明日発売のドラマ『それぞれの孤独のグルメ』の Blu-ray BOX がフライングで届きました。
横長のキービジュアルに合わせてパッケージも横向きにデザインされていました。
この KV、五郎が扮している職業の人がゲスト主人公として登場するかと思わせて、この中で実際に登場したのは医師と神主のみ。ドラマの内容を示唆するのではなくあくまで「松重豊にどんな格好をさせたら面白いか」という発想でコスプレさせた KV だったことが、全話を見た今になって分かりました(笑。
それにしても左端の警備員姿、松重さんの銀幕デビュー作を思い出しますね。あの作品のイメージとは全然違うけど。
Season10 までは(演出や料理のチョイスに助言はしつつも)あくまで主演俳優だった松重さんが『劇映画 孤独のグルメ』(制作順でいえば『それぞれ』よりも映画が先)を経て企画プロデュースをも担った本作。井之頭五郎はあくまで狂言回しでゲスト主人公が主役という建て付けもあってレギュラーシーズンとは手触りが違うドラマとなりました。五郎がひたすらモノを食う姿を純粋に見たかった人には肩透かしだったかもしれませんが、個人的にはこれはこれで一つのスタイルだと思ったなあ。
私はもちろん全店聖地巡礼済みですが、谷在家の食堂のおかみさんに覚えられたり、人生で初めてサウナ施設に行ったり、子ども食堂の舞台となった平塚バプテスト教会でミサに参加したり、出雲に一人旅したり、クリームボックスを食べるためだけに郡山に行ったり…巡礼も今までのものとは違う体験が多くて楽しかったです。それらの思い出を抱えながら Blu-ray で改めて見返すとリアルタイムとはまた違った感慨がある。
ディスクは全五枚組。DISC 1~3 はドラマ本編、DISC 4 には 2023/2024 年の大晦日スペシャル、そして DISC 5 には特典映像が収録されています。
この Blu-ray BOX の告知時点ではスペシャルドラマは 2023 年のものが収録されることだけが公表されていましたが、『それぞれ』の最終話からそのまま繋がる 2024 年の大晦日 SP もつけてくれるんじゃないかと期待していました。BOX の値段もいつもよりちょっと高めだったし(笑
大晦日スペシャルも 2023 年は南(沖縄)に行ったかと思えば 2024 年は北(能登)ですからね。震災があったその年のうちに孤独のグルメが能登を訪れてくれたことは北陸人として嬉しかったし、自分でもそれを追って穴水の人情に触れられたことはとても良かった。
特典ディスクもてんこ盛り。メイキングは「それぞれの主人公の場合」と「企画プロデュース・松重豊の場合」、さらに 2024 大晦日スペシャルのメイキングまで含まれています。「それぞれの主人公の場合」は様々な職業の主人公に焦点を当てたドラマだけあって衣装や大道具・小道具へのこだわり、そして各ゲスト主人公の食べっぷりまで見どころ沢山。「企画プロデュース・松重豊の場合」は今までの主役だけやってたときとは一段違う松重さんのドラマへの関わり方が垣間見えて面白かったです。今までのドラマではそこまでやってなかったよね?という松重さんの細かいコダワリが見えるし、企画プロデュースと言いながら実質的にはこれ監督ですやん…というくらい、本当に政策の全般に関わっている。松重さん自身が「もう俳優よりも裏方やってた方が楽しい」と仰っている理由がよく分かりました。
2024 大晦日スペシャルのメイキングもロードムービー全体のビハインドザシーンを見られて良かったのですが、特に穴水での撮影の様子が見られるのが良い。穴水の町民の方々をエキストラに起用した撮影や、映画上映のシーンでは実際に『劇映画 孤独のグルメ』を超先行上映していた件にも触れられていました。あとは八王子での撮影の際に撮られた五郎ミニと塚本晋也監督の愛車ミニの Instagram の一幕が見られるのも貴重。
…とまあ、特典映像としてメイキングが収録されていることはまあいつも通りではあるのですが、今回の特典ディスクがすごいのはドラマでは放送されなかった「ふらっと QUSUMI」の特別編が収録されていることです。ありものの映像の未公開シーンではなく、この Blu-ray BOX のためにわざわざ新規撮影したんだからすごいことです。収録されているのは谷在家のみたけ食堂、関内のあい川、吉祥寺のきっちん大浪の三店舗。実際に行ってみた私としてもこれは良いチョイスだと思います。そして特典ディスクのために撮り下ろした映像だから通常のふらっと QUSUMI よりも尺が長めなのも嬉しい。
特典ディスクに収録されている映像は合計で二時間近く。今日届いたところだからまだつまみ食い程度にしか見られていませんが、GW にじっくり楽しもうと思います。
それとこれは余談ですが、機材オタとしてはメイキングで撮影機材がちらっと写り込むと一時停止してチェックしてしまうわけですが、今のメイン機材はソニー FX6(あとサブカメラとして FX3)なんですね。
そして毎回密かに楽しみにしているのが付属冊子に収録されているロケハン日記。10 月の放送に向けて 7 月のクランクイン前後からの日程が記録されていますが、その前のロケハンを含めるとさらに 2~3 ヶ月前には準備が始まっているはずです。今回はレギュラードラマに比べてゲスト主人公の仕事シーンが多かったことで撮影も大変だったはず。私は谷在家のお店で見せていただいた台本の香盤表を見てその過酷さを察しました(笑。
あと、私がリアルタイムで撮影情報を追っていた際に、9 月頃にはだいたいの撮影が完了していたようだけどどう計算しても一話分足りないぞ?と思っていたら最終話(関内)だけ 11 月に撮影していたんですよね。どうしてそんなに間が空いたのかと思ったら、タンカー船での撮影の段取りがあったり平行して大晦日スペシャルの仕込みをしていたり、さらには同時期に釜山国際映画祭(劇映画を出品していた)があったり…ドラマ本編の撮影以外にもいろいろやっていたことがこのロケハン日記から分かりました。いやあ松重さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした…。
ということで『それぞれ』の Blu-ray BOX がリリースされたら次に期待されるのは劇映画の Blu-ray 発売ですね。近年は終映から半年足らずで配信とパッケージの発売が始まることが多いので、遅くとも秋口には出てくると思ってて良いのでしょうか。こちらも楽しみにしています。

それぞれの孤独のグルメ Blu-ray BOX(特典なし) [Blu-ray]
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- リリース日2025/04/23
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