米国では来週金曜日(11/29)がいわゆるブラックフライデーで、ここからクリスマスにかけて消費が盛り上がるシーズンですが、今年は日本でも Amazon がブラックフライデーセールを実施することもありいよいよ日本でも本格的にブラックフライデーが定着しそうな雰囲気になってきています。
ここ二、三年の間にイオンあたりが日本でもブラックフライデーセールをやり始めたような記憶があるのですが、Wikipedia によるとやはり 2016 年にイオンやノジマ(家電量販店)が本格的なセールを行ったのが契機のようですね。
マーケティングの仕事に携わっていると米国の商習慣、特に消費イベント関連については比較的馴染みがあるものですが、そうでない人にとっては「ブラックフライデー?何それ」という感覚が普通かと思います。
米国の祝日である感謝祭(サンクスギビング・デー)を起点とする商戦期の始まりがブラックフライデー。今年の米国のブラックフライデーは 11/29 ですが、日本のブラックフライデーセールは勤労感謝の日で連休になりやすい 11/23 前後の金曜日にスタートすることが多いようです。タイミング的には日本では年末商戦が 12 月上旬から始まるのが従来の常識だったところ、その 1~2 週間前から消費を促していくためにブラックフライデーが利用されているという感じなのでしょう。通販(≒カード払い)比率が高まってきた昨今はボーナス支給日を待つ必要がなくなってきたという背景もあるのかもしれません。なお Amazon 等の通販事業者は昨年までは「サイバーマンデーセール」を実施していた記憶がありますが、EC に限らず小売業界全体で使いやすいブラックフライデーの方にみんな寄せてきているのではないかと思います。
という感じで日本には宗教的にも社会イベント的にも直接は関係ないのに急に盛り上がってきたという点では、ハロウィンと同じ匂いを感じます。あるいは節分の恵方巻きや土用の丑の日の鰻のような、業界が消費喚起するためのイベントという印象。
しかし今年なんかは特に PayPay に代表されるキャッシュレス祭り、消費増税前の駆け込みからシルバーウィーク、増税後のキャッシュレス還元…と続いてきています。でずっと消費喚起イベントに巻き込まれているような感覚で、この上さらにブラックフライデーというのがどれくらい効果あるんでしょうね?私はそろそろ麻痺してきました。
中でも Amazon は頻繁にタイムセール祭りをやっていることもあり、ブラックフライデーだからといって別に今買わなくてもいいんじゃないかというのが正直なところ。セールに並んでいる商品も中華ブランドのものばかりで良いのか悪いのか分からない状況でもありますし。次々とセールをやるよりも、もっと EC としてのプラットフォーム整備に力を使ってほしいなあ。
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