「しっかり料理と向き合う時間、大切だな」
つい先日『海がきこえる』のリバイバル上映を観に来たところだけど、間を置かずにまた吉祥寺に行ってきました。
今回の目的は『それぞれの孤独のグルメ』第 11 話に登場した「きっちん大浪」への再訪です。スクリーントーンズのライヴのついでに立ち寄った前回から半年ぶりの訪店。
着席とともに手渡されるおしぼり。例によってミントの涼しげな香りに加えて、おしぼり自体がよく冷えているのが嬉しい!夜でもまだ暑い中駅から歩いてきた身に、この冷たさがありがたい。そこにミントの清涼感と香りが合わさって、いきなり体感温度が 5℃ は下がった。
ちなみに今回は予約なしの当日飛び込みで来たら運良く席が空いていたのですが、マスター曰く「直前でもお電話いただけるとあまりお待たせせずに済みます」とのこと。営業中に電話すると却って迷惑かなと思っていたのですが、次回からは事前連絡して訪店しよう。
メニュー。昨今の物価高でちょっとだけ値上がりしたようだけど、それでもあの豪華惣菜盛り合わせがついた定食が 1,500 やそこらで食べられるならむしろ安いと思える。他の店なら、ヘタしたらあの惣菜プレートだけで 1,500 円くらいしても不思議じゃない。
でも今日のお目当ては定常メニューじゃなくて日替わりの黒板メニューなんだなあ。座った場所の関係で黒板の写真が撮れなかったんですが、念願のアレを食べに来たわけです。
でもその前にまずはビール(赤星)から。
この店はいつも冷やしたグラスを出してくれる心遣いが嬉しいのですが、なんと今回は断熱グラス、それも凍らせたのを提供していただけました。これならビールがぬるくなる心配をしなくてもいい。冷たいビールとともにマスターの温かい気遣いが胃に染みわたる。
いつもの惣菜メリーゴーランド。メインのおかずが出てくるまでの繋ぎじゃなくて、これ自体がごちそうと断言できる一皿。
過去二回の経験をふまえると惣菜は基本的に酢たまご・ひじき煮・卯の花が定番で、それ以外が日替わりっぽい。大根の煮付け、ゴーヤのおひたし、ライタ(ヨーグルトサラダ;こんなところでインド料理に出合うとは)、そして豚バラと玉ねぎの和風ミニカレー!カレーは単品メニューとしても提供されているもので、いずれ食べてみたいと思っていたのをこういう形で試食できるとは嬉しすぎる。
どの惣菜も丁寧に作られているのが判る、深い味。ひじき煮や卯の花なんて、他の店や自宅で食べてもわりと無感情だったのに、ここで食べると特別なごちそうに感じられる。それくらい、素材の良さを最大限に活かそうとする努力が伝わってくる。
それとビールのお供に追加注文したハムカツ。
ソースを垂らしてちょっとジャンク味のおつまみ。こういうのでいいんだよ、ソースの味って男のコだよな。
今回もスレスレいっぱいのお味噌汁。最初にちょっと具を食べてからでないと、少し持ち上げただけでこぼれてしまいそう。
白菜に大根に厚揚げというシンプルでオーソドックスな味噌汁なのに、どうしてこんなにおいしいんだろう。まさにナンバーワンのオンリー椀。
この独特な風味のある、素朴な味噌はどこのなんですかね。少なくとも自分が生まれ育った地域にはなかった味だけど、何故か昔から親しんできたようなホッとする感じがある。
そして遂に巡り合えたチキンてりやき。ドラマでこの回のゲスト主人公・西崎栞(演:平祐奈)が食べていたものですね。日替わりメニューで月に一度くらいしか出ないようで、放送以来ずっと食べに来れるタイミングを狙っていたのでした。ようやく。
鉄板の上をタレがジュワジュワと跳ねている、その音と香りがすでに美味。
これを運んでくるときも、ハムカツも味噌汁も毎回マスターが「熱いですよ」と一言添えてくれるのが劇中と一緒。料理と同じく丁寧な気遣いを感じます。
食べよう。
プリプリと弾力のあるむね肉。火が通ってパリパリになった皮。そこに煮詰まって濃口になったタレ。すごくいい。
このチキンで口がいっぱいになるの、幸せすぎる。
照り焼きチキンってご飯のおかずとしては定番だけど、こんな風にジュワジュワとライブ感を味わいながら食べられることもそうそうない。これ楽しい、おいしい。
この甘辛ダレ、ご飯が進みすぎる。
この店、ご飯もそれ自体がおいしいんだよなあ。それがさらにご飯に絶妙に合うおかずたちの存在によって相乗効果が生まれている。
ああ、うまい。
なんか今、すごく充実してる。
今回も最初から最後まで、全部おいしかったです。
こういう食事をすると、生きてて良かったと感じられる。
ここには絶対また来よう。
銀鮭、金目、銀鱈…他にも食べてみたいおかずがたくさんあるし、あの絶妙な豚キムチもまた食べたい。ぜんざいにも巡り合えてないし。早くも次回が楽しみになっています。
ごちそうさまでした。














コメント