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群馬県高崎市の焼きまんじゅう(再)

「素朴な味、また食べたい」

『孤独のグルメ』聖地巡礼で高崎に来た目的はもう一つありました。それは、かつて原作コミックのモデル店として登場し、今回 Season9 で改めて取り上げられた焼きまんじゅうの店。
目的地は高崎銀座商店街のすぐ近くにあるのですが、せっかくなので久しぶりにこの商店街を歩いてみました。

が、アーケードは以前来たときにも増してシャッター街化が進んでいます。
ここにもまた、駅前再開発の風穴が空いている。

ドラマではうまく誤魔化されていましたが、シャッター街の狭間や裏手に夜の街が侵食する状況になっています。これは厳しい…。

原作コミックにも描かれたアングルからのカット。8 年前には存在した「中央銀座アーケード街」の大看板がなくなっていました。

近年は昔ながらのアーケードが老朽化に堪えられずに撤去される事例が増えているので(原作漫画の第 1 話に登場した山谷地区のアーケードも数年前になくなったそう)ここも撤去準備に入っているのかと思ったら、2014 年の大雪で一度屋根が崩落して再建されたようですね。だから妙に屋根だけ現代的だったのか…代わりに看板は復元されなかった、と。

そのアーケードから一本逸れた道沿いにあるのが、劇中で磯野貴理子演じる甘いもの好きのおばさんが働いていた古い映画館です。なにやら大正時代(1913 年!)に高崎市初の映画館として開業した建物らしい。

この古さ、レトロな感じ、まるで『ニュー・シネマ・パラダイス』。

うん、ここは現役のようだ。

残念ながらこの日は休館日らしく中に入ってみることはできませんでしたが、上映されている映画のタイトルもまたレトロで雰囲気出てる。
映画好きとしては、中を一度見てみたいところです。

さて、ここらで本来の目的地の方へ行ってみましょう。

オリタ焼まんじゅう店

焼きまんじゅうのオリタ。隣のお店は変わっていたけれど、この店は 8 年前とほとんど変わらぬ佇まいでそこにありました。

そういえば劇中では五郎ちゃんは再訪ではなく初めて来た風の演技だったけど、漫画版は実在のお店をモチーフにした架空の店(店名は「クリタ」)だったからあくまで別の店という扱いなのか。まあ、漫画版が描かれた頃はこの店舗自体別の場所(三軒隣)にあったそうなので、そういうのも含めて別店舗扱いになるのも不思議はありません。

しばらく外から店の様子を眺めていたところ、基本的には地元のおじいちゃんおばあちゃんが女将さんとの世間話がてら焼きまんじゅうを食べていく、その合間に持ち帰りのお客さんが時々来る、という様子。
常連さん以外で店内で食べていくお客は珍しいのか、少し怪訝に感じられる雰囲気がありつつ着席。

アン入りとアンなしを各一本ずつ注文しようとしたところ、アン入りは(午後 1:30 の時点で)既に売り切れとのこと。アンなしのみ頼んだら「二本くらい焼いときましょうか?」と提案され、言われるがままに注文(押しに弱い)。
値段はアン入りが ¥200、アンなしが ¥190 で 8 年前よりもちょっと値上がりしていました。それでも安いけど。

5 分ほど待って焼き上がってきました。

この茶色いタレ、いやミソの照りが美しい。
8 年ぶりの焼きまんじゅう、はてさていったいどんな。

まるでコッペパンみたいなふっくらした食感の焼きまんじゅうに、ミソをたっぷりつけていただきます。

以前と変わらず複雑な甘さのミソ。
焼きまんじゅう自体は見た目より全然軽い食感だけど、このミソを纏うことでしっかり腹に溜まる感覚。
そういえば 8 年前もアン入りのすごい甘さにノックダウン寸前だったなあ…アンなしだけで正解だったかも。

とにかくこのコク深い、奥行きのあるミソの味。こんな甘さ、他では食べたことがないよなあ。
ただ…劇中でゴローちゃんは水と一緒に食べてたけど、実際には飲み物がないのがちょっと辛い(汗)。食べた後にコンビニへ緑茶を買いに駆け込まざるを得ませんでした。
そういう意味では、この焼きまんじゅうは持ち帰りにするのが正しいような気がする。

先代の頃から通算で 70 年を超える老舗。
この店が今でも変わらず続いていることに、感謝したい。

高崎伝統の味、久しぶりに堪能させていただきました。
ごちそうさまでした。

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ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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