HD-2D版ドラクエIはとりあえずエンディングまで辿り着きました。
ドムドーラを超えて城塞都市メルキドに到達。HD-2D版ではドムドーラの南にメダル王の城が追加されていたり、そこからメルキドの道中に「迷いの森」と呼ばれるマップが足されていたり、いろいろとボリュームが増しています。それぞれのイベントをこなしてメルキドに着くと守護神ゴーレムと対峙。しかしオリジナル版では「モンスターの襲来から町を守っている」という設定だったのが、HD-2D版では「本来は門番だったがモンスターに操られてしまい住民も困っている」という話に変更。まあいくら勇者だからって守護神を倒しちゃったら町にとっては大迷惑なわけで(笑)、ストーリー上の違和感を緩和する改変ですね。セオリー通り妖精の笛で眠らせて難なく突破。
その先にもイベントが追加されており、メルキド北方にある「岩泣き島」のダンジョンに向かいます。何故かここだけダンジョンBGMがIではなくII、さらに登場するモンスターもIIのものばかり。ここに来てIの世界でもIIのモンスター…というかハーゴンの手下たちが暗躍していることが見えてきました。まあ序盤に妖術師が出てきた時点でだいたい想像ついてましたけどね。
それにしてもオリジナルのI・IIでは主人公の目の前でNPCが死亡する演出はなかったはずですが、今回のリメイクではけっこうガンガン人が死ぬ。ストーリー的には随分ハードな雰囲気になりました。
そして節々のタイミングで「一方その頃」というように竜王の様子が挟み込まれます。ファミコン版では勇者が自分を倒しに来るまで単に城に引きこもっていただけでしたが(笑)、本作では勇者が冒険している間に竜王も世界征服のためにいろいろと頑張っていたことが判明。ただし要所要所で勇者を待ち構えていたボスモンスターの多くは竜王ではなくハーゴンの手下っぽかったんですよね。
なんやかんやで「五つの紋章」を揃えて雨のほこらへ。オリジナルではガライの墓で入手した銀の竪琴を持って行けば簡単に雨雲の杖と交換してもらえましたが、今作では五つの紋章・銀の竪琴・妖精の笛を揃えて雨のほこらの塔に上る必要があります。
ファミコン版ではIIIの時点で「ルビスの塔」だったのがIの時代では小さな祠に変わってしまっている…という食い違いが生じていたのが、HD-2D版では「雨のほこら」という名前でありながら立派な塔の姿をしており矛盾が解消されました。
雨の祠の最上階で五つの紋章を使い精霊ルビスを召喚。このくだりが追加されたことでIIの物語との繋がりが良くなりました。ファミコン版のドラクエIには精霊ルビスは名前すら登場しませんでしたからね。
ここでルビスを復活させたことで雨雲の杖を入手。ファミコン版よりも随分長い道のりでした。
紋章集めと平行してロトの武具も収集していきます。昔はロトの剣と鎧しかなかったのが本作ではちゃんと盾と兜も用意されました。特に兜は「オルテガの兜をブルーメタルで鍛え直したもの」というHD-2D版ドラクエIIIの設定が逆輸入されたのがグッと来る。一人旅で魔王を倒しに向かったという点でIの勇者と通ずるところがあり、その流れの中でオルテガを感じられると感慨深いものがあります。
ロトの武具を全て装備すると勇者の見た目が専用グラフィックに差し替えられるのも良い。頑張って集めた甲斐がありました。
本作ではロトの武具よりも強い装備はいくつかあるけど、このグラフィックのためにロト装備を外したくないまであります。
雨雲の杖と太陽の石を集めて虹のしずくを入手し、虹の橋を架けて竜王の島へと渡るわけです。虹の橋のグラフィックはHD-2D版IIIのものと同じ。
ファミコン版では「Iの勇者が辿った道をIIIで改めて辿る」が胸熱ポイントでしたが、今回は史実通りに「かつてロトの勇者が辿った道をその子孫も辿る」格好になります。
しかしまあ竜王の城はモンスターがとにかく強い。ドラゴン系が当たり前のように複数出てきます。少しでも戦い方を間違えると即死だから逃げ回ってばかりでした。
ストーリー後半の戦闘バランスはIII同様に賛否あるようですね。難易度「バッチリ冒険」でも単なるダンジョン探索で雑魚敵と戦うごとに全回復させないと先に進めないくらいにハード。雑魚モンスターでも複数攻撃・デバフ・痛恨の一撃当たり前みたいなバランスはちょっとどうかと思います。せめてロトの装備一式を手に入れたらそれなりに爽快感あるバトルを楽しませてほしかった。本作ではバトルに負けてもオートセーブからやり直せるからカジュアルに死んで試行回数を稼げる、ってことなんでしょうが…。
そんなわけで、なんとかかんとか竜王のもとに辿り着きました。
そして例によって「世界の半分をおまえにやろう」の取引は健在。ここで「はい」を選ぶと…、
なんと夢オチwww
そこまで行った挙げ句バッドエンドはないよ、ということですかね。
ともあれ気を取り直して再戦。本作ではIII同様にボス前まで辿り着いたらワープポイントが設定できるから気軽に夢オチを試すことができました(笑
竜王戦。変身前はともかくとして変身後がとにかくキツかった…。5~6回は負けました。
ある程度リトライすると竜王の行動パターンが見えてきましたが、それでも最後はMPが尽きて「あと一撃食らったら耐えられない」というところで薄氷の勝利。クリア時レベルは40でした。
というわけで大団円。物語はIIへと続きます。
とりあえずIをクリアした時点の感想としては、オリジナルの設定とプロットは生かしつつシナリオを大幅加筆、バトルシステムはほぼ刷新した『ドラクエI』の皮を被った別ゲーという印象を受けました。まあ今さら約四十年前のシステムやバランスを持ち込んでも現代では受けないからその後のドラクエシリーズのシステムを取り込んでアップデートしたかったのは理解できます。III→I→IIという物語の繋がりを良くしたシナリオ改変は悪くない。でも終盤に行くほど辛くなるバトルシステムは何とかならなかったのか…というのはIIIのときと同じですね。
エンディング後、エピローグとしてIIに繋がるエピソードが少し挿入されます。HD-2D版IIIのラストからIを経てIIにこう繋がる、ということを明確に示したラスト。結局は竜王もハーゴンの遠大なる計画の一部に過ぎなかった、ということですね。ドラクエの始祖であるIの物語が単なる通過点にされてしまった感覚でちょっと寂しいけれど、これまで「時系列は繋がっているけど話としては別物」だったI・II・IIIが改めて整理されたことを実感します。
ちょっと疲れたので少しだけ休憩したらIIを始めていこうと思います。
















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