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TRN BT20 (2)

既存イヤホンをトゥルーワイヤレス化する「TRN BT20」のインプレの続きです。

TRN / BT20 Bluetooth 5.0 イヤーフック

TRN BT20

イヤホンは当初の予定どおり TFZ T2 Galaxy をメインに使っています。DAP は Shanling M0(AAC 接続)とソニー NW-A35(SBC 接続)で試してみました。

■装着感について

ショートケーブルには強めのテンションがかかったワイヤーが入っているようで、反る力がしっかりめにかかっています。触ってみた感じだと Bluetooth レシーバ側が耳の後ろに当たって痛いかなと思ったんですが、実際に掛けてみると締め付けすぎという感覚はなく、またちょっと首を振ったり走ったりしてみても落ちない程度のホールド感があります。まあこればかりは個人差があると思うので、人によっては当たりどころが悪い場合もあるでしょうが。

また MMCX-2pin アダプタ経由で装着しているため本来この製品が想定しているのとは少し違った角度でイヤホンを装着する格好にはなるものの、MMCX コネクタ側がフレキシブルに回転することもありステムの装着角度が不自然になることもありません(少なくとも私の耳の形に対しては)。
むしろ、これは BT20 のせいではありませんが、MMCX-2pin アダプタとイヤホンの間にロック機構がないためイヤホンが緩んだり抜けたりしやすいのが難点。実際に一度片耳のイヤホンが行方不明になってしまったので(すぐに発見した)、アダプタとイヤホンをホットボンドか何かで固定したいくらい。まあこれは T2G ではなく MMCX イヤホンを使うなら問題にはならないでしょう。


TRN BT20

■音質について

これはコーデックによってかなり違いが出ますね。NW-A35 と SBC で接続すると(NW-A35 は SBC/LDAC という両極端な仕様)ダイナミックレンジが狭く情報量も少ない、一昔前のイヤホンのような音に聞こえます。これは Radiko なんかを聴くのには良いけど音楽用途としてはちょっと厳しい。
でも Shanling M0 と AAC で繋ぐと印象が一変します。有線接続に比べると音の輪郭がぼやけたりディテールが損なわれる印象は多少あるものの、イヤホンが解像度(ないわけじゃないけど)よりはメリハリで聴かせるタイプの T2G ということもあってこのイヤホンの楽しさ自体が劣化する感覚はありません。これが BA 系イヤホンだったらまた違ったでしょうが、少なくともこの組み合わせで使う限りは音質の変化よりもトゥルーワイヤレス化の恩恵のほうが大きいように思います。

■接続安定性について

安定性も接続先の機器やコーデックによって差があります。NW-A35(SBC)ではかなり混雑した場所(新宿や渋谷の駅構内など)でもほとんど切れることはありませんが、Shanling M0(AAC)ではそういう場面でかなり切れる。コーデックなのか DAP 側のアンテナ性能なのかは不明ながら、差は確実に存在します。

とはいっても、Shanling M0 も普通に通勤経路や街中を歩いている程度ではほぼ切れないし、混雑している場所でも例えば満員電車でも走り出してしまえばそれなりに安定します。それよりも電車の乗り降りやターミナル駅内を歩いているときなど「周囲の電波状況がめまぐるしく変わる状況」でブツブツ切れます。DAP 側との接続が切れて両側聞こえなくなることも、片側(主に右側)だけ聞こえなくなることもあります。いつも使っている MUC-M2BT1(LDAC)との比較では、混んでる駅だと感覚的に十倍くらい切れる印象。また、ブツブツ切れるだけなら良いんですが、電波状況が怪しくなるとごく稀に音のピッチ(音程)が不安定になる(少し下がる)のが不可解。Bluetooth なんだからアナログじゃないよね(笑

安定して使えている分にはすごく快適なんですが、通勤ラッシュ時の乗り換え駅で切れまくるのだけがちょっと辛いなあ。都内だと今や BT イヤホン使ってる人は相当多いし、モバイルルータやテザリング等も含め 2.4GHz 帯の電波が飛びまくっているので条件的にはかなり厳しいのは事実です。まあこのあたりは初物ゆえの弱点で、今後 Qualcomm の TrueWireless Stereo Plus(トゥルーワイヤレスイヤホンに左右独立で Bluetooth 伝送する技術)などの普及が進めば改善していく話でしょうが。

そんな感じで、多少難はありつつも総じて見ればまあ快適。Shanling M0 との極小の組み合わせは、15 年ほど前に愛用していた NW-MS70DB&O A8 という組み合わせを思い出させて、小さいもの好きとしてはすごく楽しい。
私はソニーの本命 WF-1000X の後継機種が望むようなスペックで出てきたら次のメインイヤホンはそれにしようと思っていますが、一足先にトゥルーワイヤレスを楽しむデバイスとしてはけっこう十分だと思います。

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