AV アンプ STR-AN1000 用にこのリアスピーカーを導入しました。
ワイヤレス接続対応のリアスピーカーです。我が家はリビングシアターなのでサラウンドスピーカーを常設しておく場所はなく、使うときに出してきてスピーカーケーブルを繋いで…とやっていました。でもそれだと準備が億劫になって使用頻度が下がってしまうんですよね。なので無線接続できる STR-AN1000 と SA-RS5 のセットが登場したときにはこれだ!と思いました。
デザイン的には HT-A9 のスピーカーとほぼ同じ色違いモデルのように見えますが、SA-RS5 の方が一回りコンパクト。それでいてバッテリーまで内蔵していることに驚きます。
このスピーカーは上面にドルビーアトモス/360SSM(360 Spatial Sound Mapping)用のイネーブルドスピーカーまで内蔵しています。我が家はフロント側にイネーブルドスピーカーを置きづらい(フロントスピーカーの天面が平らじゃない)環境なので、リアスピーカー側でハイトの表現を補ってくれるのはありがたい。
ちなみに下位機種の SA-RS3S にはイネーブルドスピーカーを内蔵していないため、私的には RS5 一択でした。
けっこう大ぶりな AC アダプターが二台付属します。電源に繋いだまま使うこともできますが、SA-RS5 はバッテリー内蔵なので使用時はバッテリー駆動して使わないときに充電しておくこともできます。バッテリーは最大 10 時間もつことになっているので、映画 2~3 本まとめて観るような場合でも余裕でバッテリーに任せられそう。
電源ジャックは底面についていますが、
付属のケーブルガイドを使うことで AC アダプターのフェライトコアを底面の凹みにうまく納められるようになるところが凝ってる。AV アンプとの接続に使う LINK ボタンが押せなくなるのが難点ですが、初回セットアップ時にしか使わないから問題ないでしょう。
背面のカバーを剥がすと内部には壁掛け用のフックとネジ穴が。
ということで、私はこのネジ穴を利用してスタンド設置にします。
HT-A9 で使っていた eono のスピーカースタンドが SA-RS5 にもバッチリ適合します。五千円前後なのに HT-A9/SA-RS5 専用かというくらいベストマッチなスタンドだったのですが、調べたらもう販売終了してしまっているようですね…。
SA-RS5 と STR-AN1000 の接続は簡単。SA-RS5 の二台のスピーカーについている LINK ボタンを押し、STR-AN1000 の設定画面内にあるワイヤレススピーカーの手動リンク手順を踏むだけ…と思ったのですが、LINK ボタンを押したら自動リンクが走るようで↑の画面を出している間に勝手に繋がってしまいました。
アンプの設定からはスピーカーの接続パターンが選択できます。私の場合はフロント 3ch+サブウーファーを優先接続、リアスピーカーを無線接続にします。そしてハイト/オーバーヘッドスピーカーに「SRD」を選択すると、リア側のイネーブルドスピーカーで高さ方向のサラウンド表現を作ってくれる設定になります。
現代の AV アンプではほぼ標準装備となっている音場補正の測定用マイクが付属。視聴位置から各スピーカーとの距離だけでなく反響音や各スピーカーの周波数特性まで計測して調整してくれます。昔は DIY でのホームシアターセットアップは距離入力と自分の聴感による調整しかなかったから、今はサラウンド設定がより複雑になっているにも関わらずラクになったものだ。
このマイクスタンドの底面には三脚穴がついていて、高さ調整はカメラ用の三脚で行います。
マイクを視聴位置に設置したらケーブルをアンプ前面の端子に接続し、アンプの画面指示に従って二度計測します。各スピーカーから特徴的な電子音が何度か鳴ったら計測・調整完了。かなり大きな音がするから深夜にはやらない方がいいでしょう(反省)。
音場補正が効いた状態でマルチチャンネル音源を鳴らすと、ホームシアター環境とは思えない自然なサラウンド感が得られます。音場最適化によってスピーカーの物理配置に関わらずファントム(仮想)スピーカーを生成し、スピーカーがないはずの場所から音が聞こえてくる感覚。事前に音場補正なしで鳴らしてみたらスピーカーの物理配置をハッキリと感じたので、この補正技術はすごい。
私の場合はもともと HT-A9 でこの音場最適化の実力は知っていたつもりでしたが、四本の専用スピーカーではなく自前のスピーカー 3.1ch+SA-RS5 でも同様の効果が得られたことには新たな感動があります。二十年愛用してきた B&W 704 でこれができるんですからね。
ライヴ系のソースも楽しい。アリーナの腹に響く重低音は出せないけど、音と歓声に包み込まれる感覚は現地で観たライヴを思い出させてくれます。サウンドチェックのつもりでかけた Blu-ray で軽く小一時間溶かしてしまった。
何もない状態からサラウンド環境を作るなら HT-A9 がお手軽で良いけど、昔から使ってきたホームシアター環境を 360SSM/ドルビーアトモスに対応させられる STR-AN1000+SA-RS5 の組み合わせは期待通りでした。以前使っていた RX-A2050 よりアンプの格が下がってしまったことは寂しいけど、その代償を払った価値はあったと言えます。従来のようにサラウンドスピーカーを都度セットアップする手間もなくなったし、映像ソースを今まで以上に楽しめそう。
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