ある方より「α7 で G Biogon 28mm/21mm を使ったときの周辺色被りの度合いが気になる」というリクエストをいただいたので、ちょっと試してみました。まあ、オールドレンズのベースボディとして α7 を考えたときに、そこはまず気になりますよね。21mm のほうは APS-C でも画質的にちょっと許容できないレベルのマゼンタ被りが発生していたので、フルサイズだともっとひどいのか、それともセンサの進化で改善されているのか。
その前に、CONTAX G-NEX マウントアダプタは KIPON、METABONES ともに既存品でケラレなく使えています。ただ、(CONTAX G 用はありませんが)Rayqual など一部の既存アダプタには APS-C 用の遮光板を内蔵したものがあり、そういう場合にはケラレてしまうようなので、注意が必要です。
まずは Biogon 28mm F2.8 から見てみましょう。
厳密に検証したわけではありませんが、私の今までの経験上、青空を順光で撮ったときに色被りが最も顕著に出るようなので、そういう条件で撮ってみました。
※画質はレンズやマウントアダプタの個体差にもよるため、全ての組み合わせで以下の画質を保証するものではありません。
AWB で撮影しましたが、絞り開放(F2.8)のみホワイトバランスが微妙に変わっちゃってますね。まあそれは現像でどうにでもなる範囲として、マゼンタ被りは長辺側の両端で若干認められるものの、構図によっては気にならないと言えるレベル。絞り開放では、むしろ周辺減光のほうが強く出る分、色被りがないようにさえ見えています。いずれにしてもそのまま使える、または微補正で対応できる範囲だと思います。
むしろ気になるのは周縁部の解像力のなさというか像流れですかね…。中央部はいいけど、画面周縁部は開放では盛大に流れます。絞り込んでいくうちに周辺光量落ちも含め改善されるとはいえ、開放の周辺画質はちょっと辛いレベル。周辺まで解像させたければ絞って、味を活かしたいなら開いて、という使い方になるでしょうが、周辺画質を求めるならいくらでも現代のレンズがあるわけで、ここは F2.8~5.6 くらいを積極的に使っていきたいところ。
続いて、Biogon 21mm F2.8。このレンズがフルサイズで使ってみたいレンズ筆頭でしたが、同時に周辺色被りがどう出るか不安なレンズでもありました。
あ、画面右下に写っている黒い影は、何かがケラれているというわけではなく、橋の欄干の柱の飾りです。
ううむ、さすがにここまで広角になってくると、周縁部のマゼンタ被りは気になってきますね。でも、このレンズを NEX-5R で使ったときの画質からすると、センササイズが 2.3 倍になっているにも関わらず、マゼンタ被りはむしろ抑えられているほう、と言えるのではないでしょうか。周辺光量は盛大に落ちていますが、これくらいはむしろ私の好物なので、無問題(笑。
周縁部の像流れは、28mm よりもさらに気になる感じで、絞り込んでもそれほど改善されていかないようなのが、ちょっと気になります。「中央の被写体にいかに視線を集めるかの構図勝負」という使い方になるのかな。
ともかく、どちらのレンズも使い方次第で全然使える、ということが確認できて安心しました。
CONTAX G レンズでいうと、あと気になるのはやはり Hologon 16mm F8 でしょうか。こちらはオールドレンズの第一人者・澤村徹さんがさっそく人柱をされています(!)。
Gホロゴンはα7/7Rに付くのか!?: metalmickey’s blog
おおお、これはまた一筋縄ではいかなそうな感じですね。でも実写画像を見たところ、Hologon の解像感や歪みのなさ、それに何よりこの画角から来る迫力。これは一度使ってみたくなりますね…。まあ使いこなしは難しそうなので、日和って SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 にしようかな、と考えている自分もいますが(ぉ)、α7 に Hologon を装着したスタイルは、多少ムチャをしてでも試してみたくさせるものがあります。まあレンズ自体高いので、そうそう手が出るわけでもありませんが…。
コメント
R7にコンタックスGかっこええ!!!!
>> 周辺光量は盛大に落ちていますが、これくらいはむしろ私の好物なので、無問題
そうですそうです!ここまで落ちると逆に色んな表現が出来そうでワクワクしますね!
しかし澤村せんせ、すごい勇気ですね。
しかも実際干渉させてるし..怖っ。
かっこいいでしょ?これで限定ブラック鏡筒のレンズだったらもっとカッコイイと思うのですよ(笑
澤村さん、本当にムチャしますよね(^^;;;。でも、「デジタル×オールドレンズの第一人者」としての責任感みたいなものを感じました(笑。