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外部マイクでリモート会議の通話品質向上 (1)

東京アラートも解除され、世の中的には緊急事態宣言発令前の環境に少しずつ戻りつつあるようですが、出社するかリモートワークを継続するかは企業によって判断が分かれているようですね。私の勤務先も職種によっては出社を再開し始めていると聞いていますが、私はまだまだリモートワーク継続中です(´д`)。

ここ三ヶ月あまり、この blog でも折に触れて書いてきたリモートワークやリモート会議の環境改善の話。レンズ交換式カメラを Web カメラとして使うのは技術的には面白いけど、実際のリモート会議中はほぼデスクトップ共有で資料を映していることのほうが多いので、あまり活躍の場面がありません。一方でもうちょっと改善したいと思っていたのが音声通話の品質。
リモート会議をしていると、相手方によって音が篭もって聞こえたり、ノイズまみれだったりすることが少なくありません。同様にこちらの音声も声が遠いとか篭もって聞こえると言われることがあります。音声品質は使用する VC サービスやネットワーク環境にもよるので機材や設定さえ換えれば解決するというわけではありませんが、少なくともコミュニケーション効率を下げる要因は一つでも減らしておいた方が良い。

また自宅からのリモート会議参加で気になるのが家族の生活音です。個人的には、シリアスな会議中に同僚のお子さんの話し声や笑い声が聞こえてくると和むから特に迷惑だとは思わないのですが、自分の家族の声や生活音(特に料理や後片付け中の食器の音とか)が相手側に聞こえるのは気を遣うものです。また娘たちはほぼ毎日自宅でピアノの練習をするので、仮に練習中は最もピアノから遠い部屋で仕事をしていても、どうしても音が聞こえてきてしまう(9~18 時くらいまで VC で埋まっていることが多いので、会議のない時間に練習するのがとても難しいんですよ)。そうすると、必然的に「自分の声はクリアに拾うけど、それ以外の音はほぼ拾わない」つまり指向性のあるマイクが欲しくなるわけです。

一口にマイクと言っても本当にたくさんの種類があります。とりあえず、リモート会議で使えそうな種類のマイクを思いつく限り並べて、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。

種類特長
PC 内蔵マイクほとんどのノート PC に標準搭載されているビデオチャット用マイク。性能はピンキリだが PC 自体の冷却ファン音やキータイプ音を拾いやすいことが多い。また多くは無指向性のため周囲の生活音等も拾ってしまいがち。
イヤホンマイクおそらく PC 内蔵の次に一般的なのがイヤホンマイク。リモートワークになってからスマホについてきたイヤホンマイクを PC に繋いでるという人も多いのでは。有線/無線(Bluetooth)があり、比較的近くの音しか拾わないような特性のマイクであることが多いようなのでリモート会議向き。ただしその機種のマイクの搭載位置によっては体勢や姿勢次第で音を拾いにくくなる。私が現在主に使っている MUC-M2BT1 はマイクが鎖骨のあたりにくるため、少し姿勢を変えると「聞き取りにくくなった」と言われることがある。WI-1000XM2 あたりはイヤホンケーブルの途中にマイクがついていて、体勢の影響を受けにくそう。
ヘッドセットある意味本命。ヘッドホンのハウジングから伸びたアームでマイクが口の横に固定されるため、姿勢の影響を受けにくい。また音源(口)との距離が近い前提で作られたマイクなので周囲の騒音も拾いにくいと思われる。特に近年は高性能なゲーミングヘッドセットが多数リリースされていて選択肢も多い。ただし安物はヘッドバンドがギシギシ言って不快なため、快適なものを選ぼうとすると最低 1.5 万円くらいかける必要があり悩ましい。
プラグインパワー式アナログコンデンサマイクオーソドックスな PC 用マイク。昔のデスクトップ PC にはこの手のマイクがついていることが多かったのでは。
ノート PC の内蔵マイクよりはクリアな音声が期待できるが(マイクのグレードやスペックにもよるが)、PC との接続がアナログなためそこがノイズ源になりがち。また多くの場合無指向性のため、周囲のノイズ問題の解決にはならない。
USB コンデンサマイクこちらも本命。PC で使うならヘッドセットか USB コンデンサマイクか、という感じ。USB 接続のためアナログに比べてノイズに強い。最近は YouTuber やゲーム実況などの需要に合わせて選択肢が増えてきた。話し声や歌声を拾うためのマイクなのである程度指向性を持った製品が多いのもメリット。が、リモートワーク需要により諸々のマイクの中で USB マイクが最も入手困難になっているのが最大の難点。
ビデオ用コンデンサマイクあまり話題になっていないのがビデオ用マイク。モノラルマイクであれば PC に接続してアナログコンデンサマイクとして使用できるはず(?)。
ビデオ用の外部マイクと兼用できるならちょっと良いやつを買っても損しないはずと思ったが、ビデオ用ならばステレオマイクのほうが良いし、PC 用としてモノラルマイクを買うのも本末転倒だし、で迷った末に見送り。もし既に持っていれば試してみる価値はあり、といったところ。
ダイナミックマイクマイクと言って真っ先に連想するのがこれ。ただし接続がキャノン(XLR)端子になるため PC に直接接続できず、別途 USB オーディオインターフェースが必要になるので宅録をやっているような人でなければ非現実的。
マイク自体はそれほど高くないから私が USB オーディオインターフェースを持っていたらダイナミックマイクを買っていたところだけど、以前持っていたローランド UA-5 はもう処分してしまったんだよなあ…。
USB 対応 LPCM レコーダ大穴がこれ。本来音声を録音するために作られたものなんだから VC 用マイクとして使えれば性能的には申し分ないはず。多くのボイスレコーダ/LPCM レコーダは PC に接続してもファイル転送しかできないが、TASCAM の LPCM レコーダの一部は USB マイクとして動作するモードを持つ。中でも DR-07XDR-40X は可動式マイクで指向性を変化させることもでき、リモート会議用マイクとして万能と言って良い。
ただ、個人的にはボイスレコーダや LPCM レコーダは他に用途がなく、買っても持て余すのが悩ましい。

という感じで、意外と選択肢はたくさんあるものです。ただ今はリモートワーク需要でマイク関連は安いものから順に売り切れていて、実際の選択肢がないのが実情。私は本当は GW 前くらいから外部マイクの必要性を感じていたんですが、とにかく製品が入手困難で最近まで身動きが取れませんでした。1 万円以上するマイクはかろうじて在庫があるものもありましたが、お店に行けない状況で何も試さずに注文するのもさすがに勇気が必要です。

それが 6 月に入って少しずつ在庫状況が改善してきたようで、私もようやく一つマイクを購入することができました。それについてはまた近いうちに書くことにします。

コメント

  1. さくら より:

    ダイナミックマイクはファンタム電源必要ありません。業務用クラスのコンデンサーマイクなら48Vのファンタム電源が必要です。(アナログコンデンサーマイクと紹介されているものは1.5~5Vのプラグインパワーのものを指しているようでしょうか)

    • B より:

      ご指摘ありがとうございます。同じ XLR 端子なので混同してましたが、確かにボーカル用のダイナミックマイクはファンタム電源不要ですね(修正しました)。
      アナログコンデンサマイクは仰るとおり PC 用等のプラグインパワー式のものですね。ファンタム電源を使用するものもアナログコンデンサマイクなので紛らわしいですね…。

      映像系と違って PA 機材や録音機材はそこまで詳しくないので、今回のことで急速に勉強中です(笑。

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