【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】わはははなんだこれ。低音ドッコンドッコンのソニー「ULT POWER SOUND」全部試す-AV Watch
↑もうタイトルを読んだだけで小寺さんとわかる記事。キャラ立てって大事ですね。
重低音モードがついたソニーの「ULT」シリーズ、発表以来気になっていたのでした。小寺さんのレビューを読んで改めて興味を引かれたので、店頭へ聴きに行ってきました。アクティブスピーカーは SRS-ZR7 を気に入っていて買い換えるつもりがないので、ヘッドバンドタイプのヘッドホン「ULT WEAR」のほうを試聴。
ヘッドホンとしてはいたってスタンダードなデザインで、パリピっぽい店頭装飾がされていなければ新製品とは気づきにくい印象。見た目的には M4 までの WH-1000X シリーズに近く、持ち運び時の折りたたみにも対応。M5 のややプレーンすぎるデザインや折りたたみ非対応になった機構が物足りなかった私としては、(デザインに関しては)ULT WEAR こそ「顧客が本当に必要だったもの」という感じがします。
形は旧 1000X シリーズっぽいけどラバー風塗装は施されておらず、梨地の樹脂打ちっぱなしっぽい感触。質感は高くはなく、この点で 1000X シリーズとの差異化がされているようです。まあ 1000X のラバー塗装も剥げたり汗や拭き跡がつきやすかったりするから丁寧な扱いが必要だから、ULT WEAR はラフに扱いやすいとも言えますが。
また側面のソニーロゴはホロ仕様でちょっと気恥ずかしい。
装着感は WH-1000XM5 に匹敵するほど良く、頭を動かしてもカタカタ音や軋み音がなく快適。作りが甘いヘッドホンだと使用中にそういったノイズが気になって不快ですからね。
このシリーズを象徴するのがこの「ULT」ボタン。必要以上に大きなボタンだけどわかりやすくて良い。
使用中にこのボタンを押すことで低音ブーストモードが ULT OFF→ULT1→ULT2 とトグルで切り替わります。
試聴はまず ULT OFF から聴いてみました。
ブーストなしでもやや低音が強調されたややドンシャリ気味の音質で、ロックやポップスを楽しく聴ける印象。繊細な音まで丁寧に再現しようとする WH-1000XM5 とはちょっと違う分かりやすい音で私は嫌いじゃない。やり過ぎない程度に元気にならしてくれるヘッドホンとして、ULT OFF のまま常用しても良いくらい。
ULT1 にすると、低音が一気に前に出てきます。上の小寺さんのレビューでも「ズーン」ではなく「モッ」とした圧を感じる音と表現されていますが、まさにそんな感じ。ライヴハウスだと低域の圧が強い音響であることが多いですが、あれに近い印象を受けます。例えばライヴ盤を自宅で聴いても現場の音響感までは再現しきれませんが、これで聴くと現場で聴いたあの音だ!となるし、スタジオ録音の音源を ULT1 で聴いてもちょっとライヴ感が出てきて楽しい。逆にこれだけ鳴っているのに(ヘッドホンだから)腹には響いてこないことに物足りなさを感じてしまうほどに低音が盛れます。
ULT2 にするとさらに強調される…のですが ULT1 とはちょっと違う味付けに強調されるようで、感覚としてはアリーナやスタジアムライヴでウーファー前の席が当たってしまった感じ(笑。音源にもよるでしょうが低音が強すぎて中域がマスクされ、ギターやコーラスの音が聞き取りにくくなることがあります。これは常用するモードというよりは音源に応じて使い分ける感じですね。
個人的には ULT OFF~ULT1 くらいまでの強調度合いが楽しく聴ける範囲と感じました。ロック系やダンス系の楽曲をノリ良く聴きたければ 1000XM5 よりも楽しいかも。YOASOBI みたいな打ち込み系サウンドとの相性が良く、今の音楽シーンに合ってるヘッドホンだと感じました。
私はイヤホンに比べるとヘッドホンは出番が少ないから複数使い分けるほどではないのですが、ちょっと欲しくなってきちゃったなあ。
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