、混乱しそうなので注意が必要です。
この画面上では 2 台の TM Player(TwonkyMedia Player)が認識されていますが、1 台はこの PC 自身の TwonkyManager を、もう 1 台は別の PC の TwonkyManager を指しています。

こちらが設定画面で最も重要であろう「サーバー」タブ。これも「プレーヤー」画面と同様に、ネットワーク上の DMS を自動認識してくれるので、手動で設定する必要がないのはラク。もし 1 台の PC に TwonkyServer だけでなく Windows Media Connect などの DLNA サーバ機能が設定されている場合は、1 台の PC に対して複数の DMS が表示されます。

この画面の下半分に表示されている「アドバンスト設定」もけっこう重要で、TwonkyManager を使いこなせるかどうかはここの設定にかかっています。
特に「アグリゲーションを有効にする」のチェックボックス。これはネットワーク上の DMS のコンテンツをアグリゲート(集める)して、あたかも 1 台の TwonkyServer(TwonkyManager のサーバ機能)の中にあるように見せてくれる機能です。これを使えば、「あの写真どの PC/NAS に入れたっけ?」というのをわざわざ探す必要がなくなります。
このチェックボックスをオンにして「サーバを表示する」ボタンをクリックすると、

ネットワーク上にある、どのサーバを収集対象にするか、収集対象から外すかを選択できます。「自動コピー」というのは、おそらく他のサーバからアグリゲーション(一覧だけ見せる)ではなく TwonkyServer に実際にコピーしてきてしまう設定だと思います。

設定が完了(といっても、アグリゲーション以外はほぼ自動設定で使えてしまう)すると、TwonkyManager 上のプルダウンメニューにネットワーク上の DMS の一覧が表示され、ここから操作する DMS を選択することができます。アグリゲーションの設定がしてあれば、TwonkyManager を選択するだけでネットワーク上のコンテンツが全て操作できてしまうので、さらにラクになります。

コンテンツの再生は、TwonkyManager 上のタブから「ミュージック」「フォト」「ビデオ」のカテゴリを選択した上で、それぞれアルバム別や日付別、フォルダ別などの一覧から探していきます(キーワード検索も可能)。
↑の画面はネットワーク上の NAS(LinkStation mini)に入っている音楽を再生しているところ。当たり前のようにアルバムジャケットの表示やプレイリストにも対応しています。

さらに、再生したいデータを右下の「再生先プレーヤーにコンテンツをドロップ」にマウスでドラッグ&ドロップすることで、DMR にコンテンツを送り込むことができます。

フォトモード。私は 10 年くらい前からの写真を NAS に溜め込んでいるので、この機能がいちばん使うかな。

TwonkyManager 内での写真の表示はこのサイズまでで、画面いっぱいに写真を表示したり、部分的に拡大したりできないのが残念。また、一眼レフ等で撮影した 1,000 万画素オーバーの写真はサイズが大きすぎるためか、表示には 5 秒くらい待たされてしまうのがちょっと辛い。これは私の環境(NAS に入っている写真を無線 LAN 経由で表示している)のせいで遅い、というのはあるかもしれませんが。

ビデオモードでは、再生できる映像フォーマットに制限があるようです。MPEG-1 や MPEG-4、WMV などのフォーマットは問題なく再生できるのですが、HDV Handycam から取り込んだ HDV(MPEG-2 TS)形式の動画が再生できませんでした。我が家では、今でこそ AVCHD の Handycam を使っていますが、去年までは HDV を使っていたので、溜め込んだ動画の再生という点ではこれは厳しい。「コーデックがインストールされていない」旨のエラーメッセージが表示されていますが、他のアプリでは同じ動画ファイルが問題なく再生できているんですけどね・・・。
パケットビデオ社としては「機器の仕様やコンテンツの形式を意識せずにホームネットワークが使えるようになる」ことを目指しているとのことなので、このあたりは今後の対応に期待です。

また、ビデオモードではネットワーク上のデジタルレコーダ内のデータも閲覧可能です。が、DTCP-IP(録画したデジタル放送をネットワーク上の他の機器で再生するための規格)に対応していないため、一覧には録画されているタイトルまでは表示できますが、その動画を再生することはできません。これができるならホームネットワークを使いたい、というユーザーは多いでしょうが、デジタル放送の著作権保護は日本独自規格なので、対応の望みは薄いかな・・・期待はしたいですが。

こういう感じで、確かにホームネットワークの扱いをラクにしてくれそうな統合型ソフトウェアではあるのですが、設定が分かりにくかったり、「不明なエラーが発生しました。」というような対処のしようが分からないメッセージが表示されたり、「もうちょっと気が利いてくれたらいいのに」と思ってしまう部分が散見されるのも事実です。
特に、設定や操作上で分からないことに対してヘルプで調べようと思っても、

ヘルプは情報量が少ない上に目次形式のみでキーワード検索もできず、そもそも日本語ヘルプの内容が旧バージョン(1.1。使っているバージョンは 2.0.4 なのに!)という時点で、全然親切じゃありません。
DLNA 自体が小難しい概念だし、TwonkyMedia はあまりにも多機能なアプリなので少し難解なのは仕方ないと思いますが、こういう周辺情報だったり、英語しかないダウンロードサイトだったり、そういう部分の整備がまずは重要だと思います。>パケットビデオさん

話を少し元に戻すと、PC 版 TwonkyManager に付属してくる「TwonkyBeam」は、こんな感じで Web ブラウザに機能を追加してくれます。

ブラウザ上で再生している映像・静止画・音楽などをネットワーク上の MDR に「BEAM」(送り込むことをビーム送信に喩えている)することが可能。
ふつう、インターネット上のコンテンツを例えばテレビで表示したいと思ったら、テレビに内蔵されている Web ブラウザ(これがまた、操作性が悪かったり対応していないファイル形式があったりして、使い勝手が良くない)を使うか、PC でいったん保存してからメモリーカードなり DLNA なりを経由しないと表示できませんでした。が、TwonkyBeam を使えば「リアルタイムで変換しながら DMR に勝手に送ってくれる」ので手間が全然違います。ネット上のコンテンツを別にテレビで観たいとは思わないよ、という人もいるかと思いますが、YouTube で見つけた動画を家族や友だちにも見せたい(でも、スマートフォンや PC の小画面じゃちょっと)と思うことってけっこうありますよね?そういうときに活躍してくれそうな機能です。
DMS/DMP として見ると TwonkyManager と同等以上のアプリは他にも存在しますが、私はこの「BEAM」機能こそが Twonky の醍醐味だと思っています。

ということで、次回はこの「Beam」をよりそれらしく使えるスマートフォン用アプリ「Twonky Mobile」についてレビューしてみたいと思います。

■関連エントリー
ホームネットワークの敷居を下げる「Twonky」 -Twonky モノフェローズイベントレポート (1)
デジタルメディアに自由を! -Twonky モノフェローズイベントレポート (2)
私がホームネットワークでやりたかったこと -DLNA アプリ「Twonky」レビュー (1)

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コメント

  1. b's mono-log より:

    Android 用「Twonky Mobile」を試す -DLNA アプリ「Twonky」レビュー (3)

    昨日に引き続き、今日は Twonky の Android 用アプリ「Twonky…

  2. b's mono-log より:

    Twonky を使ってみて、とりあえずのまとめ -DLNA アプリ「Twonky」レビュー (4)

    13075-2969-191070 Twonky のレビュー、ひとまずここまでの…

  3. b's mono-log より:

    AVeL Link Player でテレビをレンダラー化する -DLNA アプリ「Twonky」レビュー番外編

    13075-2969-195740 Twonky のレビュー、いったんまとめまで…

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