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余市蒸溜所

先日の北海道への聖地巡礼の旅で、石狩から小樽に向かうまで少し時間があったので、いったん小樽を通り過ぎて余市まで脚を伸ばしてきました。目的地は余市町の顔たるニッカウヰスキー余市蒸溜所。ニッカウヰスキー創業の地でもあります。

※写真は全て α7 IV+FE24-105/F4G にて撮影。

余市蒸溜所 | NIKKA WHISKY

蒸溜所といえば四年前にサントリー山崎蒸溜所に行ったことがありますが、あのときも孤独のグルメ聖地巡礼のついでだったなあ。

ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝は創業前には日本初のウイスキー蒸溜所である寿屋(現・サントリー)の山崎蒸溜所の初代所長を務め、その後独立してニッカウヰスキーを興したというまさに国産ウイスキーの父。妻のリタとは竹鶴がスコットランドへウイスキー修行に行った際に出会ったというから、まさにウイスキーに人生を捧げた人であったと言えます。
ちなみにニッカウヰスキーという社名の由来は、当初ウイスキーが商品化できるまでの繋ぎとして余市産のリンゴジュースやアップルワインの製造販売を行う「大汁株式会社」として創業されたことに由来するとのこと。それは初めて知りました。

余市蒸溜所の見学は完全予約制(無料)。予約せずに入館できるのは敷地内にあるミュージアムとレストラン、ショップに限られます。今回は平日ということもあり予約できましたが、それでも終日ほぼ定員一杯だったようです。
場内ではガイドさんがついて丁寧な説明とともに回ってくれます。ウイスキーの基礎やニッカウヰスキーの歴史も含め教えてくれるので、前提知識がなくても楽しめます。

重要文化財にも指定されている蒸溜棟。蒸溜所のシンボルである銅製のポットスチルが並びます。一台ずつ微妙に形状が違うのは、形が違うことでポットスチルごとに微妙に異なる香りがつき、最終的にそれをブレンドすることで深みのある味と香りに仕上がるのだとか。

しかもこのポットスチル、見学用ではなく実動品です。それも石炭による直火蒸溜。炉の扉の隙間から漏れ出る光に生々しさを感じます。

なんと見学中に従業員さんが二度もやってきて、石炭を焼べる作業の生実演!見せるための作業ではなく実際の蒸溜工程に立ち会っているだけですが、こういう場面まで見られるのは感動しますね。しかも私は写真的にはベストポジションだったし。

この加熱作業も適当にやっているわけではなくて、ポットスチル内の温度をアルコールの沸点と水の沸点の間に維持するため、その日の気候に応じた微妙な加減をしているとのこと。こういうところに職人技が光るわけです。

こちらは貯蔵庫。創業当初に建造された一号貯蔵庫の入口部分を見学することができました。我々が見学できるあたりに置かれているのはあくまで見学用の空の樽ですが、貯蔵庫の奥には実際にウイスキーが入った樽が貯蔵されているそうです。

樽酒っていいですよね…。

でもウイスキーって実際はこの樽からアルコールに移った木の成分が香りを決めているというから、なんとも不思議な話です。

見学者はツアーの最後に無料の試飲所にて三種類のお酒(アップルワイン・スーパーニッカ・シングルモルト余市)を試飲させてもらえます。ストレートの他にロック、水割り、ハイボールが自作できるようになっていて、ワンショットずつですが自由な飲み方で楽しめます。

試飲所の窓の外には一面の雪景色と貯蔵庫。まさにニッカウヰスキーが生まれ、育つ地を眺めながら飲むウイスキーは格別ですね。

試飲後はミュージアムの見学。一年半ほど前にリニューアルしたばかりということで、新しくも荘厳な展示に目を奪われます。

閉館時間が近づいていたのでサラッと見て回っただけでしたが、フォトジェニックな場所でもう少しゆっくり居たかったですね…。

ミュージアム内には有料のテイスティング・バーが併設。こちらはストレートのみですが、ここでしか飲むことができない特別な銘柄も用意されています。

シングルモルト余市はさっき試飲したから、余市に来ておいてナンですが宮城峡を試してみました。個人的にはシングルモルトの強いピート香があまり得意ではないので、口当たりがなめらかな宮城峡のほうが好みかな。

余市蒸溜所、楽しかったです。以前行った山崎蒸溜所はツアーに参加できず見学だけだったので、こちらではツアーを含め深いところまで見ることができたのも良かった。スケールが大きくて華やかな山崎蒸溜所とは対照的に、余市には距離が近くて手作り感がある良さがありますね。

ウイスキー、最近は自宅で飲むのはもっぱらジェムソンばかりですが、たまには国産にも手を出してみようかな。あまり高いのは買えませんが。

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