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旗の台 若鳥焼 鳥樹 東口店

久しぶりに「あの若鳥焼」が食べたくなって旗の台へ。

鳥樹 東口店

世間一般に「トリキ」と言えば鳥貴族のことだと思いますが(私は行ったことない)、自分にとっては鳥樹こそがトリキ。ちなみに読み方は平板に読むんじゃなくて最初にアクセント、つまり「猪木」と同じ調子で読むのが正しいらしいですね。

最初、駅前の本店の方に行ってみたんですがなんか営業してなかったから線路を渡った東口店の方に初めて行ってみました。そして後で調べたところ本店は今年の 7 月末で閉店していたらしい!大将が開業してから五十年経ってたというから年齢的に続けるのが難しかったということでしょうか。ショックが大きいけど、むしろ今までお疲れさまでしたと言いたい。
ちなみにこの旗の台東口店と蒲田店は本店の大将の息子さん兄弟がそれぞれ暖簾分けする形で開いたお店らしいですね。もっと言うと五反田の庭つ鶏は本店で修行した人が独立したお店とのこと。言われてみれば、確かに料理の系統が同じ。

カウンターの後ろに小さいテーブルが並ぶ狭い店構えは蒲田店によく似ています。本店もけっこう狭かったけど、この距離の近さが鳥樹の良さの一つでもあると思います。
仕事上のお付き合いとかじゃなくて少人数の気の置けない仲間うちで来ている大客さんばかり、という和気藹々とした雰囲気も良い。

メニューは本店と全く同一。値段も同じです(蒲田店はちょっとだけ高い)。
本店が営業していた頃は東口店との間で料理の融通をしたりもしていたらしいですね。

まあとりあえず生ビール(大)から!
仕事上がりの五臓六腑にしみわたる。

ジョッキの「祝五十周年記念」の文字が良いじゃないですか。
本店はなくなってしまったけど、その跡は東口店がしっかり引き継いでいくという宣言のように見えました。

そしてお通し代わりの鶏スープとうずら納豆。
口と胃にじわーーーっっと沁みる鶏出汁が本当においしい。

煮込み。あっさりしてるのに深い、この味は長年の積み重ねがないと出せないはず。
煮込みがうまい店にハズレなしというのが私の持論ですが、ここはまさにそれを地で行く店だと思います。

皮焼。脂がちょうど良い具合に落ちてパリパリと珍味のようになったおつまみ。
乾き物かスナックのような感覚で、これがビールにめちゃくちゃ合う。

鶏皮にビールが吸われるようになくなってしまったため、飲み物は角ハイに移っていきます。
メニューには竹鶴のハイボールもあるけど、角ハイくらい気軽に飲めるのがちょうど良い。

特大手羽焼き。このボリューム感がたまらん。
表面はパリッと、中はムチッとした若鶏そのもののうまみを活かした手羽焼き。脂少なめでいくらでも食べられそうな気がしてくる。

ももタタキ。さっきの手羽とは対照的に肉汁ジュワー系。
濃いめのタレの味も絶妙でどんどんお酒を誘ってくる。

こんなんハイボールも瞬殺でしょう。
ということで次の飲み物は麦焼酎ロック。銘柄の表示なんてなく単に「麦焼酎」というあたりが潔く、この店らしい感じがします。

以前からメニューで気になっていた「ネギだれ」も頼んでみました。
どんなものかと思ったら…これは紛れもなく「ネギだれ」だ(笑)。蒸し鶏っぽいものが膨大なネギだれにまみれていて、主従逆転したネーミングになるのも納得。味も言われてみればネギだれのうまみを引き立てるために鶏がいる、と言っても過言ではない。

もう一つメニューで気になってた系の「はさみ焼」、挟まってるのは大量のワサビでした(笑
ちょっと鼻にツンと来るけど辛すぎるってほどでもなく、ワサビの爽やかな香りに包まれながら食べるささみがなかなかおいしい。

そしてもちろん普通のやきとりもいただくわけです。ほとんどのメニューを串打たずに焼くこの店にあって、「やきとり」だけは珍しく串が打たれている。
それも全部正肉じゃなくて一串に正肉と皮、長ネギが組み合わさっているから抑揚があって楽しい、おいしい。

最後は芋焼酎とともにやきとりを平らげて〆。
ああ、今回もおいしかったなー。

本店が閉まってしまったのはとても残念ですが、今後はこの東口店と蒲田店が末永く続いていきますように。
また誰かを誘って、時には独りで、鶏を食べに来ようと思います。

ごちそうさまでした。

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