「ホルモンそば、その六文字でよだれが出る」
前回のスラーメンに続き『孤独のグルメ Season8』第 8 話の聖地巡礼です。この回のメインたるオーカクとホルモンそばを攻めていきます。
ここは本来ならもっと早く来たかったところですが、Season8 の放送からほどなくして COVID-19 が始まってしまい、感染拡大防止のために鳥取県外からの訪店お断り状態だったのでした。現在ではその制限は解除されており、放送から三年近く経ってようやく来ることができました。
目指す店は鳥取駅から徒歩で 15 分ほど。いくら駅周辺の店がやってなかったからといって、ちょっと彷徨いすぎでは…というくらい歩いたところで看板発見。
薄暗くなり始めた通り沿いに、「焼肉」「ホルモン」「めし」!砂丘にオアシス発見。
この日はほぼ予約だけで満席状態だったようで、私が訪店した時点で店内はかなり出来上がっている雰囲気。
予約しておいた私の席は、ゴロー席の隣のコーナー席。
おお、砂かぶり席だ。いいじゃないか。
このために間食を我慢してきたから、良い感じに腹が減ってる。
メニューは空きっ腹にどんと来いの肉ぞろい。うっしっし。
まず一番上にあるオーカクは外せんなぁ。
それ以外は何をどう組み立てていくべきか。
こういうもの(鉄板)を見ると水じゃない飲み物を頼みたくなる。というわけで、飲み物は砂丘ソーダ(笑)を注文。生ビールもあったけど、久住さんに倣って瓶ビールにしてみました。こういう店って生よりも瓶が似合う。
料理の注文も第一弾は済ませたものの、持ち帰りも含めて注文が立て込んでいるようで、なかなか出てこない。
こちとら腹が減っていて、分かっていてもソワソワしてしまう。
うー胃袋よ、焦るな。脳みそよ、騒ぐな。
そしたら女将さんが「焼けるまでの間におでんでもどうですか?」と助け船を出してくれました。
おおそうだ、劇中では食べるシーンはなかったけどあのおでん鍋がずっと気になっていたんでした。
とりあえず、スジと大根。おつまみおでんの王道をビールに合わせてみました。
やはり期待通り、よくしみててうまい。おでん屋としてもやっていけるレベル。
そして写真左上のゆず味噌がまた濃厚で、めちゃくちゃうまい。このまま鉄板焼きがなかなか出てこないなら、おでん全種類制覇してしまいそうな勢い。
というところで、私のものと思わしきオーカクが鉄板にご登壇。
ドラマと同じく、出入口側の鉄板は主に女将さん(劇中での配役は渡辺えり)の担当らしい。
コテと鉄板の奏でる音楽がたまらない。立ち上がって踊りたい。
熟練のコテ捌きが見た目にも楽しい。
そんなわけで、これが「オーカク」の塩。
オーカクの由来は横隔膜、つまり上ハラミということですね。
ハラミは焼肉の部位の中でもかなり好きな部類、これは期待大。
いただきます。
おお、こ れ は …うまい、うまいぞオーカク。
しっかりめに味がついているけど、それ以上にうまみがすごい。噛めば噛むほどに味が出てくる。呑み込むのがもったいない感じさえある。
ん~、ん~!足を踏み鳴らしたい。
さすがイチ押し、オーカク絶品。
続いて塩レバー。こちらは久住さんが食べていたやつ。
塩味にしたらオーカクと見た目から何からかぶってしまったけど、こっちはプリッ、の後にトロッ、が来る食感の魔術師。そして当然のようにくさみゼロ。オーカクに負けず劣らず、このレバーもいい。
肉がしみじみとうまい。
この店の年季の入った鉄板のなせる味なんだろうな。
たまらずビール瓶が空になってしまったので、ハイボールレモンへと駒を進めていきます。
あまりレモン風味がしないと思ったらレモンがカチコチに凍ってるじゃないの(笑)自分で搾って酸味を調整しながら飲めるから、これはこれでアリ。
さあ、体勢を立て直して追加注文だ。
この店は深追いすべきだろう。
ここでサイコロステーキ。これもいい。
オーカクとはまた違った肉肉しさがあるけど、噛めば噛むほどうまいのは同じ。サイコロのうまさにシカクなし。
カリカリのニンニクチップの香ばしさもすごく良いんだけど、隠し味的に載ってる飴色タマネギが絶妙!肉のうまみを引き出してくれる。
うん、うんうん。これは止まらんぞ。
ここで満を持してホルモンそばを注文。
目の前の鉄板はこのタイミングで女将から若女将に選手交代。満席で次から次へと入ってくる注文を、絶妙にフォーメーションチェンジしながら受けていく。長年のコンビネーションのなせる技なんだろう。
ちなみに私がこれを注文するまでの間に、目の前の鉄板で持ち帰りも含めてゆうに十人前を超えるホルモンそばが焼かれていきました。ホルモンそば、本当に大人気。
そしてこれが俺のためのホルモンそば。
焼きはじめは山盛りのもやしに驚いたけど、火が通ってみると十分食べられそうな量に落ち着いてきた。
焼きそばなのにつけダレがついてきて、自分で味を調節しながら食べられるのが楽しそう。
タレ、甘辛ニンニク、すごい。ホルモンと溶け合ううまさ。
このホルモンも、噛めば噛むほどうまみがしみ出してくる。そういえば久住さんが「人生の最後に何を食べたいかと聞かれたら、ホルモンを噛みながら死にたい」と言っていたけどこのホルモンならその気持ちが解る(笑。
力強い中太麺は、鉄板の上で受け止めたホルモンのうまみと一緒に味わえるのがすごい。
焼きそばって文字通り日常茶飯事のように食べる料理だけど、こんな焼きそばは初めてだ。
これは確かに…お店に来るお客さんのほぼ全員が注文するのも頷ける。
うまかったあ…大満足だ。
このためにはるばる鳥取まで旅してきた甲斐がありました。
カウンター越しにいろんな会話が飛び交う家庭的な空間に同居させてもらう感じも幸せだった。
それにしても、噛めば噛むほど、食えば食うほどにうまいホルモンと肉たち。あの味はしばらく忘れられそうにない。
今後自分の中での鉄板焼きのハードルが間違いなく上がってしまった。
鳥取に来る機会があったらまた食べに来たい、そう思える店でした。
ごちそうさまでした。
というわけで、『孤独のグルメ Season8』の聖地巡礼も三年越しでようやくコンプリート。
これで過去のレギュラーシーズンの巡礼が完了できたことになるので、今月からは心置きなく新しい聖地巡礼に邁進できます。
どんと来い、Season10。来週からの放送を楽しみにしています。
■ドラマ『孤独のグルメ Season8』聖地巡礼エントリーまとめ
第 1 話 神奈川県横浜中華街の中華釜飯と海老雲呑麺 / 再訪 / その 3 / その 4 / 間食パート
第 2 話 東京都杉並区高井戸のタンステーキとミートパトラ / 再訪
第 3 話 東京都中央区日比谷 銀座の Bar のロールキャベツ定食
第 4 話 埼玉県新座市の肉汁うどんと西東京市ひばりが丘のカステラパンケーキ
第 5 話 群馬県藤岡市の一人ロースター焼肉
第 6 話 東京都台東区浅草のローストポークのサラダとチムチュム
第 7 話 神奈川県鎌倉市由比ガ浜のドイツ風サバの燻製とスペアリブ
第 8 話 鳥取県鳥取市のオーカクとホルモンそば / スラーメン
第 9 話 東京都千代田区御茶ノ水の南インドのカレー定食とガーリックチーズドーサ / 再訪 / その 3
第 10 話 東京都世田谷区豪徳寺のぶりの照焼き定食とクリームコロッケ
第 11 話 神奈川県川崎市武蔵小杉の一人ジンギスカン / 再訪
第 12 話 東京都台東区三ノ輪のカツ丼と冷やし麻婆麺
→その他の聖地巡礼エントリーはこちら
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